チャート分析で基本的かつ、最も人気のある方法が「水平線ライン」です。
シンプルなラインだけで今の相場を測ることができる水平線ラインは、FX取引の世界でトレーダーたちが最も意識している価格において、どこが意識しているかポイントかを教えてくれます。
つまり、「今の相場でどこが意識されているのか」を可視化することができます。世界中で最も人気のあるテクニカル分析の1つだと言われています。
投資家の心理トレンドを読み解くこの手法は、暗号資産(仮想通貨)の世界においても十分に役立ちます。
目次
水平線ラインとブレイクアウト手法
トレードで大きな利益を狙うには、「サポートライン」や「レジスタンスライン」の「ブレイクアウト」を狙う必要があります。
(※専門用語はこの後、解説します)
しかし、投資初心者の方の中には「どのように水平線ラインを引けばいいのかわからない・・・。」と悩んでいる方もいらっしゃるのではないでしょうか?
そこで今回はレジスタンス・サポートラインなどの「水平線ラインの引き方」と、水平線を利用したトレード「ブレイクアウト手法」について解説したいと思います。
また、前回紹介した「MT4」で水平線を引きたい場合の操作方法もあわせて紹介します。
水平線ラインのブレイクアウト手法がなぜ人気なのか?そのメリットは?
まず、水平線ライン(レジスタンス・サポートライン)について、その性質とメリットについて説明します。
水平線ラインは、相場のトレンドの天井や底だと思われる価格帯に引くラインです。
- 相場の天井付近の水平線ライン:「レジスタンスライン」
- 相場の底付近に引く水平線ライン:「サポートライン」
と呼びます。
2つ合わせて「レジサポライン」と呼んだりもします。
「レジサポライン」を超えると、多くの場合トレンドの転換が起こります。
そのため、レジスタンスラインを突破した直後に買い注文(売り注文)を行えば、トレンドの底で暗号資産(仮想通貨)を買うことになります。
また、多くの場合、レジサポラインを突破後にトレンドの転換が発生すると、今までサポートラインとして機能していたラインがレジスタンスラインに、(レジスタンスラインとして機能していたラインがサポートラインに)転換する「レジサポ転換」が起こります。
なので、上手くいけば、最もリスクが低くかつトレンドの底で暗号資産(仮想通貨)を買うことができるので、その後に大きな利益を得ることが期待できます。
- 相場の高値のラインは「レジスタンスライン」
- 相場の安値のラインは「サポートライン」
- レジサポラインを越えると大きな価格が動きやすい
レジスタンスライン・サポートラインの引き方
まず、レジスタンス・サポートラインの引き方を解説します。
しかし、その前に大前提として「水平線の引き方に正解はない」ということを伝えておきます。
レジスタンス・サポートラインはあくまでも「天井・底の目安」。ある程度予想をつけることはできても、100%機能するレジスタンス・サポートラインを引くことはだれにもできません。
そのため、ここでは、機能しやすいレジスタンス・サポートラインを引くテクニックを紹介したいと思います。
いつも見ているより長めの期間を設定してラインを引く
まず基本的に、レジスタンス・サポートラインは、ご自身がトレードする際に参考にされる足よりも大きな期間の足で引きます。
普段1時間で引いているのであれば4時間足や日足を参考に、15分足で取引しているのであれば30分足や1時間足を参考にレジスタンス・サポートラインを定めます。
これにより、「ダマシの少ない、より機能しやすいレジスタンス・サポートライン」を引くことができます。
次に、以下の条件に当てはまる地点を見つけます。
- ローソク足の高値・安値・始値・終値のいずれかに反応している価格
- ①が3つ以上のローソク足で反応している価格
- できれば、過去に大きな値動きでブレイクが起こっている価格
では、実際にビットコインの過去のチャートを見て水平線ラインを引いてみましょう。
画像は2018年4月10日~11日のビットコイン/円相場の1時間足チャートです。
このチャート上にレジスタンス・サポートラインを引くとどのようになるでしょうか?
一例を示してみると以下のようになります。
上であげた①~③の条件を満たしているということが確認できますでしょうか?
