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アップル、AMD、アマゾン:最も上値余地がある「強気買い」テック株は?

ストーリーハイライト

マクロ的な不確実性が続いているにもかかわらず、生成人工知能(AI)関連の追い風、利下げ期待、そして企業固有の強みにより、いくつかのテック株は今年力強い動きを見せました。それでも、多くの投資家はまだまだ上昇余地があるのではないかと考えています。TipRanksの銘柄比較ツールを使って、アップル(NASDAQ:AAPL)、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ(NASDAQ:AMD)、アマゾン(NASDAQ:AMZN)を比較し、ウォール街のアナリストが選ぶ最も魅力的なテック株をピックアップしました。

アップル (NASDAQ:AAPL)

アップルは11月に2023年度第4四半期(7-9月期)決算を発表し、全体の売上高が4四半期連続で減少したにもかかわらず、利益は予想を上回りました。アップル製品のような一般消費財への支出は、マクロ的な圧力によって打撃を受けています。第4四半期は、iPhoneの売上高とサービス収入の増加がMacとiPadの売上高減少で相殺されたため、同社の売上高全体は前年同期比1%減の895億ドルとなりました。

マクロ的な圧力以外にも、中国の政府機関におけるiPhone使用禁止の影響や、アップル・ウォッチに関連する特許侵害訴訟の敗訴も懸念されています。とはいえ、ウォール街アナリストの多くは、アップルに対して長期的に強気の見方をしています。

アップル株は今「買い」か?

12月14日、Citigroupのアナリスト、Atif Malik氏は、「買い」レーティングを再表明し、目標株価を230ドルとしました。同アナリストは、継続的な売上総利益率の拡大により、2024年の利益成長率は14%、フリーキャッシュフロー成長率は11%になると予想しています。

Malik氏は、iPhoneのプレミアム化、サービス売上の加速、半導体内製化の好影響によるAppleの構造的な売上総利益率の改善を、弱気派は見逃していると主張しています。同アナリストは、こうした傾向は2024年も続くと予想し、AI携帯とVision Proの採用が上昇のカタリストになると見ています。

TipRanksによれば、全体としては、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が24人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の202.40ドルは、今後12カ月で2.8%の上値余地を示唆しています。株価は年初来で51%以上上昇しています。

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (NASDAQ:AMD)

エヌビディア(NASDAQ:NVDA)は今年、生成AIモデルの構築と機械学習における同社GPU(画像処理半導体)の大きな需要により脚光を浴びましたが、AMDは追い上げの準備を進めています。

AMDは、最近発売したMI300シリーズがエヌビディアのAIプロセッサーと競合すると見込んでいます。AMDはGPU売上高が2024年に20億ドルを突破すると予想しています。同社の2024年の全売上高も、PC市場向け製品の需要回復により増加する見込みです。

AMDの目標株価は?

先週、バンク・オブ・アメリカのアナリスト、Vivek Arya氏は、AMD株を「中立」から「買い」に格上げし、目標株価も135ドルから165ドルに引き上げました。同アナリストは、データセンター向けGPUおよびアクセラレータ(処理速度向上のためのハードウエア)のビジネスチャンスが急拡大していることから、中期的な売上見通しが上向くと説明しています。

Arya氏は、引き続きエヌビディアをコンピューティングおよびAIの最有力候補と見ていますが、AIや生成AIは数年にわたる現象であり、多くの半導体企業にチャンスをもたらすと考えています。同氏は、AMDがサーバーCPU市場で前進を続けつつ、収益性の高い1,000億ドル超のアクセラレータ市場でシェアを拡大できると考えています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が26人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。株価は年初来で116%以上上昇しています。平均目標株価の132.41ドルは、今後12カ月で5.5%の下値余地を示唆しています。

アマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)

アマゾン株は、Eコマースとクラウドコンピューティングの巨人である同社の強力な執行力と、コスト削減策による収益性の改善を反映し、年初来で83%急騰しています。特に第3四半期売上高は、小売部門とアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)のクラウドコンピューティング事業の好調に牽引され、13%増加しました。

アマゾンの小売事業の勢いは、重要なホリデーシーズンにも続く見込みです。また、アマゾンのAWS部門は、生成AIへの投資から利益を得る態勢が整っています。さらに、2023年第3四半期に前年同期比で25%成長したアマゾンの広告事業は、重要な成長ドライバーの1つと考えられています。

アマゾンは「買い」か、「中立」か、「売り」か?

月曜日、Roth MKMのアナリストRohit Kulkarni氏は、「買い」レーティングを継続し、目標株価を165ドルから180ドルに引き上げました。同アナリストは、2024年のメガキャップ・ピックとしてアマゾンを挙げ、次いでソーシャルメディア大手のメタ・プラットフォームズ(NASDAQ:META)、検索エンジン大手のグーグルの親会社アルファベット(NASDAQ:GOOGL)を挙げています。

Kulkarni氏は、アマゾンは、2024年に売上高の加速と営業利益率の拡大が予想される唯一のメガキャップ株であると述べています。同氏は、2024年と2025年のフリーキャッシュフロー(FCF)が加速する可能性を、ウォール街が過小評価し続けていると考えています。同氏は、同社のFCFはファンダメンタルズの改善と資本支出の減少から恩恵を受けると予想しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、42人全員が「買い」レーティングを付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。178.66ドルの平均目標株価は、今後12カ月で約15.6%の上値余地を示唆しています。

結論

アナリストは、ここで取り上げた3つのテック株すべてについて、強固なファンダメンタルズ、強力な執行力、魅力的な長期的成長ポテンシャルに基づき、強気の見方をしています。それでも、アマゾンのEコマースとクラウドコンピューティング事業の強さと、急成長する広告売上高に支えられ、他の2銘柄よりも上昇余地が大きいと見ています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、AAPL, AMD, or AMZN: Which “Strong Buy” Tech Stock Could Offer the Highest Upside?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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