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減量薬で先行する2銘柄で有望な方は?

ストーリーハイライト

イーライリリーとノボ・ノルディスクは、活況を呈するGLP-1(減量薬)分野において先行者利益を得ています。しかし、最近の市場の混乱を経て、投資家はどちらか一方を選ぶことを望むかもしれません。

GLP-1ブームは勢いを増し続けています。この分野の2大企業である米国のイーライリリーとデンマークのノボ・ノルディスクは、トップピックとして際立っています。この2つのバイオテクノロジー企業は7月から8月にかけての売り崩しによる圧力を受けていますが、減量薬への高い需要と生産拡大への取り組みにより、近い将来、輝かしい成長の波が訪れる可能性があります。巨大な市場機会を最大限に活用できる企業は、他社よりも優位な立場にあるでしょう。

両社とも今後数年にわたって多大な利益を上げられる可能性がある一方で、考慮すべき重要なニュアンスの違いがあります。本稿では、TipRanksの比較ツールで2つのトップ肥満治療薬メーカーの評価を確認します。

イーライリリー(LLY)

マンジャロやゼップバウンドなどの減量薬で知られるイーライリリーは、夏場の低迷から急速に回復しています。株価は一時19%急落して747ドル台まで落ち込みましたが、現在は1株900ドルを超えています。

最近の研究では、イーライリリーのマンジャロの方がノボ・ノルディスクのオゼンピックよりも効果が高い(マンジャロの方がより多くの体重が減少した)という結果が出ており、イーライリリーへの追い風となっています。

直近の四半期決算発表以来、株価は20%以上上昇し、7月の下落分のほとんどを相殺しました。イーライリリーに再び注目するのに遅すぎるのではないかという疑問は残ります。しかし、マンジャロがより優れた製品であることが明らかになった今、医師はオゼンピックよりもイーライリリーの製品をより多く処方し始めるかもしれません。

オゼンピックの市場ポジショニングは強力だが、マンジャロがトップになる可能性も

実際、オゼンピックの市場でのポジショニングは強力です。特に健康が懸かっている場合には、薬のパフォーマンスと有効性がマーケティングを凌駕します。

マンジャロが今日トップになるかもしれませんが、GLP-1の分野は今後も変化していく可能性が高いことを忘れてはなりません。チャットGPTが5年後もAIの王者であり続けるとは限らないように、マンジャロも10年後もGLP-1注射のトップであり続けるとは限りません。

とはいえ、イーライリリーには世界屈指の優秀な人材が揃っています。肥満症薬のパイプライン(新薬候補)も充実しているため、長期的にGLP-1分野を独占する可能性はかなり高いでしょう。イーライリリーの潜在的な成長性と優れたバイオテクノロジーの専門性を考慮すると、特にウォール街が同社株を絶賛している間は、反対の立場を取るのは困難でしょう。

イーライリリー株の目標株価は?

TipRanksによれば、イーライリリー株のコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3カ月間のアナリストレーティングの「買い」15人、「中立」3人に基づきます。平均目標株価は1,000.69ドルで、今後12カ月で7.4%の上値余地を示唆しています。

ノボ・ノルディスク(NVO)

オゼンピックとウゴービは、最もホットなGLP-1薬ではなくなったかもしれませんが、ノボ・ノルディスクは依然としてこの分野に大きく関わっており、いずれイーライリリーを追い抜く可能性があります。

イーライリリーと同様に、ノボにも素晴らしい才能と、体重減少と減量維持を助ける次世代減量薬を生み出す可能性のある充実したパイプラインがあります。さらに、筋肉減少を最小限に抑えるというボーナスポイントもあります。バリュエーションが低く、まだ大きな成長が期待できるため、一部のアナリストはノボ株に強気です。

冴えない四半期決算で株価下落、無視すべきでない割安なバリュエーション

最近の株価上昇にもかかわらず、ノボの株価は過去最高値から9%下落しています。直近の冴えない四半期決算が株価低迷の主な理由です。しかし、1四半期の業績で、割安なバリュエーションの高成長株を敬遠すべきではないでしょう。執筆時点では、ノボ株の予想PERは39.5倍で、イーライリリー株の56.2倍を大きく下回っており、異常なほど低い水準です。

最近のニュース(マンジャロ対オゼンピックの研究と、イーライリリーのより良い決算報告)は、イーライリリーに有利に働いています。とはいえ、ノボは依然としてGLP-1の王座に就いています。さらに、セマグルチドの経口薬も開発中であり、CagriSema(肥満症治療薬セマグルチドとカグリリチドの配合剤)のような併用療法により、今後何年にもわたって王座を維持し続ける可能性もあります。

ノボ・ノルディスク株の目標株価は?

TipRanksによれば、ノボ・ノルディスク株のコンセンサス評価は「中程度の買い」で、過去3カ月間のアナリストレーティングの「買い」6人、「中立」1人、「売り」1人に基づいています。目標平均株価は145.25ドルで、今後12カ月で8.1%の上値余地を示唆しています。

結論

今のところ、どちらのGLP-1関連株を選んでも間違いではないと思われます。しかし、どちらか一つを選ぶとすれば、ノボ・ノルディスクと考えられます。なぜなら、ノボ・ノルディスク株の方がはるかに割安であり、最近のネガティブな報道が長期的な投資機会から投資家の目をそらしているからです。

GLP-1薬の競争はまだ始まったばかりであり、今後何年も続き、数千万の潜在顧客をめぐって多くの医薬品が競合する可能性があります。現時点では、ノボ・ノルディスクの方が長期的には有利な立場にあるとみられます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、LLY, NVO: Which GLP-1 Stock Is the Better Bet?原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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