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堅実で低コストの成長株ETFで長期的に大きなリターンを狙う

ストーリーハイライト

ブラックロック(NYSE:BLK)のiシェアーズ・モーニングスター・グロースETF (NYSEARCA:ILCG)は、堅実で低コストの成長株ETFであり、長い間投資家に良好な成果をもたらしてきました。強力なリターンを生み出してきた長年の実績、0.04%と超低コストの経費率があり、そして、投資家に米国の大型および中型成長株389銘柄への分散したエクスポージャーを提供しています。

この勝利の方程式は画期的ではないかもしれませんが、株式市場で長期的に富を築くためには、常に流れに逆らったり、革命的である必要はありません。

ILCG ETFの戦略とは?

ILCGのスポンサーであるブラックロックによると、ILCGは投資家に「市場に対して平均以上の収益成長が見込まれる米国企業へのエクスポージャー」を提供します。このETFは、「成長特性を示す」米国の大型株と中型株のインデックスに連動する投資成果を目指します。

このインデックスでは、「通常、過去および予測される利益、売上高、簿価、キャッシュフローの成長率が平均を上回る企業」と定義しています。

ILCGは2004年6月に設立されて以来、20周年を迎えようとしており、運用資産は21億ドルとなっています。

ILCGの上位保有銘柄

ILCGは広範な分散投資を提供し、投資家に389の異なる成長株へのエクスポージャーを提供し、その上位10銘柄は資産の55.1%を占めています。

以下では、TipRanksの保有銘柄ツールを使って、ILCGの上位10銘柄の概要をご覧いただけます。

トップ3は、マイクロソフト、アップル、エヌビディア

このETFは大型および中型の成長株に投資しているため、マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)、アップル (NASDAQ:AAPL)、エヌビディア (NASDAQ:NVDA)、アマゾン (NASDAQ:AMZN) のような銘柄が上位保有銘柄に入っているのは当然のことです。

エヌビディア、メタ・プラットフォームズ(NASDAQ:META)、ヘルスケア大手のイーライリリー・アンド・カンパニー(NYSE:LLY)などの上位保有銘柄が、過去12カ月で3桁の見事なリターンを上げている一方で、上位保有銘柄の中で過去1年間のリターンがネガティブなのはテスラ(NASDAQ:TSLA)だけです。

上位保有銘柄、ETFの長期的に強力なパフォーマンス創出に貢献

これらの上位保有銘柄に特別な特徴はありませんが、将来に向けて優位な立場にあると思われる強力な企業であり、ETFが長期にわたり強力なパフォーマンスを生み出すのに貢献しています。

上の表からわかるように、ILCGの上位保有銘柄の多くはテック銘柄で、近年、その成長性から、これらの銘柄がETFのベースとなるインデックスの大部分を占めるようになっていることは指摘に値します。当ETFの情報技術セクターの組入比率は45.7%です。次にウェイトが大きいセクターは一般消費財で14.3%、次いで通信が9.4%です。

長年にわたる信頼できるパフォーマンス

ILCGは長年にわたり、高いパフォーマンスの信頼できる実績を積み上げてきました。2月29日現在、当ETFは3年間で9.4%の年率リターンを上げています。

さらに拡大すると、5年間の年率リターンは16.5%と非常に高く、10年間の年率リターンも14.6%と良好です。

過去5年と10年のパフォーマンスは広範な市場をアウトパフォーム

ILCGは、バンガードS&P 500 ETF (NYSEARCA:VOO)に代表される、より広範な市場の3年間の年率リターン11.9%をわずかに下回っていることに留意すべきです。しかし、ILCGは過去5年と10年の両方でVOOをアウトパフォームしています。2月29日現在、VOOの過去5年間のリターンは年率換算で14.7%、過去10年間のリターンは12.7%です。

さらに、2004年の運用開始以来、年率換算で2桁のリターンを達成しています。

このように年率2桁リターンをコンスタントに生み出すETFに投資することで、投資家は長期にわたって大きな資産を築くことができます。年率換算ではなく、累積の観点から見ると、この点がさらによくわかります。

例えば、10年前にILCGに1万ドルを投資した投資家は、現在4万ドル強を保有していることになります。2004年6月のETF開始時に1万ドル購入した投資家は、現在7万5,000ドル近くの投資価値があることになります。

投資家にとって費用対効果の高い選択肢

ILCGのもう一つの魅力は、この強力なパフォーマンスを非常に低いコストで提供していることです。経費率はわずか0.04%で、全ETFの平均経費率である0.57%よりも大幅に低くなっています。つまり、1万ドルをこのETFに投資した場合、毎年支払う経費はわずか4ドルです。

ILCGのリターンが今後も年率5%で、現在の経費率が維持されると仮定すると、今日このETFに1万ドルを投資した投資家は、今後10年間でわずか51ドルの手数料を支払うのみとなります。ILCGのような低コストETFに投資することで、投資家は長期にわたってポートフォリオの元本を維持することができるため、手数料はどのETFを検討する際にも常に考慮すべき重要な考慮事項です。

ILCGの配当は?

ETFの主な魅力ではないものの、ILCGは配当を出しており、現在の利回りは0.6%です。ILCGは19年連続で配当を支払っており、過去3年間は配当を増やしています。

アナリストによれば、ILCGは「買い」か?

ウォール街に目を向けると、TipRanksによれば、ILCGのコンセンサス評価は「強気買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のコンセンサス評価に基づいており、「買い」320銘柄、「中立」65銘柄、「売り」5銘柄に基づいています。ILCGの平均目標価格の83.33ドルは、今後12カ月で9.7%の上値余地を示唆しています。

結論

米国の大型および中型の成長株に分散投資するというILCGの戦略には必ずしも目新しさはありませんが、この戦略は投資家にとって長い間奏功してきました。

ILCGの長期にわたる高いリターン創出の実績、多数の米国大型・中型成長株に投資できる分散ポートフォリオ、そして、超低経費率により長期にわたって資金をより多く維持できるのは、引き続き極めて魅力的です。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Seeking a Growth ETF with Strong Returns? Check Out ILCG原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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