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中国のバイドゥは生成AI株として今年最高のテックバーゲンとなるか?

ストーリーハイライト

生成AI関連株や自動運転関連株をポートフォリオに取り入れるのは良いことですが、あまりにも高いバリュエーションの銘柄を追求する必要はないでしょう。中国のバイドゥの株価は非常にリーズナブルで、そして同社は最近、中国の道路にロボットタクシーを走らせる許可を得たばかりです。

既成概念にとらわれず、真の掘り出し物を求めて米国外に目を向けみるべきでしょう。生成AI(人工知能)テクノロジーの分野では、バイドゥ(百度、NASDAQ:BIDU)は、AIテクノロジー分野で傑出した存在です。多くのアナリストはバイドゥ株に対して強気であり、あらゆるバリューを求める人々にとって格好の銘柄であると考えられます。

バイドゥは中国の「グーグル」以上の存在

バイドゥは基本的に、米国のアルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)に対抗する中国の企業です。アルファベットのグーグルが米国で圧倒的な検索エンジンであるように、バイドゥは中国の検索エンジン市場で確固たる足場を築いています。

しかし、バイドゥのストーリーは検索エンジンにとどまりません。金融市場は、バイドゥにとって実質的な売上高創出源である他のビジネス・ベンチャーに注目していないようです。

勝利とトラブル

7月に入り、自動運転車分野では慌ただしい動きがありました。バイドゥは、勝利と同時に厄介なイベントも含む、注目すべきニュースに巻き込まれています。

7月1日、中国政府の所在地である北京は、事実上、公道での自動運転車の利用にゴーサインを出しました。あくまで規制案に過ぎませんが、北京(中国政府)が望むものは何でも北京が手に入れるのだろうという予感がします。したがって、百度が北京の道路に完全自動運転車を自由に走らせることができるようになるのは、それほど先のことではないのかもしれません。

そして7月8日、ウォール・ストリート・ジャーナル紙は、中国政府が上海浦東地区で「安全監督者のいない無人ロボットタクシーの使用」を正式に許可したと報道しました。これはバイドゥの自動運転車ベンチャーにとっては勝利となります。

ロボットタクシーが歩行者をはねたが、株価には影響なく

一方、問題も発生しました。7月9日のAP通信の報道によると、バイドゥのロボットタクシーが「中国で歩行者をはねた」というのです。これはバイドゥにとってひどいPRのように聞こえるかもしれませんが、それでもバイドゥの株価は同日に8.47%上昇しました。

結局、歩行者に大きな怪我はなかったとのことでした。さらに、歩行者は「信号に反して横断していた」と報告されています。この不幸な事件でバイドゥに落ち度はなかったと知り、投資家たちは安堵したのかもしれません。

バイドゥの株価はとんでもなく割安か

なお、バイドゥ株は割安で、大きく反発する時期が過ぎていると考えられます。同社の2024年第1四半期の売上高と利益は、コンセンサス予想を上回りました。新型コロナウイルス大流行後の中国経済の回復には時にばらつきがありますが、バイドゥは中国のマクロ経済の困難をうまく乗り切っているようです。

従って、2024年のバイドゥの株価下落は非合理的で行き過ぎと思われます。米投資メディア・バロンズが指摘しているように、バイドゥは複数のテクノロジー分野におけるジャガーノート(巨大な存在)です。「バイドゥは、中国の検索ビジネスの大半を支配するほか、AI分野のプレーヤーでもあり、北京と武漢で自動運転タクシーを運営し、「アーニー」と呼ばれるチャットボット(自動応答システム)を持っている」とバロンズは説明しています。

3億人以上が使っている生成AIチャットボット

アーニーという名前は聞いたことがないかもしれませんが、中国では広く知られています。OpenAIのChatGPTに匹敵する生成AIチャットボットであるアーニーボットは、中国では3億人以上のユーザーを獲得しています。

バイドゥは過小評価されており、同社の株価収益率(PER)は8.4倍です。これはセクターのPER中央値18.23倍を大幅に下回っています。

アナリストによると、バイドゥ株は「買い」か?

TipRanksによれば、バイドゥ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が14人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の149.00ドルは、今後12カ月で52.1%の上値余地を示唆しています。

結論

今年はじめから、市場はバイドゥの様々な事業の価値を十分に評価していません。バイドゥの検索エンジンの他にも、同社はアーニーチャットボットやロボタクシーから継続的な売上高を生成する可能性があります。したがって、バイドゥの株価が突然上昇に転じたとしても、それは大きな驚きではないでしょう。多くのアナリストはバイドゥ株に対して強気です。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Baidu Stock (NASDAQ:BIDU): Could This be 2024’s Best Gen-AI Tech Bargain?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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