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「パーフェクト10」のトップスコアで大きな成長が期待できる2銘柄

ストーリーハイライト

株式市場が記録的な高水準にある今、巨大企業が市場を牽引しており、小さなチャンスを見落としがちです。しかし、賢明な投資家であれば、今、美しい芽に気づくでしょう。

そんな銘柄を見つけるには、多少のリスクは覚悟の上で、あまり注目されていないセクターに目を向ける必要があります。旅行、エネルギー、ヘルスケア、レジャーといった分野ですが、勝ち組銘柄を見つけるのは難しいものです。

TipRanksのスマートスコアとは?

そこで注目すべきは、TipRanksのスマートスコアです。このデータツールは、AIと自然言語処理を組み合わせて、日々の数百万件の株式取引から生み出される大量のデータを精査し、そのデータを使って公開されている銘柄を格付けしています。

各銘柄は、将来のアウトパフォームとの相関関係が実証された一連の要因と比較され、1から10までの評価、つまり単純なスコアが与えられます。8から10は、「アウトパフォーム」相当となり、「パーフェクト10」の銘柄は、歴史的に市場全体のパフォーマンスを大きく上回る傾向があります。

このことを念頭に、TipRanksのデータベースにアクセスし、このようなトップスコアの2銘柄に対するウォール街の幅広い見方を調べてみました。アナリストのコンセンサス評価は「強気買い」で、大きな上値余地を見ており、スマートスコアの「パーフェクト10」と合わせると、この組み合わせは投資家の精査に値します。以下はその概要です。

コパ・ホールディングス (CPA)

最初の銘柄は航空会社です。コパ・ホールディングスはラテンアメリカ航空市場の大手航空会社で、2つの重要な子会社を通じて事業を展開しています。大きい方のコパ航空はパナマに本拠を置き、中南米、カリブ海地域、北米で事業展開する国際航空会社です。小さい方のウィンゴ航空は、主にコロンビアで事業展開する格安航空会社です。親会社のコパ・ホールディングスはコロンビアに本社を置いています。

コパ・ホールディングスの直近の航空輸送実績は、12月と1月で大きく異なっています。12月は、利用可能座席マイルが前年比9.3%増の25億マイル、売上高旅客マイルが同10.6%増となりました。1月には一転してこの数字が減少し、利用可能座席マイルは3.8%減の22.7億マイル、売上高旅客マイルは5.9%減となりました。

ボーイング737 MAX航空機の運航停止が痛手に

最近、ボーイング737 MAXシリーズの航空機が安全上の理由で運航停止になったことが、コパ航空に影響を及ぼしています。コパ航空はここ数年、機材の近代化を図るため、MAXシリーズを多数購入してきました。

コパにとってプラス材料は、2023年第4四半期決算で売上高、利益ともにアナリスト予想を上回ったことです。売上高は9億1,690万ドルで、前年同期比3%増、予想を約2,880万ドル上回りました。非GAAP(米国会計基準)調整後EPS(1株当たり利益)は4.47ドルで、予想を58セント上回りました。

四半期配当の大幅増額を開始

リターン志向の投資家にとって興味深いのは、コパが四半期配当の大幅増額を開始したことです。同社は、新型コロナパンデミック時に配当が停止されるまで、定期的に配当を行ってきた経緯があります。2023年に1株当たり82セントで支払いが再開されました。次回の配当は1株当たり1.61ドルで、3月15日支払いです。新配当は年率換算で6.44ドルで、予想配当利回りは6.5%です。

バンク・オブ・アメリカのアナリスト、Rogerio Araujo氏は、コパの当面の見通しについて明るい見方をしています。同氏は、必要であれば運賃の値上げによって利幅を拡大する余地は十分にあり、株価の上昇余地があると見ています。

Araujo氏は、「買い」レーティングを付け、170ドルの目標株価は、今後12カ月で72%の上値余地を示唆しています。

コパ・ホールディングス株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が4人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の162.40ドルは、今後12カ月で62%の上値余地を示唆しています。

ウラニウム・エナジー (UEC)

次はウラン鉱山会社です。ウラニウム・エナジーは、北米でISR(水溶液(硫酸や過酸化水素水等)を注入し、ウランを溶解させて地上に汲み上げる採掘方法で、環境負荷や採掘コストが低い)と従来型の採掘プロジェクトを組み合わせて運営し、原子力産業向けに使用可能なウランを生産しています。

現在、テキサス州、ニューメキシコ州、アリゾナ州、ワイオミング州で活発な開発・採掘プロジェクトを行っており、北米で最も急成長しているウラン採掘会社です。

テキサス州南部とワイオミング州で生産開始に向け準備進める

ウラニウム・エナジーの主な開発活動は、テキサス州南部とワイオミング州にあるISRの生産開始に向けた準備です。テキサス州の現場は、多数のドリルホールで有望性が示されています。ワイオミング州では、同社のプロジェクトは12の地域に分かれており、豊富な回収可能ウラン資源があることが示されています。ワイオミング州のプロジェクトは今年8月に生産を開始する予定です。

米国内での現在の生産量を上回るウラン化合物の生産を見込む

ウラニウム・エナジーは、全体で年間850万ポンド(約386キログラム)以上のU3O8(ウラン化合物で、主に原子力発電燃料となる濃縮ウランを作る原料)を回収する能力があると主張しています。これは、現在米国内で生産されている量を上回る能力です。この生産量を達成することで、同社は、米国の発電用原子力発電所に対して、低コストかつ比較的低資本の燃料を供給する主要企業となる可能性があります。

H.C.ウェインライトのセクター専門家のHeiko Ihle氏は、この銘柄の今後の堅実な見通しに注目しており、ワイオミング州およびテキサス州での大きな成長可能性を見ています。

同氏は、「買い」レーティングを付けており、目標株価の9.75ドルは、今後12カ月で53.5%の上値余地を示唆しています。

ウラニウム・エナジー株の目標株価は?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、4人のアナリスト全員が「買い」を付けており、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の10.09ドルは、今後12カ月で59%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、TipRanks’ ‘Perfect 10’ List: 2 Top-Scoring Stocks With Plenty of Growth on Tap原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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