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パランティアとアルファベット:優れたテック株はどちらか?

ストーリーハイライト

パランティア・テクノロジーズ(PLTR)はテクノロジー業界では比較的新しい企業で、アルファベット(GOOGL)は長期的に堅実さを維持しています。2銘柄を詳しく見てみると、パランティアについては中立的な見方、アルファベットについては強気な見方が妥当であることが分かります。

パランティアはビッグデータ分析を専門としており、アルファベットは検索エンジンのグーグルを所有する持株会社であり、Google PlayやYouTubeでアプリやコンテンツを販売しています。アルファベットはまた、クラウドサービス利用料、ライセンス収入、Chromebookなどのハードウェア製品からも売上を得ています。

パランティアの株価、年初来で80%急騰、アルファベットは19%上昇

パランティアの株価は年初来で80%急騰しており、過去12カ月間では111%上昇して2倍以上になりました。一方、アルファベットの株価は年初来で19%上昇し、過去12カ月間では27%上昇しています。

年初来のパフォーマンスに劇的な違いがあるため、両社のバリュエーションに大きな差があることは驚くことではありません。両社の株価収益率(PER)を比較してみます。

なお、テクノロジー業界の平均PERは46.3倍で、3年平均は39.3倍です。

パランティア・テクノロジーズ

パランティアのPERは182.3倍で、業界平均と比較すると大幅に割高に見えます。予想PERは80.3倍と下がるのでやや魅力的に見えますが、この銘柄は今まさに過熱気味なので、より魅力的なバリュエーションになるまで中立的な見方が適切とみられます。

AIの可能性に牽引され、バリュエーションは年初来で急上昇

パランティアは主にクラウドまたはSaaS(サービスとしてのソフトウェア)銘柄ですが、AI(人工知能)の可能性に牽引され、バリュエーションは今年に入って急上昇しています。8月初旬には、同社はAIプラットフォームの好調を理由に、通年の売上高見通しを上方修正しました。これは今年2度目の上方修正となります。

パランティアは、基本的には以前のアルファベットのような存在です。投資家は喜んでそのバリュエーションを際限なく押し上げています。しかし、パランティアはまだアルファベット的な存在ではありません。いずれ減速せざるを得ないでしょう。このため、今は様子見の姿勢が最善と考えられます。

パランティア・テクノロジーズ株の目標株価は?

TipRanksによれば、パランティア・テクノロジーズ株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が3人、「中立」が5人、「売り」が6人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価は25.42ドルで、今後12カ月で17.97%の下値余地を示唆しています。

アルファベット

アルファベットの現在のPERは24.2倍で、3月以降これほど割安な水準にはなっていないので、この優良株の押し目買いの好機を示唆しています。したがって、強気な見方が適切と思われます。特に、長期保有に適した株式と考えられるためです。

直近四半期ではクラウド事業の四半期売上高が初めて100億ドルを超え、総売上高847億ドルの3分の1以上を占めました。このように、アルファベットは幅広いテクノロジーセクターに多角的に展開しているとはいえ、クラウド事業が中心です。

2019年10月以降、PERの下限から中間付近で推移

アルファベットのバリュエーションについては、2019年10月以来、PERの下限から中間付近で推移しています。2022年11月の約17倍から2021年4月の39倍まで変動しています。したがって、現在はアルファベットの株式を買い増すタイミングと考えられます。少なくとも、すでに構築されたポジションをさらに増やすには良い時期とみられます。

アルファベットの長期的な株価上昇を振り返ると、この銘柄が長期保有に適している理由が分かります。同社は優良銘柄としての地位を確立しており、買い持ちすべき銘柄だと言えるでしょう。

さらに、アルファベットの株価は過去3年間で15%上昇していますが、これはテクノロジー株全般にとっては困難な期間でした。株価は過去5年間で183%、過去10年間で463%上昇しており、これは、テクノロジーセクター全体にとって困難な期間であっても、アルファベットの一般的な傾向は、右肩上がりであることを示しています。

アルファベット株の目標株価は?

TipRanksによれば、アルファベット株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が28人、「中立」が7人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は205.03ドルで、今後12カ月で24.50%の上値余地があることを示唆しています。

結論

パランティアは長期的に保有する価値のある銘柄となる可能性もありますが、現在のバリュエーションは単に先走りしすぎているとみられます。アルファベットと同様に、パランティアも過去3年および過去5年で素晴らしいパフォーマンスを上げていますが、パランティアは2021年2月に株価が1株あたり30ドルを超えた後、すぐに調整局面を迎えました。したがって、投資家は変動性の高まりに注意する必要があります。

重要なのは、パランティアは成長株のように評価されているのに対し、アルファベットはバリュー株または優良株の領域に移行していることです。しかし、アルファベットは優良株としての地位から、現時点では無視できないほど割安とみられます。したがって、両社のバリュエーションを比較すると、この組み合わせではアルファベットが明確な勝者であるとみられます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、PLTR vs. GOOGL: Which Technology Stock Is Better?原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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