米国株

生活必需品株の下落で注目すべき3つの「強気買い」銘柄:コカ・コーラ、モンデリーズ、ペトコ

ストーリーハイライト

景気後退懸念が再燃し始めているにもかかわらず、生活必需品株はこのところ急落しています。この下落にもかかわらず、ウォール街はコカ・コーラ、モンデリーズ、ペトコ・ヘルス・アンド・ウェルネスを依然選好し、「強気買い」と評価しています。

先月の生活必需品株の急落は、コカ・コーラ、モンデリーズ、ペトコ・ヘルス・アンド・ウェルネスのような消費関連株のトップ銘柄が大きな打撃を受けるというものでした。間違いなく、生活必需品株は激動する経済状況下でも安定していることで有名です。

堅実な配当と、不況に見舞われた下げ相場でのアウトパフォームの実績から、これらの銘柄は崖から急降下するのではなく、急上昇していると考えるべきでしょう。

確かに、金利上昇はセクターの最近の低迷の主な原因です。iシェアーズ米国生活必需品ETF (NYSEARCA:IYK)は先月7%以上下落し、昨年の史上最高値から約15%下落しています。

景気後退懸念が高まる中、下落した生活必需品株は賢明な買い物に見えると思います。関連銘柄を担当している多くのアナリストに聞いてみましょう。そこでこの記事では、TipRanksの比較ツールを使って、最近のセクター下落後でも「強気買い」の評価を誇る、3つの有望な定番の消費関連銘柄について比較検討します。

コカ・コーラ (NYSE:KO)

コカ・コーラは、長期バリュー株投資家のポートフォリオにとって不朽の名作です。ウォーレン・バフェット氏のお墨付きがある、伝説的なブランドを持つ強力な消費者定番商品であるだけでなく、弱気相場に陥ることはめったにない企業でもあります。本稿執筆時点で、株価は昨年つけた史上最高値から約20%下落しています。

最近の低迷のほとんどは9月に始まったもので、金利上昇傾向もその一因です。もちろん、現在3.44%の利回りのコカ・コーラの配当は、無リスクの米財務省証券に対する競争力を高めるために上方修正する必要があります。

なお、他の短期的な逆風も株価を若干押し下げています。最も顕著なのは、オゼンピックをはじめとする減量薬に関する絶え間ない情報が、このところビジネスのヘッドラインを独占していることです。オゼンピックを服用するアメリカ人が増えるにつれ、食欲が減退し、特に不健康なジャンクフードや甘いソーダを好まなくなるのではないかと懸念されています。

減量薬の登場は注目に値しますが、流行のダイエットやその他の減量薬は、実は目新しいものではありません。これまで、コカ・コーラの「堀(継続的な経済的優位性)」を傷つけることはありませんでした。

そして、オゼンピックの誇大宣伝が一段落すれば、投資家は最近の株価下落が、絶好の買い場であることに気付くと思います。そのため、私はコカ・コーラ株に強気です。

コカ・コーラ株の目標株価は?

TipRanksによるコンセンサス評価では、コカ・コーラ株は「強気買い」であり、「買い」が9件、「中立」が3件となっています。コカ・コーラ株の平均目標株価70.00ドルは、現在から29.5%の上昇可能性を示唆しています。

モンデリーズ (NASDAQ:MDLZ)

モンデリーズは菓子会社ですが、やはりオゼンピックの影響を受けており、株価は過去1ヶ月で11%下落しました。確かにこれは、生活必需品株の安定したドル箱では予想出来ない下げです。

コカ・コーラと同様に、ダイエットの心配は、不況に備えようとする投資家にとって長期的な買い場を生み出していると考えています。今のところ、私はモンデリーズに強気です。

同社株式の利回りは2.48%で、10年債が5%に迫る金利を提供している米財務省債券と比較すると、魅力的ではありません。それでも、モンデリーズは国内外での事業拡大を目指すスナック菓子会社で、比較的良好な成長見通しを持っていると私は考えます。

もちろん、ダイエット中の人(または食欲が落ちている人)なら、オレオ・クッキーへの欲求を我慢できるかもしれません。それでも10年後には、私たちの多くがモンデリーズの食品をおやつにし、スナック菓子市場を席巻したダイエットブームのことなど忘れているかもしれません。

TDコーウェンは、モンデリーズをトップピックのひとつとしており、発展途上国市場における力強い成長見通しに注目しています。株価は株価収益率(PER)20.4倍で、過去5年平均の21.8倍を下回っています。

モンデリーズ株の目標株価は?

モンデリーズのコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3ヶ月のレーティングは「買い」15件、「売り」2件でした。平均目標株価82.82ドルは、現在から30.5%上昇する可能性があります。

ペトコ・ヘルス・アンド・ウェルネス・カンパニー (NASDAQ:WOOF)

ペット関連小売り企業のペトコは厳密には一般消費財株ですが、同社はウェルネス企業と定義しているのかもしれません。個人的には、むしろ消費者にとって重要な企業だと私は思います。

ペットの飼い主の多くは、ペットの幸せのためにできることは何でもしたいと思っています。ペットは家族の一員です。ともあれ、私はこの株に対して強気の姿勢を維持しています。

果たしてペットは、高価なペットフードと安価なジェネリックフードの違いを見分けることができるのでしょうか?本当のところはわかりません。ともあれ、消費者の圧力が強まれば、低価格商品への買い替えが進む可能性があります。しかしペトコは、引き続きペット向け食料品店として、利益を得る立場にあります。

現在、ペトコ株は数年にわたる悪循環にあり、株価は2021年につけた31.08ドルのピークから下落し、3ドル前後で変動しています。同社は米国やカナダの様々な小売業者と提携を続けていますが、奏功していません。株価純資産倍率は0.4倍です。

ペトコ株の目標株価は?

ペトコ株のコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3ヶ月のレーティングでは「買い」が6件、「売り」が2件となっています。平均目標株価7.14ドルは、なんと97.2%の上昇可能性を意味します。

結論

生活必需品株の急落は、特に景気後退の話題が再燃している現在、行き過ぎと思われます。結局のところ、このセクターはバリューとアップサイドに富んでいるとみられます。現時点では、アナリストはペトコ株が最も上昇すると予想しています。それらの予想が正しければ、株価は現在の水準からほぼ2倍に上昇する可能性があります。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、KO, MDLZ, WOOF: 3 “Strong Buy” Stocks to Watch as Consumer Staples Fall原文の翻訳を中心にまとめています。

米国株
この記事のライター
フリージャーナリスト。出版社勤務後、1984年4月からフリー転向。以降、月刊宝石や「ダカーポ」などに原稿を執筆。月刊誌の取材・執筆活動のほか、単行本の執筆や編集等を行う。著書に『サイエンススクランブル』『我らチェルノブイリの虜囚』(いずれも共著)がある。2007年11月から2016年1月まで日本で唯一の外国為替証拠金取引(FX)の専門誌月刊「FX攻略.com」の初代編集長を務める。FXポータルサイト「エムトレ」アドバイザー歴任。
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
最新記事