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アルファベット株の第3四半期決算プレビュー:その強さを維持できるか?

ストーリーハイライト

アルファベットの第2四半期の好調な勢いは第3四半期も続く見通しです。グーグル検索広告は堅調で、YouTubeショートは月間20億ユーザーのエンゲージメントがあり、グーグル・クラウドは四半期連続で収益性の高い成長を記録しており、同社株への強気見通しを裏付けています。

アルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)は、第3四半期決算を目前に控えています(10月24日に発表予定)。投資家は、第2四半期の好調な勢いが持続するかどうかを見極めたいと考えています。売上高と利益の両方の予想を上回った前四半期の驚くべき業績を受けて、業績のポジティブな軌道が続くのではという期待が高まっています。

第2四半期の勢いを基に

アルファベットの第3四半期決算は、前四半期の好調な勢いを受け、堅調なものとなりそうです。第2四半期は、売上高が前年同期比9%増の746億ドル(為替変動の影響を除いたベース)、1株当たり利益が同19%増の1.44ドルと、事業のあらゆる面で目覚ましい躍進を見せました。これはウォール街の売上高成長率コンセンサス予想を2.5%上回っただけでなく、EPS予想も7.3%上回ったため、株価の大幅上昇を呼びました。

広告事業:逆風にもかかわらず堅調

アルファベットの第2四半期業績の特筆すべき点は、厳しいマクロ経済環境をものともしない広告事業の強靱性です。個人消費の落ち込みや金利上昇の懸念など、景気の先行き不透明感が広告売上に影響を及ぼしかねない状況でした。しかし、広告売上は3.2%増の581億ドルと堅調な伸びを記録しました。世界的に広告支出が好調だった2022年第2四半期の業績と比較すると、この成果は特に注目に値します。

グーグル検索広告・検索

グーグル検索広告・検索部門は、小売業界の回復に牽引され、売上が前年同期比4.7%増と顕著な伸びを示しました。さらに特筆すべきは、AIの進化にもかかわらず、検索が潜在的な競合の影響を全く受けていないことです。ChatGPTは当初、グーグルのビジネスモデルに対するキラーとして認識されていましたが、グーグルサーチは明らかに高い強靱性を維持しています。

グーグルのAI統合と相まって、サーチは第3四半期も引き続き強い牽引力を獲得し、市場における支配的地位を確固たるものにすると予想されています。特に、アルファベットの第2四半期決算説明会では、80%近くの広告主がAIを活用したサーチ広告プロダクトをすでに利用していることが強調されました。これにより、同社の目標広告費用対効果(ROAS)が向上する見込みで、今後の堅調な売上成長が期待できることを示唆しています。

YouTubeおよびショート

アルファベットのYouTube部門についても同様に期待出来るでしょう。同部門も第2四半期に素晴らしい業績を上げ、売上は4%増の77億ドルに達しました。特筆すべきは、YouTubeショートが月間20億人という驚異的なログインユーザーを獲得したことです。ショートが導入されたのがわずか1年前であることを考えると、これは非常に素晴らしいことです。クリエイターがプラットフォーム内で長編動画の垂直拡張版としてショートをシームレスに組み込んでいるため、このプラットフォームは第 3 四半期を通して好調な勢いを維持できるとみられます。

グーグル・クラウド:収益性の高い成長を実現

グーグル・クラウド事業は、第 2 四半期において前年同期比28%増の80億ドルという驚異的な売上を記録しました。特筆すべきは、営業利益が第2四半期連続で黒字となったことで、急拡大するこの事業で一貫した収益性を維持できることが明らかになりました。

グーグル・クラウドは第2四半期に営業利益3億9,500万ドル、利益率5%を達成しました。アルファベットは、クラウド製品にAI機能を継続的に統合し、成長を促進しています。その代表例がファイザー(NYSE:PFE)で、現在グーグル・クラウドを利用してセキュリティー運用を改善しており、アルファベットの戦略的フォーカスの具体的な成功を示しています。

同社が提供する広範なAIのクロスセリングの可能性を考えると、アルファベットの第3四半期決算でも、この事業セグメントについて素晴らしい業績が期待されます。

アルファベットの第3四半期決算に対するウォール街の期待は?

第2四半期の好調な勢いと、それ以降マクロ経済環境が顕著に悪化していないことから、ウォール街は第3四半期も好調な業績を予想しています。

売上高予想は757億6,000万ドルで、前年同期比9.65%の増加が見込まれます。アナリストはまた、売上高の増加と過去1年間の戦略的施策(レイオフを含む)を伴う営業効率化により、1株当たり利益が前年同期比36.4%増の1.45ドルになると予想しています。

アナリストによると、アルファベット株は「買い」?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」30件、「売り」4件で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は151.06ドルで、9.5%の上値余地を示唆しています。

アルファベット株を売買する場合、どのアナリストに従うべきか迷っているのであれば、(1年間の時間枠で)最も収益性の高いアナリストはNeedhamのLaura Martin氏で、1レーティングあたり平均26.16%のリターンと78%の成功率を誇っています。

結論

全体として、第2四半期に見られたアルファベットの勢いは、広告、YouTube、グーグル・クラウドの各部門の堅調な業績とともに持続すると予想されます。経済的困難に直面した際の同社の強靱性とAI統合の進展が相まって、同社は有利な立場にあります。

ウォール街は第3四半期の好調な業績を予想しており、売上高と利益の成長予測はアルファベット株に対する強気見通しを補強しています。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Alphabet Stock (NASDAQ:GOOGL) Q3 Earnings Preview: Can Its Strength be Sustained?
原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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