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2023年11月に最も取引された米国株銘柄:TipRanks調べ

ストーリーハイライト

2023年11月には、3カ月連続で下降トレンドにあった米国の主要株価指数は反転し、上昇に転じました。特に「マグニフィセント・セブン(超大型株7銘柄)」は顕著な上昇となり、年初からの株価上昇の勢いを維持しました。

目立ったのは、EV(電気自動車)需要や値下げへの懸念から圧力を受けていたテスラ(NASDAQ:TSLA)が11月に約22%値上がりしたことです。同時に、堅調なAI(人工知能)需要で好業績だったエヌビディア(NASDAQ:NVDA)株は約14%値上がりしました。

このような中、TipRanksスマートポートフォリオを利用している投資家による売買状況を調査し、売買パターンをより深く洞察しました。詳細は以下の通りです。

11月に最も買われた銘柄:アップル

アップル(NASDAQ:AAPL)は11月に11.7%上昇し、前月に引き続き最も買われた銘柄となりました。投資家のアップル株に対する信頼感は依然として高いです。これは、アップルのアクティブデバイスユーザー数が増加していること、サービス部門が堅調であること、iPhoneの価格上昇による恩恵を反映しています。

さらに、アップルは大規模な自社株買いと配当により、株主還元を一貫して強化しています。アップルに関するウォール街アナリストの見方は以下の通りです。

アップル株は「買い」か、「中立」か、「売り」か?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が25人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の201.99ドルは、今後12カ月で5.62%の上値余地を示唆しています。

アップルの他に、11月に最も買われた銘柄を見てみましょう。

最も買われた銘柄トップ10

11月の投資動向を見ると、投資家は引き続きテック株を追求していることがわかります。さらに投資家は、インベスコQQQトラスト (QQQ) や SPDR S&P 500 ETFトラスト (SPY) などの人気ETF(上場投資信託)に投資することで、リスク分散にも注力しています。QQQは、ナスダック100指数に連動した投資成果を目指すETFで、SPYは、S&P500指数に連動した投資成果を目指します。

11月に最も買われた銘柄は以下の通りです。

アップル

アマゾン (NASDAQ:AMZN)

マイクロソフト (NASDAQ:MSFT)

エヌビディア

テスラ

アルファベット・クラスC (NASDAQ:GOOG)

アリババ (NYSE:BABA)

インベスコQQQトラスト

SPDR S&P 500 ETFトラスト

アルファベット・クラスA (NASDAQ:GOOGL)

11月に最も売られた銘柄:テスラ

意外なことに、11月に大きく上昇したテスラ株は、TipRanksスマートポートフォリオを維持している投資家によって最も売却されました。利益率の低下、競争の激化、金利上昇がEV需要に打撃を与えるという懸念が、投資家がテスラ株を売却した理由かもしれません。

とはいえ、テスラはEV業界をリードし続けています。さらに、コスト削減、継続的な製品改善、自動運転車に注力しているため、長期的に恩恵を受ける態勢が整っています。

テスラ株は「買い」か、「中立」か?

テスラは長期的には堅実な投資対象とみられていますが、利益率は過去数四半期にわたり一貫して低下傾向にあり、多くのアナリストは厳しく見ています。加えて、需要環境の悪化により、さらなる値下げを発表して販売台数を増やす可能性もあり、利益率は再び圧迫される可能性があります。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が14人、「中立」が13人、「売り」が6人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の246.93ドルは、今後12カ月で3.39%の上値余地を示唆しています。

テスラは最も売られた銘柄でしたが、11月に売られた10銘柄は以下の通りです。

最も売られた銘柄トップ10

テスラ

アップル

エヌビディア

アマゾン

マイクロソフト

アドバンスト・マイクロ・デバイセズ (NASDAQ:AMD)

アルファベット・クラスA

アリババ

メタ・プラットフォームズ (NASDAQ:META)

ウォルト・ディズニー (NYSE:DIS)

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、The Most-Traded Stocks by TipRanks Investors in November 2023原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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