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人気配当成長ETFを比較、勝者は?

ストーリーハイライト

ETF(上場投資信託)大手のiシェアーズとウィズダムツリーはそれぞれ、魅力的な配当成長株の分散ポートフォリオETFを展開しています。本記事では、今後どちらのETFがより優れた選択肢となるかを明らかにします。

配当成長にフォーカスした投資は長期にわたって魅力的な投資戦略であることが証明されており、投資家がこのテーマに投資できる強力なETFがいくつかあります。最大かつ最も人気のある2つのETFは、iシェアーズ・コア配当グロースETF(iShares Core Dividend Growth ETF, NYSEARCA:DGRO)とウィズダムツリー米国株クオリティ配当成長ファンド(WisdomTree U.S. Quality Dividend Growth Fund, NYSEARCA:DGRW)です。

両ETFは、質の高い配当成長株にフォーカスしている点で共通しており、長年にわたり良好なパフォーマンスを上げています。この2つのETFを比較してみます。

DGRO ETFの戦略とは?

iシェアーズによると、DGROは「一貫して配当を増加させてきた米国株式で構成されるインデックス」に連動する投資成果を目指します。

iシェアーズはまた、DRGOが「配当成長に焦点を当てた米国株式への低コストのエクスポージャーを提供している」ことを強調し、DGROは投資家が「持続的な配当成長の実績を持ち、業種を問わず幅広く分散された企業へのアクセスを可能にする」と述べています。

ETFは2014年にローンチされ、運用資産は270億ドルに上っています。

配当成長投資の魅力

配当成長株は必ずしも最高の利回りを特徴とするわけではありませんが、配当を増やし、将来も増配が見込まれるため、これは財務の健全性を示す有力な指標となります。

配当成長株は、多くの場合、資本増価と配当支払いの魅力的な組み合わせを提供します。配当成長株の配当利回りは高配当銘柄よりも低いかもしれませんが、多くの場合、成長性や株価上昇の可能性に乏しい高配当銘柄よりも成長性があります。

トータルリターンに注目

この戦略の魅力を理解するために、両ETFが保有している大手半導体企業のブロードコム(NASDAQ:AVGO)を見てみましょう。

ブロードコムの配当利回りはわずか 1.4% ですが、同社は13年連続で増配しています。株価は、資本増価と配当金の再投資を含むトータルリターン・ベースでは、過去 10 年間で 2,441% という驚異的なリターンを記録しています。利回りは高くないかもしれませんが、このようなリターンを断る投資家はほとんどいないでしょう。

DGRW ETFの戦略は?

DGRWも同様の焦点を持っています。ウィズダムツリーによると、「米国株式市場において成長特性を持つ配当支払い大型株」インデックスに連動する投資成果を目指します。

DGRWは2013年にデビューしており、DGROよりも古いです。運用資産は128億ドルでDGROより小さいですが、それでも主要な配当ETFです。

DGRWは、投資家に「クオリティと成長のスクリーニングを適用することで、米国大型株の配当成長企業へのアクセス」を提供します。

両ETFとも堅実なパフォーマンス

この2つのETFは、長期にわたって投資家に堅実なリターンをもたらしている優れたETFです。5月末現在、DGROの3年間の年率リターンは8.9%、5年間の年率リターンは12.3%です。

これに対し、DGRWの過去3年間の年率リターンは10.65%、過去5年間の年率リターンは15.47%です。

ポートフォリオの比較

DGROは、419銘柄を保有し、投資家に優れた分散効果を提供しています。さらに、上位10銘柄の保有比率は資産の26.7%に過ぎず、投資家が集中リスクにさらされることはありません。

以下は、TipRanksの保有銘柄ツールの使用によるDGROの上位10銘柄の概要です。

DGROは、アップル(NASDAQ:AAPL)やマイクロソフト(NASDAQ:MSFT)のような配当金を支払う大型成長株と、エネルギー大手のエクソンモービル(NYSE:XOM)やシェブロン(NYSE:CVX)のような伝統的な配当株を組み合わせて保有しています。

DGRWも分散投資となっていますが、DGROほどではなく、やや集中度が高くなっています。DGRWは299銘柄を保有しており、上位10銘柄でETFの37.3%を占めています。

DGRWの上位10銘柄の保有概要は下記で確認できます。

DGROと同様、DGRWはマイクロソフト、アップル、ブロードコム、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)のような配当を支払う大型成長株を保有しています。これらは、コカ・コーラ(NYSE:KO)、ホーム・デポ(NYSE:HD)、プロクター・アンド・ギャンブル(NYSE:PG)、ペプシコ(NASDAQ:PEP)のような伝統的な長年の配当優良株と組み合わされています。

両ETFともETFスマートスコアは「アウトパフォーム相当」の8以上

TipRanksのスマートスコア・システムも、各ETFの上位保有銘柄を好意的に捉えています。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的株式スコアリング・システムです。銘柄を8つの市場主要要因に基づいて1から10までのスコアで評価します。8点以上が「アウトパフォーム」評価となります。

両ETFとも、上位10銘柄のうち8銘柄がアウトパフォーム相当のスマートスコア8以上です。

両ETFのETFスマートスコアは10点中8点で、全体として、この2つのETFの保有銘柄はほぼ互角です。

配当利回り

両ETFとも近年の堅実なパフォーマンス実績と高評価のポートフォリオを誇っており、両者を隔てるものはあまりありません。しかし、配当利回りに関しては、DGRWが1.6%であるのに対し、DGROは2.3%と高く、このカテゴリーでは明らかにDGROが有利です。

さて、どちらの利回りもそれほど高くはないと思われるかもしれません。そして、特に高いわけではありませんが、これらは必ずしも高配当ETFではないことを覚えておくことが重要です。これらのETFは、配当成長と、配当と資本増加の両方からのリターンの組み合わせに焦点を当てており、トータルリターンのセクションで見たように、この点で効果的です。

手数料の比較

DGROがDGRWを引き離すもう一つの分野は、手数料に関してです。どちらのETFもこの分野では非常にリーズナブルですが、DGROの経費率0.08%は、DGRWの0.28%よりはるかに低いです。これらの経費率は、10,000ドルをDGROに投資する投資家が年間8ドルの手数料を支払うのに対し、DGRWの投資家は28ドルを支払うことを意味します。

両ETFの差は時間の経過とともに顕著になります。各ETFが現在の経費率を維持し、今後年率5%の利益を上げると仮定すると、DGROの投資家が10年間で支払う手数料はわずか103ドルであるのに対し、DGRWの投資家は356ドルを支払うことになります。

結論

DGROとDGRWはどちらも、高格付けの配当成長株から成る強力なポートフォリオを持ち、確かな運用実績を持つ、同じように焦点を絞ったETFです。どちらも投資家にとって良い選択である可能性が高いですが、この2つのハイパワーETFの比較では、より高い配当利回りとより低い経費率から、DGROが優れているとみられます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、DGRO vs. DGRW: Battle of the Dividend Growth ETFs原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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