ストーリーハイライト
パロアルトネットワークス(PANW)は、サイバーセキュリティのリーディングカンパニーとしての地位を確立しており、辛抱強く投資を続ける投資家にとって長期的に魅力的な投資機会を提供しています。
調査会社ポラリス・マーケット・リサーチは、世界のサイバーセキュリティ市場は、2030年まで年平均成長率(CAGR)9.7%を維持すると予測しています。業界の成長に伴い、パロアルトネットワークスの株価は過去5年間でほぼ400%上昇しました。2024年は低調なスタートを切りましたが、既に年初の下落分をかなり取り戻しており、長期的な株価上昇に向けた態勢が整いつつあります。
サイバー攻撃が増加
サイバー攻撃の増加傾向が続けば、パロアルトネットワークスのテクノロジーに対する需要が高まります。ハッカーがデータベースに侵入し、貴重な情報を入手したいという動機は強いです。ハッカーは、利益を得るために多くの方法を持っています。クレジットカード情報や機密データを盗み、ダークウェブで販売できます。また、ハッカーは機密情報へのアクセスを遮断し、重要なフォルダ、データ、その他のリソースへのアクセス権と引き換えに暗号通貨で身代金を要求することもあります。
ランサムウェアによる恐喝行為は50%以上増加
パロアルトネットワークスの2024年度第4四半期(5-7月期)のプレゼンテーションでは、ランサムウェアによる表立った恐喝行為が2022年から50%以上増加していることが言及されています。同社によれば、多くのサイバーセキュリティ侵害が数百万ドルの損害をもたらしているおり、さらに一部のハッキングが数十億ドル規模の影響をもたらしています。
企業が深刻な情報漏洩を経験した後に信頼を回復するのは難しく、ハッキングによっては企業が一時的に事業を継続できなくなることもあります。
サイバー攻撃でMGMのカジノの一部が閉鎖
例えば、MGMのカジノの一部はサイバー攻撃中に閉鎖され、ラスベガスのホテルには長蛇の列ができました。サイバー攻撃の直後、MGMは攻撃により1億ドルの損失が出たと言われています。
企業にとって、優れたサイバーセキュリティは必須であり、もはやオプションではありません。サイバーセキュリティ関連の株式はすべて、こうした追い風から恩恵を受けるはずですが、パロアルトネットワークスほど恩恵を受ける企業はないでしょう。 同社はサイバーセキュリティ業界で最大の市場シェアを誇り、2位のフォーティネット(FTNT)に大きく差をつけています。
AIがもたらす課題と機会
人工知能(AI)は多くの業界で生産性を向上させ、パロアルトネットワークスなどのサイバーセキュリティ企業を支援しています。同社の投資家がAIに関して強気になる理由は2つあります。
まず、AIツールは、パロアルトネットワークスが消費者により良い製品やサービスを提供することを支援します。同社は、生成AIで有名なChatGPTが主流となるずっと前から、AIを活用しています。
AI、重要なアラートだけ生成、分析担当者の時間を節約
同社は、人々の時間節約などでAIを使用しています。例えば、同社の技術は、価値の低いアラートを生成することなく、重要なセキュリティイベントを特定します。重要なアラートのみを表示することで、分析担当者の時間を節約し、重要なイベントの優先順位付けが可能になります。
AIがパロアルトネットワークスの株価上昇を促す2つ目の理由は、ハッカーもまたAIを利用していることです。人々がAIを利用して生産性を向上させているように、ハッカーもAIを利用してより多くの企業を攻撃し、侵入しようとしています。
AIの能力により、パロアルトネットワークスの製品が強化される一方で、より多くのサイバー攻撃が可能になるため、ニーズの高まりが長期的には株価の上昇につながるとみられます。
プラットフォーム化が業績押し上げ
パロアルトネットワークスのプラットフォーム化への取り組みが功を奏し、業績が向上しています。これはアナリストが同社株に強気な理由のひとつです。同社がこの戦略を発表した当初はあまり注目されませんでしたが、プラットフォーム化は機能の統合と複雑性の低減により勢いを増しています。
2024年度第4四半期には、プラットフォーム化された顧客総数は1,000社以上となり、プラットフォーム化された顧客1社当たりの年間経常売上高は200万ドル以上でした。これは、2024年度第1四半期から10%以上増加しています。
プラットフォーム化は、2025年度の良好な業績見通しに大きく貢献し、売上高は91億ドル~91億5000万ドルと見込まれています。これは、前年比成長率が13%~14%になることを示唆しています。プラットフォーム化は、その採用と継続的な収益モデルにより、今後も同社の長期的な財務実績を押し上げるとみられます。
パロアルトネットワークス株は「買い」か?
TipRanksによれば、パロアルトネットワークス株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が32人、「中立」が6人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。また、平均目標株価の389.05ドルは、今後12カ月で9.7%の上値余地を示唆しています。一部のアナリストはより楽観的であり、最高目標株価の420ドルは18%の上値余地を示唆しています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Why Palo Alto Networks (PANW) Is Positioned for Long-Term Growthの原文翻訳を中心にまとめています。
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