✔ 中国の暗号資産(仮想通貨)規制の状況を知りたい方
✔ 中国で暗号資産(仮想通貨)投資が再開されるかどうか知りたい方
中国ではICOやマイニングといった、暗号資産(仮想通貨)に関する取引が禁止するといった報道がよく行われています。
以前には中国で暗号資産(仮想通貨)取引所が規制対象になったことで、ビットコインの価格が大きく下がるなど、暗号資産(仮想通貨)市場にも大きな影響をおよぼしました。
そこで今回は、中国で暗号資産(仮想通貨)が規制される背景やその内容について解説していきましょう。
- 中国で暗号資産(仮想通貨)取引が規制された背景には「汚染防止」「金融リスク防止」「貧困脱出」がある
- 中国の暗号資産(仮想通貨)取引規制の内容として「ICOの禁止」「暗号資産(仮想通貨)取引所の規制」「マイニングの規制」がある
- 中国の暗号資産(仮想通貨)取引規制を受け、バイナンスは本社をマルタ島に移転し、bitmainも拠点を欧米に拠点を移した
- 中国はブロックチェーン技術には興味を示しており、いずれ暗号資産(仮想通貨)取引が再開される可能性はある
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目次
中国で暗号資産(仮想通貨)が廃止になった背景
中国は2017年9月にICOを禁止し、ビットコインの取引所を実質的に閉鎖すると発表しました。
- 汚染防止
- 金融リスク防止
- 貧困脱出
中国は2020年までに上記の重要課題を解決するとしており、それが中国の暗号資産(仮想通貨)規制につながっています。
中国の環境汚染が問題になっている
中国では、大気汚染など環境問題が深刻化。
暗号資産(仮想通貨)ではマイニング作業が行われますが、マイニングには膨大な電力を必要とします。
中国の発電は日本のような原子力がメインではなく石炭火力が主力なため、発電する際に排出ガスや二酸化炭素などが発生。このため電力を大量に消費するマイニング作業に対し、中国政府は規制を設けているのです。
過去に中国人民銀行はマイニング業者に対して電力の税制優遇をしてきましたが、これを廃止することで安く電力を使うことができなくなりました。
通貨の流出対策
中国では資本流出防止のために、銀行経由の外貨への両替や送金が規制されています。
このような理由からドルやユーロ、円と交換をするのにも総量規制がとられており、もちろん暗号資産(仮想通貨)の場合も同様の規制の範疇。
そのためビットコインを使っての外貨獲得を危惧している部分があり、暗号資産(仮想通貨)取引所の規制にも繋がっているのです。
中国の規制の動き
規制の動きとしては、以下のようなものがあります。
- 中国国内でのICOの禁止
- 暗号資産(仮想通貨)取引所の閉鎖
- マイニングの優遇停止と制限
マイニングは主に四川省・雲南省・内モンゴル自治区等で行われており、これらの地域は電気代や土地代が安く、税金面でも優遇されていました。
しかしその優遇がなくなり、電力制限も科せられています。
中国での暗号資産(仮想通貨)規制1:ICOの禁止
中国でICOが禁止されている大きな理由が、投資家の保護。ICOには詐欺も多く、大きな損失を出す投資家が出る可能性もあります。
また、資本の流出防止という理由も。過去に海外への大規模な資金流出が発生しており、為替レートの不安定化や金融対策の効果低下が懸念されていました。
ICOの禁止によって、資産の海外持ち出しを抑える狙いがあるのです。
中国での暗号資産(仮想通貨)規制2:取引所の規制
2018年2月、中国は国内外の暗号資産(仮想通貨)取引プラットフォームサイト等の取り締まりを行うと発表しました。
違反する企業や団体を見つけた場合は閉鎖させるとしています。
中国での暗号資産(仮想通貨)規制3:マイニングの規制
中国ではマイニングが盛んに行われており、内陸部の四川省や雲南省などの電力が最も安い地域で大規模に行われていました。
しかし政府の方針によって電力に制限がかかり、税金の優遇がなくなったことで、マイニング業者は撤退や移転を余儀なくされています。
中国大手取引所やマイニング企業の動き
