目次
ストーリーハイライト
歴史を振り返ると、FRB(米連邦準備制度理事会)の緩和サイクルや大統領選挙の時期には株価が好調に推移する傾向があり、およそ75%の確率でプラスリターンが期待できます。2024年はどうなるのか、歴史的指標を参考に見ていきます。
S&P500指数(SPX)は2023年を2桁の上昇で終える見込みです。投資家は当然、2024年には何が待ち受けているのだろうと考えています。株式市場の動きを予測するのは決して簡単ではありません。特に、大統領選挙やFRBの次の緩和サイクルが始まる可能性が高いという背景があります。この記事では、米国を代表する株式指標が同じような状況でどのようなパフォーマンスを見せてきたか、歴史を検証してみます。
一言で言えば、過去のデータに基づけば、S&P500指数は2024年まで強気相場が続く可能性が高く、3つの指標(2桁リターンの年の後のパフォーマンス、FRB緩和中のパフォーマンス、大統領選挙の年のパフォーマンス)はすべて、S&P500指数の継続的な上昇を示唆しています。
2023年の素晴らしいパフォーマンスの後に期待されること
1928年までさかのぼると、S&P500指数は、約94年中50年で2桁のパーセントリターンを達成してきました。その結果、2023年に経験したような高いリターンは特別なものではありません。2ケタリターンの年のその次の年は、より微妙ですが、全体としてはポジティブです。過去の記録を見ると、以下のようになります。
- 49%の確率で、再び2桁のリターンが期待できる
- 18%の確率で、リターンが10%のハードルに満たないものの、プラスリターンになると期待できる
- 33%の確率でネガティブリターンが予想される
つまり、過去のリターン実績に基づいた場合、2024年については、強気相場が継続する可能性は3分の2、相場が調整する可能性は3分の1と結論づけることができます。
2024年 – 大統領選挙の年
2024年11月5日に行われる米大統領選挙も、市場参加者の注目ポイントです。1928年以降、米国では24回の大統領選挙が行われています。S&P500指数のパフォーマンスに関する過去の記録を見ると、以下のようになっています:
- 大統領選挙の年にS&P500指数が2桁のリターンを記録したのは50%
- 25%は、プラスリターンとなったものの、2桁のハードルに届かず
- 25%はネガティブリターン
過去のリターンに基づくと、2024年については、強気相場が継続する可能性は75%、相場が調整する可能性は25%と結論づけることができます。この強気相場の確率は、上述のリターン実績よりも優れています。
2024年 – FRBが緩和政策を開始
FRBが設定するフェデラルファンド金利の過去の推移を見ると、1955年以降、FRBがフェデラルファンド金利の水準を年初の水準から引き下げた年は29年ありました。つまり、FRBは全般的に金融緩和を行っていたのです。
市場参加者と先物価格は現在、FRBが2024年に利下げに踏み切り、2024年3月の政策決定会合で金融緩和プロセスを開始する可能性があることを示唆しています。過去の記録は以下の通りです。
- FRBの緩和サイクル中にS&P500指数が2桁上昇したのは55%
- S&P500指数のリターンが2桁には届かなかったものの、プラスとなった年は21%
- 24%はネガティブリターン
これまで観察された3つの歴史的指標のうち、FRBの緩和指標は強気相場が継続する可能性が最も高く(76%)なっています。
アナリストによれば、S&P 500指数は「買い」?
ウォール街に目を向けると、S&P 500指数に連動する投資成果を目指すSPDR S&P 500 ETF トラスト(NYSEARCA:SPY)については、過去3カ月間のアナリストレーティングで、「買い」が397人、「中立」が99人、「売り」が8人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標価格は509.43ドルで、10.35%の上昇の可能性を示唆しています。
結論
米国の作家マーク・トウェインによれば、歴史は繰り返さないが、韻を踏むことがよくあります。2024年のS&P 500指数がどのように推移するかは誰にも分かりませんが、3つの歴史的指標(FRBの緩和サイクル、過去の大統領選挙、2023年のような2桁のリターンを記録した年の後のパフォーマンス)から得られたデータは、2024年にさらなる上昇が訪れる可能性が高いことを示唆しています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Will the S&P 500 (SPX) Rise in 2024? 3 Historical Indicators Say “Yes”原文の翻訳を中心にまとめています。
米国株