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新興国フィンテック大手のパグセグロ、南米で強固な地位を確保へ

ストーリーハイライト

新興国におけるフィンテックのリーディングプロバイダーとしての地位と記録的な業績を誇るパグセグロ・デジタル(PAGS)は、急速に拡大するデジタル決済分野でさらなる成長可能性を秘めています。

パグセグロ・デジタルは、特にブラジルで大きな可能性を示しています。同社は総決済額(TPV)と顧客ベースの大幅な前年比増を達成しています。デジタル決済が世界的に勢いを増す中、パグセグロが南米でより強固な市場ポジションを確保する可能性は明白です。

パグセグロの株価は過去1年間で21%上昇していますが、競合他社よりも割安で取引されており、今後も成長の余地があるとみられます。

同社は、金融テクノロジーや新興国へのエクスポージャーに関心のある長期投資家にとって、魅力的な選択肢となる可能性があります。

幅広いサービスを提供

パグセグロは、複数の市場で事業を展開する金融サービス企業です。消費者、個人起業家、小規模商店、中小企業を対象としています。同社のサービスには、預金や債務管理から送金やPOS決済に至るまでのデジタルバンキングソリューション、デビットカード、クレジットカード、現金、プリペイドカードの提供が含まれます。

最近の財務実績と見通し

同社は、2024年第2四半期(4-6月期)に重要な分野において著しい進歩を遂げたと報告しました。TPVは1,244億レアルを超え、前年同期比で34.2%増と目覚ましい伸びを示しました。現金による入金は52.1%増の764億レアルとなり、過去最高を記録しました。さらに、総預金残高は87.2%と急増し、342億レアルに達しました。

これらの驚異的な営業実績は、堅実な財務実績につながり、総収入は19.1%増の45億5,700万レアルに達し、粗利益率は21.7%拡大しました。これにより、GAAP(米国会計基準)および非GAAPベースの両方で、純利益と1株当たり利益(EPS)が過去最高を記録しました。純利益は30.5%増の5億4,200万レアル、EPSは31.5%増の1.68レアルとなりました。

最近の業績を踏まえ、経営陣は通年のガイダンスを上方修正し、TPVは4,800億レアル~5,050億レアルに達する見込みであると発表しました。粗利益率のガイダンスは40%以上を維持しています。非GAAPベースの純利益は21億レアル~22億レアルの範囲になる見込みで、事業拡大に伴い今四半期の投資額は増加したものの、資本支出は変わらない見通しです。

パグセグロの株価売上高倍率(PSR)は1.8倍で、ソフトウェア・インフラ業界の平均9.2倍を大きく下回っており、割安感があるように見えます。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、パグセグロ・デジタル株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が5人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は15.07ドルで、今後12カ月で42.17%の上値余地を示唆しています。

結論

デジタル決済がますます普及する中、パグセグロ・デジタルは南米で強固な市場シェアを確保する絶好の位置につけています。最近の業績は有望で、過去最高のTPV、現金受入額、預金残高の増加を記録しています。

この1年で株価は上昇していますが、引き続き割安な状態が続く見込みで、将来的な成長可能性を示唆しています。金融テクノロジーセクターと新興国へのユニークな投資機会を求める投資家にとって、パグセグロは魅力的な選択肢となる可能性があります。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、PagSeguro Digital (PAGS) Secures its Strong Position in South America原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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