仮想通貨の今後

暗号資産(仮想通貨)の規制とは? 日本など世界6カ国の状況や今後の規制について解説

この記事を読んでほしい人
✔ 各国の暗号資産(仮想通貨)の規制について知りたい方
✔ 今後、暗号資産(仮想通貨)の規制がどうなるのか知りたい方
✔ 日本以外の国で暗号資産(仮想通貨)取引をしようと思っている方

「世界でも規制されているし、詐欺でしょ」「暗号資産(仮想通貨)は投資対象ではない」と思っていませんか?

この記事では、暗号資産(仮想通貨)に関する各国の規制に関して説明していきます。

「暗号資産(仮想通貨)投資をしたいけど規制が始まって迷っている」と思っていたら大きな損です。

暗号資産(仮想通貨)の規制は各国で様々です。規制するということは自由な範囲を明確にすることでもあります。

規制が必ずしも悪いことではないことを理解し、安心して暗号資産(仮想通貨)投資を始めましょう。

この記事の要約
  • 暗号資産(仮想通貨)の規制には「犯罪防止」だけでなく「流通拡大」も目的としている
  • 世界では暗号資産(仮想通貨)取引が認められている国が106か国、禁止されている国が11か国
  • 世界各国では暗号資産(仮想通貨)取引を禁止している国、犯罪防止や健全化のための規制をしている国などさまざま
  • 日本ではより安全な暗号資産(仮想通貨)取引のため、規制が強化されると思われる

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暗号資産(仮想通貨)の規制とは何か?

そもそもまず暗号資産(仮想通貨)の規制とは何か、なぜ規制されるのかと思うかもしれません。

暗号資産(仮想通貨)の規制は私たちに不利益をもたらすものではありませんし、実際に規制する側もそんな意地悪をしたいわけではありません。むしろ逆です。

規制は私たちが快適に暗号資産(仮想通貨)を取引できるようにするものであり、暗号資産(仮想通貨)取引で私たちが不利益を被らないようにするために整備されています。

暗号資産(仮想通貨)の犯罪による規制

まず暗号資産(仮想通貨)が規制される背景には、暗号資産(仮想通貨)にまつわる犯罪が起きるようになったことがあります。

暗号資産(仮想通貨)自体はセキュリティ面に強く、不正なアクセスがしにくい仕組みです。しかしそれを管理する暗号資産(仮想通貨)取引所はそうではなく、セキュリティの不備や人為的なミスによってたびたび不正流出事件を引き落としています。

そこで利用者の資産を守るために、暗号資産(仮想通貨)取引所に規制が課されるようになりました。

ほかにも暗号資産(仮想通貨)を経由して送金をすることで送金経路を曖昧にするマネーロンダリングや、暗号資産(仮想通貨)を利用した詐欺なども横行しているため、規制が進んでいます。

流通の拡大による規制

暗号資産(仮想通貨)が生まれてから、暗号資産(仮想通貨)の流通はとても拡大しています。それまではITなどに強い一部のユーザーのみが取引していたものが、知名度が上がることでそうでない一般の人にまで利用が広がりました。

それに伴い新しい暗号資産(仮想通貨)や暗号資産(仮想通貨)取引所も登場しています。そこでより多くの人が快適に暗号資産(仮想通貨)を利用できるよう規制が進められています。

国内・海外で暗号資産(仮想通貨)規制がある

暗号資産(仮想通貨)が規制、禁止されているところはどのくらいあると思いますか?