ちなみに、この後レジスタンスラインのブレイクが起こるのですが、その様子がこちらです。
かなり派手に水平線ラインをブレイクしているのが分かると思います。
この水平線ラインを把握しているのかしていないのかでは、利益を得るチャンスもリスクを回避する管理力もかなり異なってくることが分かっていただけると思います。
水平線ラインを引く際の注意点
水平線ラインを引く際に特に注意しなければいけない点を2つ紹介します。
注意点1「むやみやたらに線を引かない」
「水平線ラインを見つけなきゃ!」という考えに没頭してしまうとありがちなのが、チャート上が水平線ラインだらけになってしまうことです。
重要な水平線は基本的に1~2本、多くても3本にとどめるようにしましょう。
どの水平線が大事なのか見極めるのは難しいと思いますが、そこは経験を積んでいくしかありません。
注意点2「過去の水平線をそのまま放置する」
過去に引いた水平線をチャート上に放置してしまい、結果的にチャートがゴチャゴチャになってしまうこともよくあることです。
これも①と同様、新しい水平線を引き際は古い水平線は削除するようにしましょう。
ブレイクアウト手法 水平線のブレイクアウトをトレードにどう活かすか
ここからは実際にブレイクアウトをトレードにどのように活かすのかを解説していきます。
基本的には、水平線ブレイク後、レジスタンスライン(サポートライン)に売り注文(買い注文)を仕掛けるだけですが、ここで指値注文を水平線上に仕掛けることはあまりおススメできません。
というのは、1回目のブレイクアウトは騙しであるケースが多いからです。
先ほどのビットコイン円1時間足チャートを15分足で表示したものです。
1度はサポートラインをブレイクアウトしたものの、もう一度価格が戻ってきているパターンが何度かあるのが分かると思います。
これは、レジスタンスライン付近で買い増し(ナンピン)をするトレーダーによるものですが、このようなブレイクアウトのダマシが1回目のブレイク後に出てくるケースが多いです。
そのため、1度目のブレイクアウトでは売り・買いエントリーはしないようにしてください。
同様の理由で、水平線上にエントリー指値を仕掛けるのもおススメできません。
水平線ラインを使った暗号資産(仮想通貨)の買いタイミングの見つけ方
まず、普段トレードしている期間の足より長めのローソク足で水平線ラインを引きます。
今回は、普段5分足を見てトレードをしていると仮定して、まず1時間足チャートで水平線ラインを引きます。
次に、5分足チャートに戻り、水平線ラインのブレイクを待ちます。
しばらくしてローソク足が水平線ラインをブレイクしたとします。この場合、すぐに暗号資産(仮想通貨)を買わずにいったん様子を見てください。
先ほども紹介した通り、1回目の水平線ラインブレイクはダマシである可能性もあるからです。
ビットコインの買いタイミングは、水平線ラインをブレイクした後に、さらに陽線が発生した時点になります。
MT4を使った水平線の引き方
ここからは実際に水平線をどのように引くのかを紹介したいと思います。前回紹介したMT4を使ってみましょう。
PC版の場合
まず、ツールバーの「―」というアイコンをクリックします。
そうすると、マウスポインタが「―」というマークになるので、その状態で、チャート上でクリックしてください。
すると、水平線が引かれます。
水平線を移動したい場合は、水平線上で左クリックを長押ししながらドラッグすることにより、上下の調整をすることができます。
スマホ版の場合
まず、チャート上で1度タップします。すると、ツールバーが出てくるので、その中の「図形」のアイコンをタップしてください。
「図形」のアイコンをタップすると、「オブジェクト追加」メニューが出てくるので、水平線(横線)を選択してください。
「水平線」を選択するとチャート画面へ戻ります。チャート上でもう一度タップをすると水平線が引かれます。
水平線を長押しすれば、チャート上を移動させて位置を調整することもできます。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は初心者の方向けに「水平線ラインの引き方」と「水平線ラインを利用したトレードの方法」を紹介しました。
レジスタンス・サポートラインを引く際のコツや注意点は覚えていただけましたでしょうか?
また、ブレイクアウトを利用してトレードする際は、1回目のブレイクアウトは見送るという事も非常に重要です。ダマしには注意です。
ブレイクアウト手法はトレードの基本中の基本ですが、うまくトレードが出来れば非常に大きな利益を得ることもできます。
しっかりと構造を理解して、勝てるトレードができるようになりましょう!
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