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次世代リチウムイオン電池のエノビックス、大容量化で大きな投資機会の可能性

ストーリーハイライト

次世代電池セルの設計、開発、製造を行っているエノビックス(NASDAQ:ENVX)は、シリコン負極リチウムイオン電池技術で目覚ましい進歩を遂げた可能性があります。大容量エネルギーソリューションへの旺盛な需要と有望な技術的進歩が強力なミックスとなり、アナリストはエノビックス株の大幅な成長可能性に強気です。

過去1年間で株価が17%下落したにもかかわらず、バリュエーションはまだ比較的割高です。エノビックスは、大きな上昇可能性を秘めた潜在的成長株です。

新しいバッテリー技術

エノビックスは、独自の3Dセル技術を活用し、エネルギー密度と寿命を向上させることで、シリコン負極リチウムイオン電池の製造能力を拡大しています。2023年第4四半期に、エノビックスは韓国の老舗電池メーカー、Routejadeの買収を完了し、マレーシアでの大量生産が可能になりました。

高エネルギー密度バッテリーの需要は、特にスマートフォン業界において重要な局面を迎えています。電力を大量に消費するAIアプリケーションの急増に伴い、デバイスのバッテリーへの負担は間もなく前例のないレベルに達するでしょう。エノビックスは、独自のバッテリー構造により、既存の市場製品に比べ50%の容量増加を実現できると考えています。

決算と見通し

エノビックスは先ごろ、2023年第4四半期の業績を発表しました。EPS(1株当たり利益)は-0.28ドルで、予想の-0.29ドルを上回りました。また、売上高は738万ドルとなり、第3四半期の20万ドルから増加し、予想の337万ドルを上回りました。

経営陣のガイダンスでは、2024年第1四半期の売上高は350万~450万ドル、調整後EBITDA損失は2,400万~3,100万ドル、非GAAPベースのEPSは-0.29~-0.35ドルを予想しています。

同社は、グローバルな規模拡大に向けた戦略実行に今年は注力しており、次世代装置を使った量産体制と、スマートフォン向けに特別に設計された高エネルギー密度バッテリーの導入(2024年第2四半期までに実証準備)を目指しています。

株価の現状

エノビックスの株価は過去1年間で17%下落しました。株価の下落にもかかわらず、株価は相対的な指標では割高なバリュエーションで取引されています。これまでのところ売上高が不足していることから、株価純資産倍率(PBR)はバリュエーション比較に適切な指標です。エノビックスのPBRは5.9倍で、産業セクター平均の2.8倍、電気機器・部品業界平均の3.2倍をそれぞれ上回っています。

エノビックスは「買い」か?

エノビックス株を担当しているアナリストは強気です。例えば、カナコード・ジェニュイティのアナリスト、George Gianarikas氏は最近、エノビックスのバッテリー技術によって次世代のAI対応スマートフォンのバッテリーが大幅に改善されるとの前向きな見通しを挙げ、「買い」レーティングを継続し、目標株価を17ドルに設定しました。

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が8人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の31.38ドルは、今後12カ月で248.67%の上値余地を示唆しています。

結論

エノビックスは、シリコン負極リチウムイオン電池技術で大きく前進しています。同社が2024年に設定した野心的な目標を達成できれば、株価を大幅に押し上げる可能性があります。これは極めて大きな試みであり、会社の執行能力と技術の実現能力が前提です(どちらも確実ではありません)。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Enovix (NASDAQ:ENVX) Presents a Highly Charged Investment Opportunity原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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