仮想通貨LCXとは、リヒテンシュタイン公国から認可を受けた仮想通貨プロジェクトです。
分散型取引所や仮想通貨と法定通貨の交換、専用のウォレットまで1つの仮想通貨インフラをLCXのプラットフォークが整えます。
本記事では「仮想通貨LCXとは?」をテーマに基本~最新情報、価格推移から今後の予想まで徹底的にまとめました。
仮想通貨LCXとは?
仮想通貨LCXとは、現在の仮想通貨市場と金融市場をシームレスに接続した、新しい形態の銀行システムの構築を目指して開発されたプラットフォームです。
現在の金融システムは金融機関同士の接続が脆く、市場の変化についていくことが難しくなっています。
一方、仮想通貨市場はまだ法規制が進んでいません。仮想通貨取引は規制されていない取引所で断片化されており、取引そのもののリスクが高くなっています。そのため、機関投資家が仮想通貨投資に参入しにくい状態です。また両者の橋渡しとなるサービスも発達していません。
LCXは従来の金融機関に準拠した法規制によって保護されたブロックチェーンバンキングサービスを提供することで、従来の金融市場の利用者と仮想通貨市場の利用者の両方の参入を促そうとしています。
2019年6月にはLCX Terminalという仮想通貨取引プラットフォームが公開されました。更にLCX Bankingと言われる取引銀行や仮想通貨交換所であるLCX Exchangeなどの立ち上げも予定されています。各種サービスによって、法定通貨と仮想通貨を一本化したエコシステムの構築を目指しているのです。
仮想通貨LCXに関する最新情報まとめ
リリース日 | 概要 | 情報ソース |
2019年1月15日 | WEFの4次産業革命センターに参加 | https://www.lcx.com/lcx-joins-world-economic-forumfor-fourth-industrial-revolution/ |
2021年6月29日 | Fire Salamanderをローンチ | https://www.lcx.com/lcx-launches-dex-aggregator/ |
2021年7月20日 | Hedera Hashgraphとパートナーシップを締結 | https://www.lcx.com/hedera-hashgraph-and-lcx-collaborate-to-develop-infrastructure-for-digital-securities/ |
2021年7月時点で公開されているLCXに関する最新情報をまとめました。
直近では、分散型取引所に関係する他のプロジェクトとの提携や、分散型取引所における技術開発を行っているようです。
ただし、LCXの独自性や競合する仮想通貨プロジェクトと差をつける大きな材料は出ていません。
プロジェクト進捗が順調であるものの、ビックニュースが出ていない現状です。
WEFの4次産業革命センターに参加
2019年1月15日、LCXが世界経済フォーラム(World Economic Forum, WEF)の第4次産業革命センターに参加したことを発表しました。
WEFは政治やビジネス、文化などで影響力を持つリーダーを連携させる国際機関です。公的機関と民間組織、学術機関、国際機関などあらゆる機関を連携させ、社会を進歩させることを目的としています。
第4次産業革命センターはWEFの中のグループのひとつです。新しいテクノロジーの採用やガバナンスへのアプローチに関して6つの重点分野を設定し、参加する機関内でプロトコルを共同設計・試験運用しています。
LCXは重点分野の中で「ブロックチェーンと分散型台帳技術」に取り組みます。銀行や金融、更にそれらを巡る法規制に関する新しい分散型台帳技術のユースケースを、他の参加機関と共に共同設計する予定です。
またLCXは2019年中に、WEFが主催する「ブロックチェーンの時代の中央銀行」をテーマとするワークショップに何度も参加してきました。これらは非公開で行われ、LCXのほかに20以上の中央銀行の上級管理職が参加しています。
Fire Salamanderをローンチ
2021年6月29日、LCXはLCX Terminal2.0としてFire Salamanderをローンチしました。Fire SalamanderはLCX Terminal内で利用できる、スマートDEXアグリゲーターです。
DEXアグリゲーターとはUniswapやSushiswapなど数あるDeFiプラットフォームから最も効率的に利益をあげられるものと自動で取引をすることで、より多くの利益を得られるようにするツールです。DEXアグリゲーターを使うことで利用者はより多くの利益をあげることができ、DeFiプラットフォームはより多くの流動性を確保できます。
LCX Terminalはローンチ時にUniswapの指値注文ができる機能がありました。Fire Salamanderは主要なDeFiプラットフォームにまで範囲を拡大しており、より多くの利用者の流入が期待できます。
Fire SalamanderにはDeFiプラットフォームを自動で検出するBasis Swapと通常の、手動で注文を行うPro Swapの2つの機能があります。Pro Swapは従来のLCX Terminalの機能の延長線上にあると言ってもいいでしょう。
Hedera Hashgraphとパートナーシップを締結
2021年7月20日、LCXはHedera Hashgraphとの戦略的パートナーシップを締結したことを発表しました。
Hedera HashgraphはBitcoin、Ethereumに次ぐ第三世代のブロックチェーンとして注目されるプロジェクトです。ハッシュグラフという独自の分散型台帳技術と透明性の高いガバナンスを有しており、企業への導入も期待できます。
