ストーリーハイライト
2023年もいよいよ終盤戦に突入し、年末が見えてきました。唯一確実なのは、逆風がこれまで以上に強くなってきており、不確実性が今後も続くということです。
逆風を一つずつチェックしていきましょう: 米連邦準備制度理事会(FRB)は、高インフレが続いていることから、高い金利を長期的に維持する可能性が高いとの見方を示しています。地政学では、中国が台湾に対する威嚇を続け、ロシアのウクライナ戦争は激化し続け、中東ではイスラエルとハマスのテロ集団による戦いが勃発しています。原油価格は急騰し、投資家は安全な逃避先を求めています。金は1オンスあたり2,000ドルに迫り、10年物米国債利回りは2007年以来初めて5%に達しました。
このような状況ですが、だからといって株から逃げろというわけではありません。それどころか、ウォール街のアナリストは2024年の「トップピック」に注目し、今日の不安定な状況でも上昇する可能性のある銘柄を選んでいます。
TipRanksのプラットフォームを使って、そういった中から3銘柄を調べてみました。
以下はその詳細です。
インテグリス (ENTG)
まずはテクノロジー分野からです。インテグリスは、ハイテク部品製造(特に重要な半導体産業向けなど)のボトルネックや困難を解決する製品ラインナップを提供しています。インテグリスは、製造ライン部品から高度なろ過システム、特殊化学品に至るまで、顧客の複雑なプロセスを解決し、より高い製造歩留まり、より速い性能、より高い製品信頼性を実現します。
マサチューセッツ州を拠点とするインテグリスは1966年に設立され、時価総額は136億ドルを超えています。株価は年初来で42%上昇し、ナスダック総合指数の24%を大きく上回っています。この上昇の大部分は、5月に発表された2023年第1四半期決算が予想を上回ったことによるものです。直近に報告された第2四半期決算も予想を上回りました。
インテグリスの第2四半期売上高は9億100万ドルで、予想を1,420万ドル上回り、前年同期比で約30%増加しました。非GAAPベースの希薄化後EPSは0.66ドルで、予想を9セント上回りました。
一貫して予想を上回る能力
Needhamのアナリスト、Charles Shi氏は、インテグリスの一貫して予想を上回る能力を強調しています。「ウエハー出荷開始に関するインテグリスのアウトパフォームは、2024年に2桁成長、2025年にはさらに力強い成長につながると考えています。我々は、2024年の成長率見通し13%を維持し、2025年も17%成長を予想しています。2025年のEPS目標6ドルは達成可能だと考えています」。
Shi氏は、インテグリスを「コンビクションリスト(「買い」レーティング)」に入れており、目標株価120ドルは、今後12カ月で32%の上値余地を示唆しています。
この成長志向のテクノロジー企業に対する最近のアナリストレーティングは、「買い」5件に対し「中立」2件で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。現在の株価90.70ドルに対して、平均目標株価115ドルは今後12カ月で27%の上値余地を示唆しています。
ウェルズ・ファーゴ (WFC)
2番目の銘柄は、銀行セクターです。ウェルズ・ファーゴは、米国最大級の銀行としてよく知られています。同社のルーツは1852年までさかのぼり、西武開拓時代に銀行業務と速達サービスを組み合わせたサービスを提供していました。現在のウェルズ・ファーゴは、時価総額1,470億ドル、総資産1兆7,000億ドルを誇ります。
主要事業である銀行業務において、ウェルズ・ファーゴは、個人向け銀行業務、商業・中小企業向け銀行業務、富裕層向け資産管理など、あらゆるサービスを提供しています。具体的には、クレジットカード、住宅ローン、ホームエクイティ融資、商業向け資本が含まれます。支店網は広く、36 州とワシントンDC に合計約 4,600 支店、12,000 台の ATM 機を設置しています。
しかし、銀行セクターの苦境により、ウェルズ・ファーゴの株価は今年、高いボラティリティに見舞われていることに注意が必要です。株価は年初来で約1.5%下落しています。
とはいえ、ウェルズ・ファーゴの最新四半期報告である2023年第3四半期は、予想を上回る好結果となりました。同社の四半期合計収入は208.6億ドルで、前年同期比6.6%増、予想を7.9億ドル上回りました。EPSは1.48ドルで、予想を24セント上回りました。ウェルズ・ファーゴのバランスシート上のローン残高は、平均9,432億ドルで、平均預金残高1兆3,400億ドルを上回っています。
厳しい環境下でも業績を維持
エバーコアのアナリスト、Jon Pancari氏は、「ウェルズ・ファーゴは、厳しい環境下でも業績を維持する能力が証明されており、堅実な投資先です」と評価しています。「資金調達力の低下、ローン需要の減退、資本市場の低迷、クレジットの正常化といった厳しい環境下で、ウェルズ・ファーゴはアウトパフォームし続けています。従って、現時点での株価の相対バリュエーションには上振れ余地があると判断し、アウトパフォームのレーティングを再表明します」
このアウトパフォーム(「買い」)レーティングは、「トップピック」のステータスと、今後1年間で22%の上値余地を示唆する49ドルの目標株価を伴うものです。
ウェルズ・ファーゴ株に対する最近のアナリストレーティングは20件で、11対9で「買い」が「中立」を上回っています。平均目標株価は49.03ドルで、エバーコアの見解と同様です。
ベローナ・ファーマ (VRNA)
3番目の銘柄は、呼吸障害に対する新たな治療法に取り組む、臨床試験段階の医薬品を製造するバイオ医薬品企業、ベローナ・ファーマです。英国ロンドンを本拠とする同社は、気管支拡張作用と抗炎症作用の両方を1つの化合物で組み合わせた、非ステロイド性の新薬候補、アンシフェントリンを開発しました。この新薬は、喘息、嚢胞性線維症(CF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など、幅広い肺疾患の治療薬となる可能性があります。
この銘柄を見るときのポイントは、前述のアンシフェントリンです。ベローナはすでに同薬を第1相から第3相までの集中的な臨床試験シリーズを経て、新薬承認申請(NDA)をFDA(米国食品医薬品局)に提出しました。本申請は、これまでの良好な臨床試験データに基づいており、本年9月11日に受理が発表されました。FDAは、PDUFA(処方箋薬ユーザーフィー法)に基づく承認審査期限を2024年6月26日に設定しており、本申請に関する諮問委員会を開催する予定はありません(つまり、承認が確実とみられます)。
今が魅力的なエントリーポイント
ウェドブッシュのAndreas Argyrides氏は、ベローナ株について、「アンシフェントリンの2030年度の売上高は24億ドルになると予想しています。そのため、ベローナの現在の株価は、2024年6月に米国でアンシフェントリン承認され、24年下半期に米国で発売される可能性を前に、魅力的なエントリーポイントであると引き続き見ています」と述べています。
「アウトパフォーム(買い)」のレーティングとともに、Argyrides氏は目標株価を33ドルとしており、これは今後12カ月で157%の上値余地を示唆しています。
最近のアナリストレーティングでは5人全員がベローナ株に対してポジティブで、コンセンサス評価は「強気買い」となっています。現在の株価は12.86ドルで、平均目標株価32.60ドルは、今後12カ月で153%の上値余地を示唆しています。
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本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Analysts Say These 3 Stocks Are Their Top Picks for 2024原文の翻訳を中心にまとめています。
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