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スーパー・マイクロ・コンピューター株:AI革命の恩恵を最大限に享受し、高い成長期待

ストーリーハイライト

スーパー・マイクロ・コンピューターのサーバー・インフラに対する市場初のアプローチは、人工知能(AI)革命に不可欠です。世界的に最も成功している銘柄の一つであるにもかかわらず、このAI支援企業にはさらに上値余地があるとみられます。

スーパー・マイクロ・コンピューター(NASDAQ:SMCI)は、数週間前にS&P500指数(SPX)に採用されたばかりですが、その株価は2024年第1四半期に同指数構成銘柄の中で最も好調でした。

AI革命に不可欠なスーパー・マイクロのサーバー

サンノゼに本社を置く同社は、人工知能(AI)の革命に不可欠な企業であり、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)のA100 GPU(画像処理半導体)を採用した、最高性能かつ市場投入スピードが最も速いサーバーを構築しています。スーパー・マイクロはAI革命のユニークな実現者であり、その成長期待からすれば、依然としてバリューがあります。

スーパー・マイクロの株価は過去1年で758%上昇しています。

AIを支えるスーパー・マイクロ

スーパー・マイクロは、サーバー市場で独自のニッチを切り開いてきました。AI専用サーバーはAI関連の発展に不可欠で、AIのアルゴリズム処理や機械学習で必要な集中的かつ複雑なワークロードの処理能力を提供します。同社は、製品を迅速に市場に投入する姿勢を貫いており、カスタマイズと効率性を優先しています。アマゾン(NASDAQ:AMZN)からアドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)まで幅広い顧客に対応できるのは、この柔軟性のおかげです。

さらに、スーパー・マイクロは独自のサーバーコンポーネントを設計することで、消費電力の少ない高効率なシステムを提供しています。

独自の水冷システムへの移行が奏功

同社が成功を収めた理由のひとつは、サーバーを、従来の空冷から独自の液冷システムへと移行したことです。液体はサーバー・インフラ全体に循環し、生成AIに使用されるGPUなどのコンポーネントから直接熱を吸収します。

空気に比べ、液体はより効率的に熱を分散させるため、サーバー内に強力なハードウェアを高密度に配置することができ、スペースの有効活用と処理速度の向上に貢献します。その結果、スーパー・マイクロはより涼しく静かなデータセンターを提供します。また、冷却コストの大幅な省エネも実現します。

スーパー・マイクロ・コンピューター株、驚異的なポテンシャル

2023年に株価は急騰し、その年の終値は238.97%という驚異的な上昇率を記録しました。しかし、これは序幕に過ぎないと思われます。同社は2024年を勢いよくスタートさせました。1月18日に発表された決算プレリリースでは、売上高ガイダンスを上方修正し、事業の躍進ぶりを強調しました。そして1月29日に正式発表された2024年度第2四半期決算(2023年10-12月期)では、事前発表されたガイダンスをさらに上回る驚くべき業績を達成しました。

アナリストが長期見通しの上方修正を行う中で、株価は上昇を続けました。そして、同社がS&P500指数に加わることが発表され、株価はついにピークに達しました。要するに、SMCIにはモメンタムとサプライズ上昇の実績という2つの魅力的な特徴があるのです。

バリュエーションは引き続き魅力的

もちろん、スーパー・マイクロは一見割高に見えます。実績PER(株価収益率)73倍で取引されており、SMCIのバリュエーションは、S&P500指数の中で最も割高な銘柄の一つです。しかし、予想PERは41.4倍で、中期的に見てもこの傾向は続いています。予想利益に基づくと、PERは2026年に29.7倍、2027年に25.5倍に低下する見込みです。もちろん、これは予想利益であり、予想が外れる可能性もあります。

少なくとも短期的には、高い期待値が達成されないと考える理由はほとんどありません。多くの点で、2024年はAIにとってもスーパー・マイクロにとっても、2023年よりも好調な年になるとみられます。

また、スーパー・マイクロのAI革命における不可欠な役割を指摘するアナリストは現在、今後3~5年間の利益成長率を平均50.3%と予想しています。これは非常に大きく、スーパー・マイクロの株価収益成長率(PEGレシオ)は現在わずか0.82倍であることを意味します。現在、混雑ぎみのテック市場において、このPEGレシオは非常に割安と考えられます。

アナリストによると、スーパー・マイクロ株は「買い」か?

TipRanksによれば、スーパー・マイクロ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が7人、「中立」が3人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、同社の力強い成長予測を反映しているとみられます。

平均目標株価は965.64ドルで、今後12カ月で4.2%の上値余地を示唆しています。最も高い目標株価は1,350ドル、最も低い目標株価は250ドルです。なお、平均目標株価の上値余地が限定的なのは、2024年1月29日に発表された最低目標株価の影響を大きく受けていることがあります。

結論

スーパー・マイクロ・コンピューターはユニークな位置にある企業です。ここ数十年で最も大きな市場トレンドの1つであるAI革命に不可欠な企業であり、製品の市場投入スピードを重視するアプローチにより、経済的な堀(競争優位性)を形成しています。株価は過去2年間ですでに20倍に上昇しましたが、成長期待とPEGレシオから、この株にはまだ上昇余地があると思われます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Super Micro Computer (NASDAQ:SMCI): Rare Value Stock in a Crowded Market原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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