下記はCoin Danceが調査した国の地図です。

暗号資産(仮想通貨)の規制Coin Dance(2018.5.15): https://coin.dance/poli より引用

禁止されている国は11か国、認められている国は106か国となっています。

明確に禁止をされているのが11カ国だけというのも驚きです。

日本の暗号資産(仮想通貨)規制

  • 2017年4月に制定された改正資金決済法
  • 暗号資産(仮想通貨)の定義
  • 暗号資産(仮想通貨)交換業の定義・規制

この中では暗号資産(仮想通貨)は「通貨」と認められています。また、みなし業者も含んだ交換業は、内閣総理大臣から認可を受けた所のみが行えるとしています。

日本は規制は始まっていますが、寛容です。私たちのように、個人で暗号資産(仮想通貨)を売買する人に対しての規制は今のところなく、暗号資産(仮想通貨)取引所など暗号資産(仮想通貨)を販売する側に対してのものがメインとなっています。

ICO(Initial Coin Offering)に対する規制

改正資金決済法においては、ICO(Initial Coin Offering)については明確に規制を設けているわけではありません。2017年10月にICOのリスクに対する注意喚起はなされましたが、それのみに留まっています。

ただICOで販売するトークンが改正資金決済法の定める暗号資産(仮想通貨)の要件を満たした場合、販売する業者は認可を受けなくてはならないため実質的なICO規制として機能しているという側面があります。

ICOについては今後自主規制団体である日本暗号資産(仮想通貨)交換業協会が自主的に規制案を出すなど、公的なものではなく自主的な規制に任せる方針のようです。

匿名通貨に対する規制

日本では暗号資産(仮想通貨)交換業の自主規制団体である日本暗号資産(仮想通貨)交換業協会が、各暗号資産(仮想通貨)交換業者に対して取り扱ってもいい暗号資産(仮想通貨)のリストである「ホワイトリスト」を提示しています。

その中にはMoneroやZCash、Dashなどの匿名通貨(プライバシーコイン)は一切ありません。匿名通貨は独自の技術などで移転履歴などを非公開にすることができる点が人気を博していますが、一方で犯罪への利用のリスクが危惧されていました。

日本ではかつてコインチェックが匿名通貨を取り扱っていましたが、このホワイトリスト公開に際して上場廃止を決定しています。

暗号資産(仮想通貨)取引所・販売所に対する規制

日本では暗号資産(仮想通貨)取引所・販売所として新たに事業を始めるには、金融庁の認可を受ける必要があります。

認可の条件は非常に厳しいものです。暗号資産(仮想通貨)取引所としての運営能力はもちろん、1000万円以上の資本金や資産の管理体制、KYCや外部監査の徹底なども求められます。

暗号資産(仮想通貨)取引所は不正流出などが起きないよう対策することはもちろん、起きた後に経営破綻を起こして補償が曖昧にならないよう、充分な資金力が求められているのです。

中国の暗号資産(仮想通貨)規制

暗号資産(仮想通貨)に対する規制は強く、全面的に禁止の方向へ動いています。

  • 2017年9月4日にICO禁止、排除の通知、30日には国内すべての取引所のサービス停止
  • 2018年1月、ビットコインマイニング制限
  • 2018年2月、暗号資産(仮想通貨)関連のインターネット上のホームページ、広告の排除

暗号資産(仮想通貨)は外貨を得るのに良い手段のため、中国の投資家は「元」を売り暗号資産(仮想通貨)を購入していました。

その為「元」の価値が下がり、規制に至りました。

今後とも動きに注目

2018年1月、中国は国内向けに事業を展開する暗号資産(仮想通貨)取引所や暗号資産(仮想通貨)を提供するモバイルサイトなどをすべて禁止する方針を明らかにしています。このとき、暗号資産(仮想通貨)市場は一気に下落しました。

中国は今や世界でも屈指の経済大国であり、アジアでも随一の暗号資産(仮想通貨)大国です。

そんな中国の暗号資産(仮想通貨)規制を巡る動きは、世界の暗号資産(仮想通貨)市場にとても大きな影響を与えます。今後の動きには注目が必要です。

アメリカの暗号資産(仮想通貨)規制

  • 2018年2月6日 アメリカ全体で取引所に対する統一した規制を整えると発言

アメリカは暗号資産(仮想通貨)取引高が世界1位です。

州ごとに自治権があり規制状況が違うため、暗号資産(仮想通貨)の規制よりも現状把握を優先して行っています。

州によって厳しいところとそうでないところがある

2019年2月、ワイオミング州議会では株式をブロックチェーン上で扱うための法案とブロックチェーン関連企業のコンプライアンスに関する法案が可決されました。

ほかにも2019年3月にはカリフォルニア州で暗号資産(仮想通貨)に関連した事業を行うために、州の許可が必要になる「暗号資産(仮想通貨)ビジネス法案」が提出されました。

