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7月に買うべき「強気買い」配当株4選:権利落ち日に注意

ストーリーハイライト

7月に入り、権利落ち日が到来する配当株に注目すべき時期となりました。権利落ち日とは、次の配当を受け取る権利がなくなる日のことです。権利落ち日が近い銘柄に注目することで、数カ月待たずにインカム(配当収入)を得ることができます。TipRanksの配当カレンダーを使って、今月中に権利落ち日を迎え、ウォール街から「強気買い」のコンセンサス評価を得ている4つの銘柄を特定しました。

JPモルガン・チェース

まずJPモルガン・チェース(JPM)を紹介します。世界的な金融サービス企業であり、米国最大の銀行です。個人、企業、機関、政府を対象に、投資銀行、商業銀行、消費者およびコミュニティ銀行、資産管理、プライベートバンキングなどのサービスを提供しています。100カ国以上で事業を展開しており、世界中で2.6兆ドルの資産を保有しています。

1970年代から配当継続

JPモルガン・チェースは1970年代から配当を支払っています。2008年の世界金融危機で減配を余儀なくされましたが、それ以来着実に増配を続けています。現在の四半期配当は1株当たり1.15ドルで、配当利回りは2.15%です。次の権利落ち日は7月5日で、支払日は7月31日です。

7月12日には2024年第2四半期の決算発表を予定しています。4月に発表された第1四半期決算では、1株当たり利益(EPS)が4.44ドルと予想を0.27ドル上回り、増収増益となりました。収入は419億ドル、自己資本利益率(ROE)は17%でした。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、JPモルガン・チェース株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が5人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の213.82ドルは、今後12カ月で5.95%の上値余地を示唆しています。

AT&T

次は世界的な通信企業であるAT&T(T)です。携帯電話、デジタルテレビ、固定電話などの無線および有線通信サービスを提供しています。同社の5Gネットワークは、米国だけでも約2億9,500万人に達しています。

配当利回りは5.92%

AT&Tは長年にわたり、安定した高利回り配当で知られていましたが、数年前にワーナー・ブラザース事業を分離した際、配当は削減されました。それでも、AT&Tの配当利回りは依然として立派なものです。現在の四半期配当は1株当たり0.28ドルで、配当利回りは5.92%です。次の権利落ち日は7月10日で、支払日は8月1日です。

4月末にAT&Tは2024年第1四半期決算を発表し、EPSは0.55ドルとアナリスト予想の0.53ドルをわずかに上回りました。売上高は300.2億ドルで、予想を5億1000万ドル下回りました。フリーキャッシュフローは31億ドルで、前年同期比で21億ドル増加しました。なお、2024年通期見通しを再確認しました。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、AT&T株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が9人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の21.50ドルは、今後12カ月で13.13%の上昇余地を示唆しています。

アッヴィ

次に紹介する7月の配当株は、バイオ医薬品企業のアッヴィ(ABBV)です。慢性疾患や複雑な疾患を治療する薬を提供しており、同社のミッションは人々の生活を向上させる革新的な医薬品やソリューションを創造することです。製品ラインには、腫瘍学、免疫学、神経科学、眼科、美容医療などに焦点を当てた薬が含まれています。

アッヴィは10年以上にわたり、配当を支払い、増配を続けています。現在の四半期配当は1株当たり1.55ドルで、配当利回りは3.54%です。次の権利落ち日は7月15日で、支払日は8月15日です。

第1四半期決算は増収増益を達成

4月26日、アッヴィは2024年第1四半期決算を発表し、増収増益を達成しました。EPSは2.31ドルで、予想を0.05ドル上回りました。純売上高は123.1億ドルで、予想の119.3億ドルを上回りました。主力薬「ヒュミラ」の売上高は減少を続けていますが、他の主力薬である「スキリージ」と「リンヴォック」の売上高は前年同期比で増加しました。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が12人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の185.46ドルは、今後12カ月で8.95%の上値余地を示唆しています。

ナイソース

最後にナイソース(NI)を紹介します。同社は、米国6州の320万以上の顧客にエネルギーソリューションを提供する規制公益事業会社です。同社の電気事業には、発電、送電、配電、卸売および送電取引が含まれます。約50万の顧客に電力を供給しています。

9年間一貫して増配を継続

同社株の権利落ち日は7月31日で、支払日は8月20日です。現在の四半期配当は1株当たり0.26ドルで、配当利回りは3.55%です。9年間一貫して増配を続けています。

7月31日には、2024年第2四半期決算を発表する予定です。5月に発表した第1四半期決算では、売上高は17.1億ドルでアナリスト予想を下回ったものの、EPSは0.85ドルと予想を0.02ドル上回りました。同社は2024年の通期見通しを再確認しました。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、ナイソース株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が5人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の31.33ドルは、今後12カ月で9.20%の上昇余地を示唆しています。

他の配当株を探すには、TipRanksの配当カレンダーをご覧ください。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、5 Strong Buy Dividend Stocks for July原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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