このパートナーシップによって、Hedera HashgraphにLCXのセキュリティトークン規格が追加されました。このことにより、Hedera Hashgraph上でトークンを発行するプラットフォームであるHedera Token Service(HTS)が拡張されます。
HTSの利用者はLCXのプロトコルを利用し、デジタル証券を安全、かつ高い信頼性をもって発行することが可能です。LCXの利用者はHedera Hashgraphの高性能なプラットフォームを利用してトークンを発行できます。
またLCXの提供するLCX ExchangeでHedera HashgraphのネイティブトークンであるHBARを上場します。
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仮想通貨LCXの将来性
LCXのように包括的なDeFiプラットフォームを提供するプロジェクトは他にも少なくありません。
しかし、LCXはそれらの中でも唯一、リヒテンシュタインの正式な認可を得ているという強みがあります。LCXという名前もLiechtenstein Cryptocurrency Exchange(リヒテンシュタイン仮想通貨交換所)の略称に由来しています。
リヒテンシュタインは2018年6月21日にブロックチェーン法を発表しました。この法律は世界で唯一となる、ブロックチェーン技術に関する包括的な規制を盛り込んだものです。LCXはブロックチェーン法に基づく11のライセンスのうち、8つまで取得しています。今後はリヒテンシュタイン金融市場局のフルバンキングライセンスを取得する予定です。
LCXは数ある仮想通貨プロジェクトの中でも数少ない、公的な認可と規制に基づいてサービスを提供する仮想通貨プロジェクトです。この認可が仮想通貨市場と既存の金融市場の橋渡しとして機能する大きな材料となるでしょう。
ネイティブトークン「LCX」
LCXのネイティブトークンであるLCXトークンはERC20を利用して開発された、イーサリアムベースのトークンです。
LCXトークンはLCXの提供するサービスの手数料や料金として機能するほか、各サービスを利用するうえでのメリットを提供します。
例えばLCX Terminalでは一定量のLCXトークンを保有しなければ、UniswapなどのDeFiプラットフォームにアクセスすることができません。またLCX Exchangeでは支払いにLCXトークンを利用することで、手数料を最大で半減されます。
またLCXトークンは各種サービスの報酬としても与えられる仕組みです。エコシステム内でのメリットを享受できるため、LCXトークンは投資家がLCXに参加する動機づけを行う、インセンティブメカニズムとしても機能します。
LCXトークンはLCXのエコシステムの中心に位置する仮想通貨です。LCXの利用が拡大することで、LCXトークンの利用も拡大し、価格の向上が期待できます。
仮想通貨LCXの価格推移と今後
LCX/LCXの基本情報 | |
LCX/LCXの価格 | ¥2.83 |
一日の出来高 | ¥35,669,613 |
マーケットドミナンス | 0.00% |
市場ランキング | 636位 |
時価総額 | ¥1,693,198,334.02 |
直近1年間の高値/安値 | ¥18.78/¥0.7353 |
最大供給 | データなし |
※価格等の情報は、2021年07月22日時点のCoinmarketcapより引用
LCXトークンの価格は、現在1LCX=数円です。市場ランキングも600位台と市場規模の小ささが目立ちます。
ERC20規格のトークンとして、分散型取引所を主戦場とし、海外・国内の企業ベースの仮想通貨取引所には上場していません。
2021年7月現在では、分散型取引所UniswapでLCX/WETHのペアで多く取引されています。
LCXトークンの取引は、分散型取引所や一部の海外取引所を使う必要があるため、初心者にとって敷居は高いでしょう。
とは言え、LCXトークン自体は未だ歴史的な急騰を経験していない「今から仕込める草コイン」として魅力があります。
今後は「出来高」に注意
LCXトークンは市場の流動性が低く、価格の不安定さから今後の展開を予想するのは難しいでしょう。
実際のチャートからは、急騰と急落を見せるも結果として数円の価格に戻っているのが分かります。
したがって、単純な価格推移より、出来高に注目するのが良いでしょう。
2017年は、多くの草コイン(著しく流動性の低いアルトコイン)が価格を押しあげる際、出来高の大幅な増加が見られていました。
これまで取引量の少なかった銘柄へ、投資家の注目が入り、急激に取引量が増えると価格の上昇と出来高が相関して上がっていきます。
LCXトークンも同様に、出来高へ注目し、直近と比べて明らかな増加があれば、価格を押し上げるトレンド発生の初動となる可能性が高いです。
仮想通貨LCXとは? まとめ
今回は「仮想通貨LCXとは?基本情報・将来性・価格推移まとめ」のテーマでした。
この記事のポイントは以下の通りです。
- LCXは、法定通貨と仮想通貨を一本化したエコシステムを開発する
- リヒテンシュタイン公国より認可を受けた仮想通貨プロジェクトとしてLCXは独自性がある
- LCXは、分散型金融や分散型取引所に関連するプロジェクトと提携、自身のプラットフォームの開発が進んでいる
- 価格推移は、目立った動きはなく、取引量の少なさが問題
- 出来高に注目し、取引量の増加と価格上昇の相関がみられると大きく期待が持てる
仮想通貨LCXは、アルトコインの中でもマイナーな銘柄です。価格推移からもわかる通り、短期トレードなど、戦略的に売買をしていくには難易度が高いかも知れません。
とは言え、特定の国から認可を受ける仮想通貨プロジェクトして珍しい特徴もありますから、分散投資先の1つとしては十分に期待値が高いと言えるでしょう。
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