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著名アナリストが選ぶベストAI株2銘柄

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ウェドブッシュの著名アナリストで、テクノロジー専門家として知られるダニエル・アイブス氏は最近の論評で、1990年代のテックバブル崩壊と現在のAI(人工知能)の爆発的な普及の違いを、次のように述べています。「私は90年代後半からウォール街でテクノロジー関連を取材してきました。AIはバブルではなく、第4次産業革命の幕開けであり、ソフトウェア/ユースケースの段階が動き出すことで、テックセクターは大きな成長を遂げるでしょう。(中略)一歩引いて考えてみると、これは今後数年間でテックセクターに到来する1兆ドル超のAI市場機会の最初のイニングの頂点に過ぎません」

アイブス氏の見解では、シースリー・エーアイ (C3.ai, NYSE:AI)とパランティア (Palantir, NYSE:PLTR)は、今買うべき最高のAI銘柄です。詳細は以下の通りです。

シースリー・エーアイ

シースリー・エーアイは、エンタープライズ規模のAIアプリケーション・リーダーとしての地位を築いたソフトウェア会社です。製品ラインアップには、AIアプリケーション、AIアプリケーションプラットフォーム、AI開発ツールを通じて利用可能な幅広いAI搭載ソフトウェアやツールが含まれています。

シースリーのソフトウェアは、顧客エンゲージメントから不正検知、予知保全、サプライチェーン最適化まで、数多くの経済分野で使用されています。同社のAI製品は、油田サービス企業のベーカー・ヒューズ、電力会社のコネディソン、さらには米陸軍や空軍や大企業を含む、大小さまざまな顧客に販売されています。

エンタープライズAIの業界リーダーであるだけでなく、世界的なデジタル変革の推進者としても知られる

同社は、エンタープライズAIの業界リーダーであるだけでなく、イノベーターとして、そし世界的なデジタル変革の推進者として知られています。

株価は今年、高値37ドルから安値20ドルまで変動しています。しかし、5月29日の2024年度第4四半期(2024年2-4月期)決算発表後に株価は大きく上昇しました。

これは、第4四半期決算と2025年度のガイダンスの両方で予想を上回ったためです。第4四半期の売上高は8,660万ドルで、予想を220万ドル上回り、前年同期比では20%近く成長しました。非GAAP(米国会計基準)基準では1株当たり11セントの純損失でしたが、予想を19セント上回りました。

コンセンサスを大きく上回る売上高ガイダンスを発表

今後の見通しとして、コンセンサスを大きく上回る2025年度の売上高ガイダンスを発表しました。経営陣は、2025年度の売上高を、予想されていた3億6,753万ドルに対し、3億7,000万ドルから3億9,500万ドルの範囲と予測しています。

ウェドブッシュのアイブス氏は、シースリーの業績と同社の成長見通しについて楽観的な見方をしています。

AI革命初期における数多くの市場でのシェア拡大を評価

アイブス氏は次のように述べています。「シースリー・エーアイは第4四半期決算で売上高と利益が予想を上回り、AI革命の初期段階であるこの時期において、数多くの業界で市場シェアを拡大しています。(中略)同社はまた、同四半期において新たな垂直分野への深耕を続け、業界全体の多様性を向上させる中で、15の異なる業界において同社の生成AIソリューションに対する5万件の引き合いがあったと述べています。これは正しい方向への一歩です」

アイブス氏は、シースリー・エーアイ株を「アウトパフォーム(=買い)」とし、目標株価の40ドルは今後12カ月で28%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

アイブス氏は強気ですが、ウォール街の全体的な見方はそうではありません。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が4人、「中立」が5人、「売り」が3人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の31.30ドルは、株価は当面レンジ内で推移すると予想されています。

パランティア

次は、億万長者で著名なベンチャーキャピタリストのピーター・ティール氏が設立したテクノロジー企業、パランティアです。2003年に設立され、最先端のデータ分析技術を駆使して有用な洞察を提供しています。同社の高度なデータ分析とAIソフトウェアによって、顧客はリアルタイムでイベントの根底にあるパターンを把握できます。

パランティアは、AIを中核としながらも、人間的な要素を無視したり、省いたりすることはありません。パランティアは、AIテクノロジーは人間の知能を補強するものであり、人間の知能に取って代わるものではないと考えています。

ユーザーは複雑な作業なしでAIプラットフォームの利用が可能

パランティアの契約者は、自然言語処理を使用して人間のユーザーとの複雑な対話を可能にすることを前提に設計された主力のAIP(AIプラットフォーム)を含む、さまざまなAIプラットフォームを利用できます。同社の製品やツールは、ユーザーからの複雑な質問を理解し、それに対して詳細でニュアンスの異なる回答を返すことができます。

こういったシステムは、複雑な計算コードやスクリプトの使用、プログラミング言語や統計モデルの使用を避けるように設計されており、パランティアの目標は、高度なデータ分析を専門家でなくても簡単に利用できるようにすることです。

米国防総省で強い需要

パランティアのサービスは、特に米国防総省で強い需要があります。5月30日、同社は国防総省との間で1億5300万ドルの初期契約を獲得したと発表し、今後5年間で最大4億8000万ドルの追加契約の可能性があると述べました。

この契約獲得は、5月上旬に発表された2024年第1四半期決算に華を添えました。売上高は6億3,400万ドルで、前年同期比で約21%増加しました。これはアナリスト予想を1600万ドル以上上回るものでした。非GAAPベースのEPSは8セントで、予想通りでした。GAAP基準では6四半期連続の黒字となりました。顧客数は前年同期比で42%増加しました。

アイブス氏、成長能力の高まりを評価

アイブス氏は、特にパランティアの成長能力の高まりを評価しており、次のように書いています。「AIPが商用と政府機関の両方で大きな需要を生み出す原動力となり、パランティアの成長ストーリーに勢いが増していくと引き続き見ています」

同氏はパランティア株を「アウトパフォーム(=買い)」と評価し、目標株価の35ドルは、今後12カ月で47%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

繰り返しになりますが、ウォール街の見方はアイブス氏とは異なります。TipRanksによれば、パランティア株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が7人、「売り」が3人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価の22.11ドルは、今後12カ月で7%の下値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、C3.ai and Palantir: Wedbush Chooses the Best AI Stocks to Buy原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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