11月9日、大統領選挙に関心が集まり、多くの金融市場で大きな動きがあった。
ドル円は2円幅の急騰、株価指数は言うまでもなく史上最高値を更新している。
「大きな動き」と言えば、2020年で最も強い仮想通貨イーサリアムも注目だ。
イーサーリアムは、今年8月に51710円の史上最高値を付けるなど他の仮想通貨より強く値を上げている。
本記事では、イーサリアムが他の金融市場と同じく、大統領選挙に影響を受け大きく変動するのか?をチャートから分析する。
イーサリアムは為替市場とは連動していない
ドル円チャートを見ると、11月9日はドル高方向に大きく動いている。
イーサリアムとの相関関係はなく、同じタイミングでイーサリアムが小幅上昇を見せた程度だった。
この事実から、値動き上は為替市場とイーサリアムの連動性はないと言える。
したがって、ドル円が大きく動いたからといってイーサリアムを焦って買う、あるいは売る必要性はないだろう。
もう1点気になるのは、ドル円の相場が大きく動いた事により、イーサリアムの価格に乱れはないか?だ。
例えば、ビットコインだとバブル全盛期では韓国ウォンとの価格が先行して上がる現象が見られていた。
今回は、ドル円レートに関連して、ETH/JPY・ETH/USDで比較をする。
イーサリアムと日本円のチャート、オレンジ線がイーサリアムと米ドルによる比較チャートで検証してみる。
11月9日時点では、差がなく同じ割合で動いていた。
しかし、11月10日からは一時的にETH/USDがETH/JPYより一段下げが進行している。
ドル円に連動して差は生じないが、わずかにズレが生じるほどの影響はあるようだ。
イーサリアムと実物資産「金」
イーサリアムを含む、仮想通貨ではデジタル資産として評価する投資家もいる。
しかし、「資産」と言えば、貴金属である金が変わらず人気だ。
ビットコイン同様に超長期的には上昇トレンドで推移している。
金は大統領選挙によるファンダメンタルズの影響を受け、ドル円の下落と共に、金相場は大きく下落した。
実物資産である金の価格が下がり、デジタル資産である仮想通貨(イーサリアム)の価値が上がる。
この展開が起きれば、今回の大統領選挙を受け、仮想通貨がデジタル資産として世間に認められるキッカケになるはずだ。
しかし、実際には特に金市場と連動する動きはなく、デジタル資産の今後の課題も垣間見れた。
大統領選挙の相場でイーサリアムに見えた課題
大統領選挙に関する報道により、多くの金融市場が動いた。
しかし、仮想通貨で第2位の取引高を誇るイーサリアムは「無風」だ。
残念ながら、金融市場の仲間として認められるには至っていないと思われる。
より大衆にイーサリアムが認知され、他の市場から大きな資金が流れる事に期待したい。
その一方で、金融市場として未発達ながら、イーサリアムは1ETH=4万円以上で取引されている。
イーサリアムの市場が発達したら一体いくらの値が付くのか?期待値は未知数だ。
イーサリアム(ETH)