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トップアナリスト、DX関連テック株2銘柄で40%超の上値余地見込む

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Canaccord Genuityのアナリスト、Joseph Vafi氏は、現在進行中のデジタルトランスフォーメーション(DX)のインパクトに注目しています。TipRanksでウォール街アナリストの上位5%に入るトップアナリストであるVafi氏は、次のように述べています。「今日、私たちはこれまでで最大かつ最も永続的なITサービス需要の波の真っ只中にいます。DXがこれまでの需要の波と異なるのは、売上高を伸ばし、カスタマーエクスペリエンス(CX、顧客体験)を向上させるためにテクノロジーが直接利用されていることです。コスト削減に焦点を当てたITサービス需要の波ではなく、今回は顧客志向です」

これにより、Vafi氏はテック銘柄が急騰する可能性があることを指摘しています。同氏は、今後1年間で少なくとも40%の上昇が見込める銘柄を2つ挙げています。TipRanksのデータベースからその詳細を引き出しましたので、トップアナリストのコメントと共にご紹介します。

アライト (ALIT)

最初にご紹介するのは、クラウドベースでビジネスプロセス製品ラインを提供する米国のソフトウェア企業、アライトです。アライトのソフトウェアは、顧客企業が簡単に導入できるように設計されており、ビジネスプロセスの合理化・自動化、データ分析、人的資本管理のためのソリューションを提供しています。アライトは、ソフトウェア・ポートフォリオにAI技術を使用していることで知られており、自動化とリスク管理機能の向上を可能にしています。

アライトは、給与計算や従業員の管理、健康関連、福利厚生、退職給付の管理、従業員の休暇の追跡、専門的なサービスの合理化など、顧客企業にとって重要な日常業務のあらゆるプロセスを円滑化できると自負しています。

世界100カ国以上で事業展開、4,300の顧客企業

ワークライフと名付けられたソフトウェア・プラットフォームは人気を博し、世界100カ国以上で4,300社の顧客を抱え、フォーチュン100社のうち約70社にサービスを提供する国際的な企業へと成長しました。

アライトは、この11月に第3四半期決算を発表しました。2021年以降の契約予約総額は20億ドル近くに達し、同社の2023年末の目標である15億ドルを大きく上回っています。第3四半期の売上高は8億1,300万ドルで、前年同期比約8.5%増となったものの、事前予想を1,650万ドル下回りました。非GAAP(米国会計基準)基準の調整後EPS(1株当たり利益)は14セントとなり、予想を1セント上回り、前年同期も2セント上回りました。

Vafi氏は、アライトの成長見通しについて、次のように述べています。「従業員の福利厚生管理市場において、アライトのワークライフプラットフォームは強力であり、差別化されていると見ています。同社は、企業の人事分野へのDXの導入をどこよりもうまく活用しています。そのため、比較的成熟したセグメントで事業を展開し、すでにかなりの市場シェアを持っているにもかかわらず、売上高を適度に加速させる機会があると考えます」

Vafi氏の目標株価は12ドルで、今後12カ月で50.5%の上値余地を示唆しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングでは、6人のアナリストが全員「買い」レーティングを付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は12ドルで、Vafi氏と同じです。

TTECホールディングス (TTEC)

どんなビジネスであれ、カスタマーエクスペリエンス、つまりCXの管理は不可欠です。顧客が製品を気に入らなかったり、企業が顧客と対話できなかったりすれば、その企業は失敗します。TTECホールディングスは、数十年前にこの事実の重大性に気づき、CXテクノロジーとサービスの業界リーダーとしての地位を築きました。コロラド州を拠点とする同社は1982年に創業し、現在では6万4,000人以上の従業員を擁し、世界6大陸で50以上の言語に対応しています。

TTECは、DXを活用して顧客企業の全体的なCX向上にフォーカスし、テクノロジー、コンサルティング、分析サービスをミックスしたサービスを顧客に提供しています。そのためには当然、カスタマーサービス、技術サポート、信頼・安全ソリューションなど、顧客が直面する部分を最適化する全体的なシステムアプローチが必要です。TTECは、効率を最大化するために合理化されたAIオペレーションで知られていますが、それでも、オンライン上で人間同士のやり取りを真に模倣することに努めています。

顧客サービス部門では下振れ可能性はないと見込む

TTECの直近の2023年第3四半期の売上高は6億300万ドルで、前年同期比1.8%増にとどまりましたが、コンセンサス予想を68万ドルほど上回りました。非GAAPベースのEPSは48セントで、これは予想を4セント上回りました。

TTECに関してVafi氏は、次のようにコメントしています。「企業はマクロ情勢に慎重な姿勢を崩していませんが、顧客サービス部門は依然として戦略的であり、2023年にはすでにこれらの予算が削減されているため、2024年にこれ以上の下振れの可能性はないと見ています。パンデミック後、Eコマースへの大規模な移行は、バーチャル・カスタマー・ケアの差し迫った必要性を浮き彫りにしました。TTECは、高付加価値プレーヤーとして、特に新しい、成長中のブランド企業においてシェアを獲得することになると思います」

Vafi氏は、「買い」レーティングを付け、30ドルの目標株価は、今後12カ月で47%の上値余地を示唆しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が5人、「中立」が2人で、コンセンサス評価で「中程度の買い」となっています。現在の株価は20.46ドルで、平均目標株価の23.80ドルは、今後12カ月で16%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Tech Stocks Are Poised to Soar Amid Digital Transformation, According to Canaccord — Here Are 2 Names With at Least 40% Upside Potential原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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