アメリカは州によって規制の厳しいところとそうでないところがあり、暗号資産(仮想通貨)取引所も州によって運営状況が異なる場合があります。

韓国の暗号資産(仮想通貨)規制

  • 2018年2月20日に「暗号資産(仮想通貨)の禁止は行わない」と発表

若者の失業率が高い韓国では暗号資産(仮想通貨)が大変人気がある為です。暗号資産(仮想通貨)を「禁止」ではなく「正常化」していくことを目標としています。

2019年に入り一部緩和

2019年4月には韓国政府の高官がカンファレンスで「政府の暗号資産(仮想通貨)政策は、業界の成長のために見直されなくてはならない」と発言し、今後韓国政府が暗号資産(仮想通貨)に対して前向きな姿勢を示すことを示唆させました。

11月には暗号資産(仮想通貨)にデジタル通貨としての法的なステータスを与え、取引所を運営するには韓国政府の認可が必要になる法案が可決されました。

また暗号資産(仮想通貨)取引所に取引監視システムの確立を義務付ける方針を明らかにしています。これらが施行されれば韓国国内での投資が正当化され、規制緩和が進むと考えられます。

インドの暗号資産(仮想通貨)規制

  • 2018年7月までに国内の銀行が暗号資産(仮想通貨)関連企業との関係を断つ

規制ではなく要求としています。

駆け込み需要が増え、要求であるため国内の銀行がどこまでこの要求を順守するのか、インドルピーと暗号資産(仮想通貨)の取引を禁止しただけで、暗号資産(仮想通貨)対暗号資産(仮想通貨)の取引の制限ではない為、取引自体は増加しています。

暗号資産(仮想通貨)全面禁止案を専門家委員会が政府に提案

インドでは暗号資産(仮想通貨)に対しては厳しい姿勢を保っています。2019年6月には専門家委員会が、暗号資産(仮想通貨)を取引すると最大で禁固10年を課す暗号資産(仮想通貨)全面禁止案を国会に提出しています。

一方でブロックチェーン技術を用いてルピーをデジタル化するデジタルルピーの導入を予定するなど、ブロックチェーン技術に対しては一定の距離を保っているようです。

台湾の暗号資産(仮想通貨)規制

  • 2018年4月20日 11月までに暗号資産(仮想通貨)規制に関する法案を作成すると発表

暗号資産(仮想通貨)は規制方向に動いています。

マフィアによるマネーロンダリングや金銭トラブルを懸念していて、実際に銃撃事件も起こったからです。

2018年11月までに暗号資産(仮想通貨)規制に関する法案を作成すると発表が出ています。

日本と同様の姿勢

台湾の暗号資産(仮想通貨)規制への姿勢は、日本と同様暗号資産(仮想通貨)を過度な規制で縛るのではなく、利用者を守り健全に取引ができるようにするというものです。

2018年11月には暗号資産(仮想通貨)を用いた違法取引ができないように、暗号資産(仮想通貨)取引の監視を取引所に義務づけるマネーロンダリング防止法およびテロ資金防止法が成立しています。

アジアには日本をはじめ中国、韓国など暗号資産(仮想通貨)技術に対して積極的な姿勢を示す国が多いですが、台湾も同様の姿勢を見せるようです。

G20で話し合われた暗号資産(仮想通貨)規制

  • 暗号資産(仮想通貨)は金融業界の発展を支える技術の1
  • 暗号資産(仮想通貨)は金融市場を脅かすような存在ではない
  • 7月までに各国で暗号資産(仮想通貨)の規制勧告案を取りまとめたものを準備する

