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人気配当株ETF、分割でさらに買いやすく魅力的に

ストーリーハイライト

シュワブ米国配当株式ETF(SCHD)は、市場で最も人気の高い配当株ETF(上場投資信託)の1つです。運用資産総額は637億ドルに上ります。魅力的な配当利回り、高い評価を得ている配当株式のポートフォリオ、そして極めて低いコストを実現しています。

このETFは、10月10日に実施された株式分割で話題を呼びました。本記事では、株式分割の根拠と詳細について説明します。しかし、それ以上に重要なのは、投資ポートフォリオにSCHDを組み入れることのメリットを評価することです。

SCHD ETFの戦略とは?

ファンドスポンサーのチャールズ・シュワブによると、SCHDの戦略は、「ダウ・ジョーンズUSディビデンド100インデックス」に連動する投資成果を目指します。このインデックスは「配当の質と持続可能性」に焦点を当てています。また、このETFは「財務比率に基づき、同業他社と比較してファンダメンタルズが堅固」な銘柄に投資します。

分割について

SCHDは、10月10日に1株を3株に分割したことで話題となりました。株式の分割の方が一般的で、ETFの分割は珍しいケースです。分割はSCHDの投資見通しに根本的な影響を与えるものではありません。なお、ETFの市場価格は、分割が行われなかった場合の3分の1の価値となります。

株式分割には、1株当たりの価格が下がることで一般投資家が投資をしやすくなるなど、いくつかの恩恵があります。株式分割は流動性を高める効果もあります。また、株式分割により、オプション取引が活発になる可能性もあります(オプション契約は100株で構成されています)。しかし、これらを踏まえても、SCHD株の見通しは、株式分割が行われなかった場合と変わらないとみられます。

優れた配当株のポートフォリオ

SCHD ETFは、投資家に健全な分散投資を提供します。100銘柄を保有しており、上位10銘柄で資産の41.0%を占めています。以下は、TipRanksの保有ツールによるSCHDの上位10銘柄の概要です。

このETFは、トップ銘柄のホーム・デポ(HD)からブラックロック(BLK)、ロッキード・マーチン(LMT)まで、多くの主要な配当株を保有しています。

優良配当株であることに加え、これらのトップ銘柄に共通するもう一つの特徴は、高いスマートスコアを提示していることです。スマートスコアは、TipRanksが開発した定量的な株式評価システムです。8つの主要な市場要因に基づいて、1から10までのスコアを株式に付与します。注目すべきは、SCHDのトップ10銘柄のうち8銘柄が、スマートスコアが8以上(「アウトパフォーム」相当)の銘柄であることです。

スマートスコアシステムはSCHD自体も高く、「アウトパフォーム」相当の8です。

良好なバリュエーション

配当トップ銘柄であることに加え、SCHDの保有銘柄のもう一つの優れた点は、全体的にかなり割安であることです。ETFの保有銘柄のPER(株価収益率)は17.6倍です。

これは、決して破格の低さではありませんが、S&P500指数のPERが24.7倍であることを考えると、市場全体よりもかなり割安です。

堅実なパフォーマンス

SCHDは長年にわたり、株主に堅実なリターンを生み出してきました。9月30日時点で、ETFの過去3年間の年率換算リターンは8.2%、過去5年間が13.0%、10年間が11.7%となっています。

注目すべきは、SCHDは、これらの期間において、バンガードS&P500 ETF(VOO)のような幅広い市場を対象とするETFに遅れをとっていることです(参考までに、VOOの5年間の年率換算リターンは15.9%です)。これは、多くの配当を支払わない企業が成長機会を有していることによるものと考えられます。

比較はともかく、SCHDが達成したような10年間の時間軸で2桁のリターンは、決して無視できるものではありません。さらに、高騰するテック株を多数保有する投資家にとっては、SCHDは価値ある分散投資の恩恵をもたらす可能性があります。

魅力的な配当利回りを提供

SCHD ETFの現在の配当利回りは3.4%で、S&P500指数の利回りの2倍以上で魅力的です。

さらに、このETFには配当の一貫性という実績があります。SCHDは12年連続で配当を支払い、毎年増配してきました。配当は過去5年間、12%という堅実なペースで増加しており、投資家は今後も増配が継続すると期待できるでしょう。もちろん、米国企業が不況に見舞われ、一部の企業が配当の削減を余儀なくされるようなことがない限り、ですが。

低い経費率

SCHDの経費率はわずか0.06%です。つまり、1万ドルを投資した場合、1年間に支払う手数料は6ドルだけです。最近のファストフードのランチ代よりも安いです。

SCHDのような低手数料のETF投資による節約は、長い目で見ると本当に大きな額になります。現在の経費率が同じままで、今後年率ベースで年間5%のリターンをETFが達成すると仮定すると、1万ドルをSCHDに投資した投資家は、10年間に支払う手数料はわずか77ドルです。

アナリストの評価は?

TipRanksによれば、SCHDのコンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価に基づいており、「買い」54銘柄、「中立」37銘柄、「売り」10銘柄に基づきます。SCHDの平均目標株価は30.16ドルで、今後12カ月で約5%の上値余地を示唆しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、SCHD: Split or Not, This Is a Strong Dividend ETF原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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