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アナリストによる2024年に最も魅力的なグロース株

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今年は利下げ期待からグロース(成長)株の上昇が予想されます。ここでは、ウォール街のアナリストがどの銘柄が最も高いリターンが期待できると考えているのか、3つのグロース株について解説します。

今年には、複数回の利下げが実施される可能性があり、グロース株への投資家心理が高まると予想されます。マクロ的な逆風にもかかわらず、いくつかのグロース株は2023年に市場全体よりも良いパフォーマンスを上げました。TipRanksの銘柄比較ツールを使って、ウーバー・テクノロジーズ(NYSE:UBER)、パランティア (NYSE:PLTR)、トレード・デスク (NASDAQ:TTD)を比較し、ウォール街のプロがどれが最も魅力的なグロース株と考えているかを探りました。

ウーバー・テクノロジーズ (NYSE:UBER)

ライドシェアやフードデリバリーを世界的に展開しているウーバー・テクノロジーズの株価は、この1年で120%近く急騰しました。2023年第2四半期に初めてGAAP(米国会計基準)上の利益を計上し、2023年第3四半期も黒字を維持しました。

さらに、ダラ・コスロシャヒ最高経営責任者(CEO)は、第3四半期の総予約数、旅行者数、月間アクティブプラットフォーム利用者数の加速を強調しました。同社は、堅調な需要とコスト規律を背景に、GAAPベースの営業利益とフリーキャッシュフローの改善に注力しています。また、同社の広範なネットワーク、分散されたビジネスモデル、収益性の向上は、最も近いライバルのリフト (NASDAQ:LYFT) よりも有利とみられます。

ウーバー株の予想は?

12月に、Willian Blairのアナリストは、ウーバーを2024年に最も有望な大型株の一つに挙げました。同調査会社は、ウーバーが今年、堅調な成長と規模拡大が見込まれ、広告売上高が上昇する可能性があると強調しました。

特にWillian Blairのアナリストは、ウーバーの今年の売上高が10億ドルを超えた場合、広告収入がさらなる起爆剤になると考えています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が36人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。65.83ドルの平均目標株価は、今後12カ月で9.2%近い上値余地を示唆しています。

パランティア・テクノロジーズ (NYSE:PLTR)

ビッグデータ分析企業のパランティアの株価は、過去1年間で152%以上上昇しました。同社は最近の四半期で利益を創出し、投資家に感銘を与えました。さらに投資家は、同社が人工知能(AI)関連の追い風を受けることを楽観視しています。

パランティアが最近提供を開始したAIプラットフォーム(AIP)については、楽観的な見方が多いです。実際、同社は2023年第3四半期に商業事業の成長が再加速した理由を、AIPに対する需要の高まりに求めています。同期における商業事業の成長率は23%増と、政府事業の成長率12%増を上回っています。

パランティア株の目標株価は?

1月5日、ジェフリーズのアナリスト、Brent Thill氏はパランティアを「中立」から「売り」に格下げし、目標株価を18ドルから13ドルに引き下げました。収益化戦略がないままAIが話題になっているため、株価が持続不可能なバリュエーション水準まで急騰していることを懸念しています。

Thill氏は、パランティアが十分に浸透していない大規模なTAM(獲得可能な最大市場規模)においてさらなるシェアを獲得する可能性を考え続けているものの、現在の株価水準ではリターンよりもリスクの方が高いと見ています。

全体としては、ウォール街はパランティア株を敬遠しており、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が4人、「中立」が4人、「売り」が6人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の13.36ドルは、今後12カ月で18.5%の下値余地を示唆しています。

トレード・デスク (NASDAQ:TTD)

クラウドベースの広告テクノロジー企業であるトレード・デスクは、広告代理店などが広告フォーマットやデバイスを横断してデジタル広告キャンペーンを作成、管理、最適化できるよう支援します。トレード・デスク株は、過去1年間で約56%上昇しています。

同社は11月にアナリスト予想を下回る第4四半期のガイダンスを発表し、株価の足を引っ張りました。同社によると、ストライキなどの影響を受け、米国の自動車やメディア・エンターテイメントなどの業界が広告に慎重になっているとのことです。

継続的な圧力にもかかわらず、多くのアナリストはトレード・デスクの長期的な見通しについて楽観的な見方を維持しています。アナリストは、同社がAI関連の追い風と、マクロ環境の改善に伴って予想される広告支出の改善から恩恵を受けると予想しています。

トレード・デスク株は「買い」か?

1月初め、Loop Capitalのアナリスト、Rob Sanderson氏は、トレード・デスクの「買い」レーティングを維持し、目標株価を92ドルとして、インターネット広告/SaaS(サービスとしてのソフトウェア)分野における2024年のトップピックとしました。

同氏は、トレード・デスクには強力なファンダメンタルズ、信頼性の高いネットワーク効果、拡大する競争上の「堀(強力な競合優位性)」があると考えています。同氏は、コネクテッドTVの台頭、リテールメディア、国際的な拡大などの堅調な経年的要因に加え、新しいメディアバイイングプラットフォームであるKokaiという強固なプロダクトドライバーを持つトレード・デスクにとって、2024年までのフレームワークも魅力的であると付け加えています。

さらに、Sanderson氏は、米国の選挙や自動車市場の回復など、循環的なカタリストから同社が恩恵を得ると予想しています。

トレード・デスクは、19人の「買い」、1人の「中立」に基づき、「強気買い」のコンセンサス評価を得ています。平均目標株価の82.69ドルは、今後12カ月で約21%の上値余地を示唆しています。

結論

ウォール街はウーバーとトレード・デスクに強気ですが、パランティアには冷ややかです。アナリストは、トレード・デスクが他の2つのグロース株よりも上昇する可能性が高いと予想しています。興味深いことに、TipRanksのスマートスコアシステムによると、トレード・デスクは「パーフェクト10」を獲得しており、長期的に幅広い市場をアウトパフォームする能力を持っていることを示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、UBER, PLTR, or TTD: Which Growth Stock Could be the Most Attractive Pick in 2024?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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