上記の規制のため、大手の取引所やマイニング企業は次々に撤退や国外に移転。
中国政府は金融システムの混乱回避と、マネーロンダリングの防止のためにさらに規制強化を進めています。
バイナンスはマルタ島へ本社移転
大手取引所のバイナンスも拠点を国外へ移転しています。
ブロックチェーンに寛容な法律と財政の安定性を望めるとして、マルタ島が本社の移転先となりました。
ちなみに暗号資産(仮想通貨)取引所の数が一番多いのはイギリスですが、取引量は全体の1%程度。またイギリスでは、ビットコインをはじめとする暗号資産(仮想通貨)を法定通貨と交換した際に税金がかかりません。
bitmainも欧米に拠点を移転
世界最大規模を誇るマイニング会社bitmainは規制と共に採掘量が激減し、アメリカやスイスに移転を余儀なくされました。
bitmainはビットコインやイーサリアムなどのマイニングに特化したASICを開発。圧倒的な速度で膨大な量のマイニングを行っていました。
またマイニング用のハードウェアを販売しており、さらに子会社を利用してマイニングプールも運営しています。
マイニングの種類
マイニングにはASICを搭載したマイニングマシンが適しています。主要通貨をマイニングするには、ASICを搭載したマシンを利用しないと発掘するのは難しいですが、ASICを搭載したマシンはとても高価。
しかしクラウドマイニングやプールマイニングなど、ASICを搭載したマシンを購入しなくてもマイニングを行うことができます。
クラウドマイニングとは、お金を出して他の人(企業)にマイニングをしてもらい、出した金額に応じて配当金をもらうというもの。
プールマイニングは、ネット経由で自分のパソコンのパワーを提供してグループでマイニングを行い、マシンパワーの大きさに応じて報酬を受け取るというサービスです。
中国で暗号資産(仮想通貨)の取引は再開されるのか
中国では資本流出や環境問題などにより、暗号資産(仮想通貨)の規制を強化していきました。その一方でブロックチェーン技術には興味を示しており、その特許数は世界一。
2019年10月26日、中国の全国人民代表大会常務委員会は暗号の応用や管理のツールを定め、暗号ビジネスやインターネットセキュリティを保障することを目的とした暗号法を可決。
ブロックチェーンは中国のイノベーションを進める次世代技術として、人工知能やビッグデータなどと同列に位置付けているので、いずれは暗号資産(仮想通貨)取引を再開するかもしれません。
米中関係にも注目
暗号資産(仮想通貨)は国際政策においても、外貨を獲得するのに非常に適した手段と考えられています。
中国の国民が自国通貨である人民元を売って、暗号資産(仮想通貨)を購入するとしましょう。取引の相手側は多くの人民元を得ることができ、実質的にその国の経済に影響力を及ぼせるように。
もし米国が暗号資産(仮想通貨)を売って、中国国民が人民元で購入したとすると、膨大な人民元と経済への影響力を米国が持つことになるでしょう。中国が暗号資産(仮想通貨)投資を規制する背景には、このような事情もあるのです。
中国での暗号資産(仮想通貨)の状況まとめ
- 中国で暗号資産(仮想通貨)取引が規制された背景には「汚染防止」「金融リスク防止」「貧困脱出」がある
- 中国の暗号資産(仮想通貨)取引規制の内容として「ICOの禁止」「暗号資産(仮想通貨)取引所の規制」「マイニングの規制」がある
- 中国の暗号資産(仮想通貨)取引規制を受け、バイナンスは本社をマルタ島に移転し、bitmainも拠点を欧米に拠点を移した
- 中国はブロックチェーン技術には興味を示しており、いずれ暗号資産(仮想通貨)取引が再開される可能性はある
資本の国外流出を防止するため、一部の取引所では中国からアクセスするユーザーに対するサービスを停止するなどの措置が取られています。
またビットコインや暗号資産(仮想通貨)、ICOといったキーワードで検索しても、関連サイトや広告は出てこなくなりました。
米中関係を含む国際情勢と、相場を大きく動かす影響力のある中国の一挙手一投足には注目しておきましょう。
仮想通貨の今後