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アナリストによる、今買うべき半導体株ベスト3(2024年4月)

ストーリーハイライト

最も魅力的な半導体プレーヤーへのエクスポージャーをお探しの投資家は、アナリストの支持を集め、高い上昇ポテンシャルを持つ以下の3銘柄をご検討ください。

ウォール街のアナリストによる、2024年4月に買うべき半導体株ベスト3です。人工知能(AI)領域は、先進的で進化し続ける半導体チップに大きく依存しています。これらの先端チップは、AI技術、機械学習、深層学習アルゴリズム、大規模言語モデル(LLM)の学習を加速させるために使用されています。これらのチップがなければ、高度なチャットボットの存在は不可能でしょう。

AI分野における半導体メーカーの重要性は皆さんもよく理解されていると思いますので、アナリストの支持を集め、魅力的な上昇ポテンシャルを持つ3つの半導体銘柄を掘り下げてみます。

1位 マーベル・テクノロジー・グループ (Marvell Technology Group Ltd., NASDAQ:MRVL)

マーベル・テクノロジーは、アナログ、ミックスド、デジタル信号処理、組み込みおよびスタンドアロン集積回路の設計、開発、販売を行う半導体企業です。同社の半導体技術ポートフォリオは、AI、クラウド、通信事業者、自動車、企業インフラの機能を強化します。

2024年度(2024年1月期)のマーベルの調整後1株当たり利益(EPS)は1.51ドル、純売上高は55.1億ドルでした。この結果は、売上高59億2,000万ドル、調整後1株当たり利益2.12ドルという前年度の数字から減少しています。

AIカスタムチップ製造で3社目の大規模顧客獲得

2025年度第1四半期(2024年2-4月期)についてマーベルは、売上高11億5,000万ドル(±5%)、調整後0.23ドル(±0.05ドル)を予想しています。同社は最近、AIカスタムチップの製造に関して3社目の大規模顧客を獲得したと発表しました。同社は最近のAIイベントで、AI関連売上高が2023年度の約2億ドルに対し、2026年度には25億ドルを超えると予想していると述べています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、マーベル株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が27人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の89.42ドルは、今後12カ月で37.1%の上値余地を示唆しています。過去1年間で、株価は59%上昇しました。

2位 アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (Advanced Micro Devices, Inc., NASDAQ:AMD)

AMDは、新しいタイプの半導体を開発し、ファウンドリー(半導体受託生産企業)に製造を委託するファブレス半導体設計会社です。同社の半導体は、クラウド・コンピューティングやAI分野で広く使用されています。AMDは、MI300Xアクセラレータの大きな可能性から、今後ライバルのエヌビディア(NASDAQ:NVDA)と激しく競争することが予想されます。

特筆すべきは、AMDが最近発表したノートパソコンやデスクトップパソコン向けの4ナノメートル技術で、AI対応のパソコン市場に革命を起こそうとしています。これらの半導体は、今年第2四半期から大手コンピューター・メーカーに採用される予定で、AMDの売上高を数十億ドル増やすことになるとみられます。

アナリスト、AMDのアクセラレータおよびサーバー向けプロセッサーに期待

AMDは4月30日に2024年第1四半期決算を発表する予定です。アナリストは、調整後EPSは0.62ドル、売上高は54億8,000万ドル(ほぼAMDのガイダンス通り)と予想しています。この数値は、前年同期と比較して顕著な急上昇とはなっていません。

軟調なガイダンスにもかかわらず、アナリストは、MI300Xアクセラレータの大きな可能性とサーバー向けプロセッサー市場の成長により、AMD株への強気を維持しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、AMD株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が29人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の202.81ドルは、今後12カ月で30.8%の上値余地を示唆しています。過去1年間で、AMD株は72.4%上昇しました。

3位 マイクロン・テクノロジー (Micron Technology Inc., NASDAQ:MU)

マイクロンは、集積回路、コンピュータ・プロセッサ、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)、フラッシュ・メモリ、USBフラッシュ・ドライブなどのストレージ・デバイスを製造しています。同社は半導体チップを設計・製造し、それを最終製品(電子部品)に組み込んでいます。

2024年度第2四半期(2月29日までの3カ月間)で、マイクロンは調整後EPS0.42ドルを計上し、ウォール街が予想していた1株当たり0.25ドルの調整後損失を大幅に上回りました。また、売上高も予想を上回る58億2,000万ドルとなり、前年同期比57.7%増となりました。この決算を受け、ウォール街のアナリストは相次いで目標株価を更新しています。

CHIPS法により、先端チップ製造で多額の政府資金を確保へ

2024年度第3四半期については、マイクロンは売上高66億ドル(±2億ドル)、調整後EPS0.45ドル(±0.07ドル)を予想しています。ウォール街は売上高を65.6億ドル、調整後EPSを0.44ドルと予想しています。

一方、マイクロンはバイデン政権のCHIPS法に基づき、ニューヨーク州とアイダホ州で先端チップを製造するため、61億ドルの政府資金を確保する予定と報じられています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、マイクロン株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が25人、「中立」が1人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の126.96ドルは、今後12カ月で13.4%の上値余地を示唆しています。マイクロン株は過去1年間で84.6%上昇しました。

結論

半導体企業は、爆発的に成長するAI分野で重要な役割を果たす高成長株と考えられています。合理的なリスクとリターンの組み合わせを目指す投資家は、大きなリターン期待でポートフォリオを強化するために、上記の3つの半導体銘柄を検討できるでしょう。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、3 Best Semiconductor Stocks to Buy in April 2024, According to Analysts原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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