ストーリーハイライト
世界的な高金利環境の継続は消費者の自動車購入能力に影響を与え、結果として2023年のEV(電気自動車)販売に影響しました。このため、業界の巨人であるテスラ(NASDAQ:TSLA)は販売台数を増やすために価格を引き下げました。このセクターは2024年もマクロ的な困難に直面する可能性があるため、ウォール街のアナリストはEV関連銘柄を見送るか、慎重ながらも楽観視しています。
それにもかかわらず、TipRanksの銘柄比較ツールによると、アナリストは、中国のEV企業であるリ・オート (NASDAQ:LI)とニーオ(NYSE:NIO)を選好しています。アナリストは両社について楽観視しており、平均目標株価は大きな上昇余地を示唆しています。
リ・オートの見通しは?
中国でスマートEVのSUV(スポーツ用多目的車)などを展開しているリ・オートの株価は、年初来で約63%上昇しています。株価の顕著な伸びは、好調な納車台数、売上高の伸び、効率改善とコスト削減に注力していることを反映しています。さらに、12分間の充電で航続距離500キロという驚異的な性能を誇る完全EVの「Mega」投入発表も株価上昇に貢献しています。同社は、Megaの量産および納車を来年2月に開始する予定です。
リ・オートは、11月に41,030台を納車し、前年同月比約173%という著しい伸びを記録しました。さらに、年初からの累計納車台数は予想を上回る32万5,677台に達し、2023年のターゲットである30万台を前倒しで上回っています。同社は一貫して堅調な納車台数を達成しており、アナリストは今後12カ月間で大幅に株価が上昇する可能性があると見ています。
過去3カ月間では、同銘柄を担当する4人のアナリスト全員が「買い」レーティングを付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の53.75ドルは、今後12カ月で61.9%の上値余地を示唆しています。
ニーオ株が上昇する見込みは?
やはり中国のEVメーカーであるニーオの株価は、市場全体をアンダーパフォームしており、年初来で約14%の下落となっています。テスラの積極的な価格戦略による競争の激化とマクロ的な逆風が、ニーオの利益率と株価に打撃を与えています。
とはいえ、ニーオは収益性の向上に注力しており、生産体制を増強し、バッテリー交換における協業を拡大する努力を続けています。平均販売価格が高い新プラットフォームNT2製品の売上を伸ばしていることから、同社の利益率は大幅に上昇する可能性が高いです。
上述のポイントは、アナリストのニーオに対する強気見通しに反映されています。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が7人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均株価目標の11.36ドルは、今後12カ月で34.9%の上値余地を示唆しています。
結論
テスラはEVセグメントでリーダーシップを維持していますが、その株価は2023年に2倍以上に上昇し、アナリストは傍観しています。一方、リ・オートとニーオの納車台数と利益率は改善してきており、アナリストは強気見通しを維持しています。また、アナリストの平均目標株価によれば、リ・オートとニーオの株価には特筆すべき上昇余地があります。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、2 EV Stocks to Watch Out for in 2024原文の翻訳を中心にまとめています。
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