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トップアナリストが選ぶ、今買うべきビットコイン関連株

ストーリーハイライト

2021年末以来初めて、ビットコインは6万ドルの大台を超えました。この上昇は、待望のビットコイン現物ETF(上場投資信託)が承認され、機関投資家による採用が追い風となったことを示しています。

ビットコインが上昇するカタリストが、もう一つあります。ビットコインの採掘報酬は4年ごとに半減し、その結果、流通するビットコインは少なくなり、資産が希少になるにつれて需要が高まります。この「半減期」イベントは4月に行われる予定です。

これは投資家にとっては良いニュースですが、ビットコインのマイナー(採掘企業)にとっては採掘活動に対する報酬が減るため、経営が難しくなります。とはいえ、今後価格が横ばいから上昇に転じると仮定すると、ニーダムのアナリスト、ジョン・トダロ氏は、ビットコインの価格は、半減後も上場マイナーのキャッシュ損益分岐コストを上回ると考えています。

ビットコインマイナー2銘柄を比較

トダロ氏は、最も著名な2つのビットコインマイナーであるライオット・プラットフォームズ (NASDAQ:RIOT)とマラソン・デジタル (NASDAQ:MARA)を詳しく調べ、優れた方を示しています。では、それがどちらなのか調べてみましょう。TipRanks データベースを使い、ニーダムの分析に対するウォール街の見方も確認します。

ライオット・プラットフォームズ

最初に紹介するのは、コロラド州に本社を置く垂直統合型ビットコインマイニング企業、ライオット・プラットフォームズです。同社は主に、ビットコインのブロックチェーンをサポートするためのビットコインマイニングに焦点を当てています。

同社は、テキサス州ロックデール(ロックデール施設)とテキサス州ナバロ郡(コルシカーナ施設)で、大規模なビットコインマイニングのための包括的インフラを提供しています。同社によれば、ロックデール施設は北米で最大の単一ビットコインマイニング施設であり、拡張計画が進行中です。さらに、同社はコルシカーナ施設の開発を進めており、完成時には約1ギガワットの容量を持つ見込みです。

同社の事業は3つのセグメントに分かれています。ビットコインのセルフマイニング、マイナー向けのデータセンターホスティング、電気部品や液浸冷却技術などのマイニング用機器の製造です。

マイニング事業は順調に拡大

昨年末時点で、ビットコインマイニング事業は112,944のマイナーが稼働しており、総ハッシュレート(採掘速度)能力は12.4エクサハッシュ/秒(EH/s)で、2022年末時点の9.7EH/sから28%増加しています。同社は2023年を通じて6,626ビットコインを採掘し、2022年に採掘された5,554ビットコインと比較して19.3%増加しました。2024年末までに、同社は総ハッシュレートが約28EH/sになると予想しています。

以上により、昨年通期の収入は前年比8.3%増の2億8,070万ドルとなり、コンセンサス予想を766万ドル下回りました。しかし、 GAAP(米国会計基準) EPS(1株当たり利益)は-0.28ドルで、予想を0.69ドル上回りました。

低コスト体質、クリーンなバランスシートを評価

トダロ氏は、ライオットに対して強気である3つの理由を次のように説明しています。「1)低コストのプロバイダーであること。ライオットは今日の一般市場で最も低コストのビットコインマイナーの1つ。2) クリーンなバランスシート。ライオットは企業債務がなく、上場同業他社の中で最大の現金および現金等価物のポジションを維持している。3) ライオットの株式は、セクターが打ちのめされる中、プレミアムで取引されている」

トダロ氏はライオット株に「買い」レーティングを付け、目標株価は18ドルで、今後12カ月で25%の上値余地を示唆しています。

ライオット・プラットフォームズ株の目標株価は?

ほとんどのアナリストが、トダロ氏に同意しています。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が7人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の18.94ドルは、今後12カ月で31%の上値余地を示唆しています。

マラソン・デジタル

次は、ハッシュレートでは米国最大のビットコインマイナーであり、時価総額でも最大で、現在約60億ドルとなっているマラソン・デジタルです。同社は2017年にカナダで暗号資産マイニングを開始し、2020年に米国に進出しました。以来、サードパーティのデータセンター・ホストを利用したアセット・ライト・モデルを中心に事業を展開し、同社のマイニングリグ(仮想通貨マイニングに使われる専用機材)は3大陸にまたがる11の拠点に設置されています。

2023年末時点で、マラソンは約21万個のマイニングリグを稼働させており、それぞれの設置ハッシュレートは約25.2EH/s、通電ハッシュレートは約24.7EH/sです。今年のハッシュレートは35~37エクサハッシュ、来年末には現在の約2倍の50エクサハッシュに達すると予想されています。

マイナーの中で最も多くのビットコインを保有

また、マラソンはマイナーの中で最も多くのビットコインを保有しており、1月末時点で合計15,741BTCの制限なしビットコインを保有しています。とはいえ、運営コストを賄うために保有資産を売却することもいといません。そのため、2023年第4四半期には、その期間に生産したビットコインの56%を売却しました。

同四半期の総採掘量は4,242ビットコインに達し、第3四半期の3,490ビットコインを上回り、前年同期に創出した1,562ビットコインの172%増となりました。通年では12,852ビットコインを採掘し、2022年比で210.1%の増加となりました。

第4四半期の収入は1億5,670万ドルで、前年同期比451.4%の大幅増となり、コンセンサス予想を1,127万ドル上回りました。しかし、調整後EPSは-0.02ドルと予想に0.04ドル届きませんでした。

半減期接近で慎重な見方

トダロ氏は、マラソンはいくつかの指標ではトップであるにもかかわらず、半減期が近づくにつれ、同社の見通しをより慎重に見ています。

「マラソンは過去2年間、ハッシュレートで最大のビットコインマイナーに成長しました。この間、同社はビットコイン残高の蓄積と同業他社に対する歴史的なバリュエーションプレミアムの恩恵を受けています。マラソンのような高コストの採掘業者にとって、今後のビットコインの半減は混乱リスクを意味すると考えます。このため、2024年の半減期が終わるまでは、上値は限られると考えています」

トダロ氏は、「ホールド(=中立)」レーティングを付け、目標株価を定めず、傍観を続けています。

マラソン・デジタル株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が2人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価は27ドルで、アナリストは当面はレンジ相場が続くと予想しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Riot Platforms or Marathon Digital: Needham Chooses the Superior Bitcoin Stock to Buy原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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