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ビザ株、売上高の2桁成長は当面続く見込み

ストーリーハイライト

決済ネットワーク大手のビザ (NYSE:V) は、今後数年間、2桁増収を維持できる態勢にあるようです。昨年度の売上高はやや減速しましたが、直近決算は好調で、2桁成長が再び優勢になりつつあることを示しています。ウォール街では、この傾向が今後数年間続くと予想しており、ビザに対する強気な見方を後押ししています。

第2四半期決算:再び好調な1年への道筋をつける

ビザの2024年度第2四半期(2024年1-3月期)決算は、投資家の同社株への確信を再び高めました。同社の成長は2桁台を維持しており、潜在的な減速の兆候があったにもかかわらず、この傾向は今後も持続すると見られています。特に、売上高は前期まで一貫して減少傾向にあったため、多くの投資家はビザの2024年度通期売上高の成長率が2桁を下回ると予想していました。最近の各四半期の増収率を見ると、確かにその印象を受けるでしょう。

  • 2023年度第2四半期:11.1%
  • 2023年度第3四半期:11.7%
  • 2023年度第4四半期:10.5%
  • 2024年度第1四半期:8.8%

幸いなことに、2024年度第2四半期決算はこの減速傾向を覆しました。増収率は前年同期比9.9%に達し、現在の勢いは今年後半のさらなる成長を示唆しています。主な要因としては、堅調な決済量、処理取引数の増加、クロスボーダー決済量の顕著な増加などが挙げられます。

決済量については、ビザは世界規模で前年同期比8%増を記録し、これは第1四半期の成長率と同様でした。処理取引数も前年比11%増となり、ビザのネットワークが処理した取引数の着実な増加を浮き彫りにしました。最後に、欧州内を除くクロスボーダー決済量は、現地通貨ベースで前年比16%増加し、観光・旅行業界全体の好調を反映しました。

現在の勢いを踏まえ、通期増収率も2桁台へ

現在の勢いを踏まえ、経営陣は下半期の増収率を2桁台前半と予想しており、通期増収率も2桁台になるとみられます。一方で、総決済量の伸びは、従来予想の2桁台前半ではなく、1桁台後半になると予想されています。

これは、アジアの一部の傾向が予想よりも鈍いことを反映しています。一方、欧州内を除くクロスボーダー決済量は、アジアの旅行関連クロスボーダー決済量の低迷をeコマースの好調が相殺し、10%台半ばで力強く成長を続けると予想されています。

そのため、ウォール街では、ビザの通期売上高は10%増の395億ドルになると予想しています。重要なのは、コンセンサス予想では、少なくとも2026年度まで2桁台の売上高成長が持続するとされており、1桁台への減速懸念は払拭されています。

成長とバリュエーションが強気な見方を裏付け

ビザの継続的な成長軌道と好調な予想、そして現在のバリュエーションを考慮すると、多くのアナリストは同社の強気見通しに確信を持っています。基本的に、ビザの高マージンでスケーラブル(拡張可能)なビジネスモデルは、時間の経過とともにマージン拡大を可能にし、純利益の成長を増収以上に増幅させるとみられます。

同社の定期的な自社株買いと相まって、ウォール街では、今後5年間で1株当たり利益(EPS)の年平均成長率(CAGR)が13.2%になると予想しています。ビザの「堀(強力な競争優位性)」と全体的なクオリティを考えると、PER(株価収益率)25.5倍は非常に魅力的とみられます。

アナリストによると、ビザ株は「買い」か?

TipRanksによれば、ビザ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が19人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の316.63ドルは、今後12カ月で18%の上値余地を示唆しています。

ビザ株の売買でどのアナリストをフォローすべきか分からない場合、(1年間のタイムフレームで)最も収益性の高いアナリストはKBWのSanjay Sakhrani氏で、レーティングごとの平均リターンは19.22%、成功率は89%となっています。

結論

ビザの堅調な業績と有望な成長見通しは、今後数年間、2桁の増収を維持できる可能性を示唆しています。決済量、処理取引数、クロスボーダー活動の増加によって牽引された第2四半期の好決算は、投資家の同社株への確信を強めました。ウォール街予想もこの見方を後押ししており、ビザのバリュエーションは将来の予想に対してかなり魅力的に見えるため、強気な見方はこれまで以上に強固なものとなっています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Visa Stock (NYSE:V): Double-Digit Growth Not Going Away Any Time Soon原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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