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ディスカウント衣料品のTJX、好決算と見通し引き上げで株価上昇

ストーリーハイライト

ディスカウント衣料品のTJXカンパニーズ(TJX)は21日、予想を上回る2025年度第2四半期(2024年5-7月期)決算を発表し、2025年度通期(2025年1月期)見通しも引き上げました。好調な業績を受け、株価は約6%上昇しました。

オフプライス(最終・過剰在庫のブランド品を買い取り、割引販売すること)のアパレルおよびホームファッション店舗チェーンのTJXは、希薄化後EPS(1株当たり利益)0.96ドルを計上し、前年同期比で13%増加しました。これは、アナリスト予想の0.92ドルを上回りました。

第2四半期の純売上高は前年同期比6%増の135億ドルとなり、これもコンセンサス予想の133億ドルを上回りました。TJXの既存店売上高は、顧客取引の増加により、第2四半期に4%増加しました。

CEO、成長要因を分析

第2四半期の好業績を受け、CEO兼社長であるアーニー・ハーマン氏は、全体的な売上増加は、全部門における顧客取引の増加によるものであり、Marmmaxが牽引役となり、同チェーンにおける既存店売上高が5%増加したと強調しました。Marmmaxは、米国における同社のオフプライス小売店舗のチェーンです。

さらに、TJXの経営陣は、第3四半期(8-10月期)の好調な滑り出しと、秋からホリデーシーズンにかけて新規商品を継続的に提供する計画について言及しました。なお、第2四半期には、TJXの5,000店舗目がオープンしました。

TJX、ブランド・フォー・レス社に戦略的投資

戦略的投資に焦点を移すと、TJXは、ブランド・フォー・レス(BFL)社の株式35%を約3億6,000万ドルで取得したと発表しました。BFLはドバイに拠点を置く非公開企業で、ブランド衣料、玩具、ホームファッションを扱う地域唯一のオフプライス小売企業です。TJXがBFLの少数株主となる今回の取引は、今年後半に完了する見込みです。

配当および自社株買い

株主還元に関しては、TJXは第2四半期に配当および自社株買いにより9億8,200万ドルを株主に還元しました。この中では、TJX株式510万株の買い戻しと消却に5億5,900万ドルが充てられ、4億2300万ドルが配当として支払われました。

下のグラフは四半期ごとの自社株買い推移です。

第3四半期および2025年度通期の見通しを引き上げ

TJXは、第3四半期の既存店売上高は2~3%増加し、希薄化後EPSは1.06~1.08ドルと予測しています。これは、アナリスト予想の1.10ドルを若干下回る水準です。

2025年度通期については、既存店売上高の3%増を予想しており、希薄化EPSは4.09ドル~4.13ドルになると予想しています。これは、以前の予想である1株あたり4.03ドル~4.09ドルを上回るものです。

さらに、2025年度通期では20億ドル~25億ドル相当の自社株買いを行う予定です。

TJX株は「買い」か?

TipRanksによれば、TJX株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。過去1年間でTJX株は30%以上上昇しており、平均目標株価の116.25ドルは、今後12カ月で2.6%の下値余地を示唆しています。しかし、21日の決算発表を受けて、これは変更される可能性が高いでしょう。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、TJX Earnings: TJX Gains on Strong Q2 Earnings and Raised Outlook原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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