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アナリストが特に選好する「強気買い」ヘルスケア株は?

ストーリーハイライト

最近のヘルスケア分野は、成長ポテンシャルに富むGLP-1薬(例:オゼンピックやウゴービなどの減量薬)のような驚異的なイノベーションにより、魅力的な分野になっています。さらに、ヘルスケア銘柄のディフェンシブな特性は、潜在的な景気後退を前にした絶好の投資対象です。そこでこの記事では、TipRanksの比較ツールを使い、アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」のヘルスケア銘柄のうち、アナリストが特にどの銘柄を好むかをチェックします。

イーライリリー (NYSE:LLY)

世界的な主要医薬品企業のイーライリリーは現在、市場で最も優れたヘルスケア企業の1つで、株価は過去1年だけで87%以上急騰しています。過去2年間では、約162%急上昇しました。この素晴らしいパフォーマンスにより、時価総額は6,120億ドルに達し、巨大ヘルスケア企業となっています。

同社がGLP-1薬で勝負に出るという情報もあり、2024年も最高値を更新しそうな株価に強気を維持しないわけにはいきません。

過去2年間は、イーライリリーの株主にとって驚くべきものだったかもしれません。さらに、過去5年間を振り返ってみると、本当に素晴らしいリターンとなっています。この間のリターンは433%を超えています。この長期的な勢いは、衰える気配を見せません。

イーライリリーの減量薬の今後に注目

最近のイーライリリーの主役は、減量薬のマンジャロとゼップバウンドです。今後、イーライリリーの減量薬がどれほど強力なのか、そして潜在的に巨大な市場を獲得しようと躍起になっている競合他社に対してどう対応していくのか、データを得ることになるでしょう。これに、減量治療薬の保険適用が加われば、イーライリリーの製品はホームランのように見えてくるでしょう。

イーライリリー株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が16人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。662.81ドルの平均目標株価は、今後12カ月で2.7%の上値余地を示唆しています。

アボット・ラボラトリーズ (NYSE:ABT)

広範なヘルスケア製品を世界的に展開しているアボット・ラボラトリーズはここ数年、イーライリリーほどホットではなく、株価は2022年の大幅な下落の後、引き続き反発を試みています。2021年の史上最高値から20%下落したアボットは、2024年に復活を遂げる原動力をすべて備えているようです。

直近の2023年第4四半期決算はかなり堅調だったものの(調整後1株当たり利益(EPS)は1.19ドルで、コンセンサス予想とぴたり一致)、投資家はガイダンス(2024年の調整後EPSを4.50~4.70ドルの範囲とする)に落胆したようです。

CEO、成長の源泉となるパイプラインに自信

ロバート・フォード最高経営責任者(CEO)は、「2024年以降の成長」の源泉となる「生産性の高いパイプライン(新薬候補)」に自信を持っています。ウォール街は、アボットのパイプラインの可能性を軽視しているとみられます。

市場は、GLP-1薬は人々の減量を促進するため、糖尿病関連市場を破壊する可能性があると大騒ぎしています。アボットは、糖尿病治療機器の主要ベンダーとして、失うものがある可能性がある企業の一つとして際立っています。しかし、GLP-1は糖尿病を完治させる魔法の薬ではなく、薬をやめればリバウンドする可能性があるため、アボットなどの企業を投資対象から外す必要はないと思われます。

アボット株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が11人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の126.15ドルは、今後12カ月で11.5%の上値余地を示唆しています。

CVSヘルス (NYSE:CVS)

最後は、ドラッグストアチェーンを所有し、薬剤給付管理や医療保険なども扱っている総合ヘルスケア企業のCVSヘルスです。株価は2022年の高値から約32%下落したままですが、その控えめなバリュエーション(ヘルスケアプラン業界平均のPER(株価収益率)18.5倍に対し、CVSは11.3倍)と昨年の逆風を克服しようとする同社の計画から、アナリストは強気です。

CVSの保険会社であるエトナは、医療給付比率(保険料に対する医療費の比率、数値は低いほど良い)が、2023年の当初予想より若干悪化する見込みです。これは、エトナの業績不振を責めることはできません。結局のところ、マネージド・ケア業界全体が圧力にさらされています。

GLP-1薬の影響に期待

中期的には、GLP-1薬で肥満率が低下することがプラスに働く可能性があります。この薬が2024年の医療給付比率にどのような影響を与えるか、興味深いところです。いずれにせよ、ウォール街はCVSを、今ヘルスケア分野で最も魅力的なバリューオプションの一つとして選好しています。

CVS株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が14人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の90.53ドルは、今後12カ月で21.7%の上値余地を示唆しています。

結論

GLP-1薬は、製薬企業から保険会社、糖尿病治療機器メーカーまで、ヘルスケア業界のほぼ隅々にまで影響を与えそうであるため、ヘルスケア銘柄への取り組みは非常に興味深いものとなりそうです。アナリストは2024年については、CVS株(21.7%)のさらなる上昇を予想しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、LLY, ABT, CVS: Which Healthcare Stock Do Analysts Prefer?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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