2018年3月20日に行われたG20では、規制はなく、7月までに規制勧告案をまとめるということになりました。

より厳しい規制で合意された

G20では暗号資産(仮想通貨)のセキュリティ面やマネーロンダリングやテロ組織への資金供与が懸念されました。

そこで取引時のKYC確認を厳格にするなど、取引の流れを明確にすることで資金経路の透明化を含む、より厳しい規制で合意がなされました。

この背景には2018年1月に発生したコインチェックの流出事件や、2017年から2018年にかけて発生した北朝鮮による暗号資産(仮想通貨)取引所へのサイバー攻撃があるようです。

通貨としては不完全なもの

またG20では暗号資産(仮想通貨)の名称を「仮想通貨(Cryptocurrency)」から、「暗号資産(Crypto-Asset)」に変更することで同意しています。

これは暗号資産(仮想通貨)が通貨としての特性を欠いている不完全なものであり、通貨という名称が利用者に誤認を招く可能性があるためです。

G20以前にも既に世界的には暗号資産という名称が一般的であり、日本はやや乗り遅れた形です。

日本の暗号資産(仮想通貨)規制は今後強化の方向か?

みなし登録業者や登録業者に対し立ち入り検査が行われ、内部管理体制の不備が明らかとなり、「業務改善命令・停止処分」が出されています。

業界の透明化を図るため、「日本暗号資産(仮想通貨)交換業協会」が発足されました。自主規制団体で独自規制を定めていく方針です。

また2019年5月31日には、暗号資産(仮想通貨)の名称を「暗号資産」に改める、取引ルールの厳格化などを定めた改正資金決済法と改正金融商品取引法が成立しています。

日本国内で暗号資産(仮想通貨)を取引する業者は金融庁へ登録の必要

2017年に成立した改正資金決済法により、暗号資産(仮想通貨)を売買する暗号資産(仮想通貨)交換業者として金融庁の認可が必要になりました

一方2019年の法律ではこの範囲が拡大し、暗号資産(仮想通貨)を利用者に代わって保管・管理する「暗号資産カストディ業務」も暗号資産(仮想通貨)交換業者に含まれるようになりました。

どういった形であれ日本国内で暗号資産(仮想通貨)を取引する業務をする以上は、金融庁への登録が必要となっています。

口座開設にも本人確認が求められる

海外の暗号資産(仮想通貨)取引所の中には、口座開設に電話番号とメールアドレスさえあればいいところもあります。しかし日本の暗号資産(仮想通貨)取引所はすべて本人確認書類による本人確認が必要です。

これは2017年に成立した改正資金決済法によって、暗号資産(仮想通貨)交換業者も「犯罪による収益の移転防止に関する法律」が定めるところの「特定事業者」に認定されたためです。

顧客の本人確認を厳格化することで資金の流れを透明化し、暗号資産(仮想通貨)の犯罪への利用を防いでいます。

暗号資産(仮想通貨)の規制はより前向きな理由によるもの

この記事のまとめ
  • 暗号資産(仮想通貨)の規制には「犯罪防止」だけでなく「流通拡大」も目的としている
  • 世界では暗号資産(仮想通貨)取引が認められている国が106か国、禁止されている国が11か国
  • 世界各国では暗号資産(仮想通貨)取引を禁止している国、犯罪防止や健全化のための規制をしている国などさまざま
  • 日本ではより安全な暗号資産(仮想通貨)取引のため、規制が強化されると思われる

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暗号資産(仮想通貨)の規制は、適切に運用される暗号資産(仮想通貨)市場を排除するためのネガティブなものではありません。

規制することで様々な問題がある暗号資産(仮想通貨)業界を透明化し、健全な利用を進めるというポジティブな理由によって進められているケースが多いです。

より安全に、明確化されたルールで暗号資産(仮想通貨)取引を行えば、規制はあなたの味方です。企業も続々と参入してきています。今後も暗号資産(仮想通貨)の広がりは止められないでしょう。

仮想通貨の今後
この記事のライター
HAKUU(ハク)のライター名で、ホームページの運営サポートを経て、暗号資産のライターとして活動。暗号資産の積み立てを2020年より開始し、順調に堅実な資産運用を行っている。
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