ストーリーハイライト
2024年の年初は、S&P500指数とナスダック総合指数が急落する波乱の幕開けとなりました。しかし、ウォール街の老舗投資銀行・証券会社オッペンハイマーのチーフ投資ストラテジスト、ジョン・ストルツファス氏は、経済データの改善は、FRBによるインフレ率低下への取り組みが成功しているとの認識を裏付けるものであり、今年は逆風が収まる可能性があると指摘しています。
今年の株価はさらに上昇へ
「当社の予想では、今年の株価はさらに上昇すると見ています」と、ストルツファス氏は述べています。とはいえ、昨年から持ち越された問題に加え、新たな課題が混在していく年になると同氏は指摘しています。
このような背景から、オッペンハイマーのアナリストは2024年のトップピックを2つ挙げています。TipRanksの最新データによると、この2銘柄はいずれも他のアナリストから「強気買い」の評価を得ています。詳しく見てみましょう。
スノーフレイク (SNOW)
スノーフレイクは、米国のクラウドベースのデータウェアハウス関連企業で、同社のプラットフォームは、顧客が様々なデータを単一のソースに統合することを可能にします。スノーフレイクの「データクラウド」は、パブリッククラウドサービスとグローバルネットワークのパワーをデータ管理に活用することで、小規模な顧客であっても、ほぼ無制限のスケールの恩恵を享受し、最大限の効率化が図れます。
データクラウドにより、企業ユーザーは、サイロ化されたデータ記録を統合し、ビジネス・セグメント間でデータを共有し、最新のデータ分析を最も効率的に利用し、複数のパブリック・クラウド・システム間ですべてをシームレスに行うことができます。
スノーフレイクは、約8,500社の企業顧客を誇り、そのうち436社に対しては過去12カ月間のプロダクト売上がそれぞれ100万ドル以上で、さらに647社はフォーブス2000企業です。2024年年初の最新データでは、スノーフレイクのプラットフォームは1日39億件以上のクエリを処理し、同社には37億ドル以上の履行義務(つまり受注残)が残っています。
スノーフレイクの株価、昨年はS&P500指数をアウトパフォーム
スノーフレイクの株価は過去1年間、S&P 500指数をアウトパフォームしており、過去12カ月で同指数の24%上昇に対し、約38%上昇しました。直近の2024年度第3四半期(2023年8-10月期)決算は堅調で、売上高は前年同期比32%増の7億3,420万ドルで、アナリスト予想を2,000万ドル以上上回りました。非GAAP(米国会計基準)ベースのEPS(1株当たり利益)は25セントで、前年同期の11セントを大きく上回り、そして予想も9セント上回りました。
オッペンハイマーの5つ星アナリスト、Ittai Kidron氏は、スノーフレイクが良い年を迎えるべきいくつかの理由を挙げています。
マクロ環境の改善、米連邦政府部門のおけるプレゼンス拡大などが追い風に
「当社は、スノーフレイクを2024年のトップピックのひとつに挙げています。今年と来年の見通しに上振れをもたらす可能性がある複数の追い風が吹いていると考えています」とKidron氏は述べています。追い風には、マクロ環境の改善、米連邦政府部門のおけるプレゼンスの拡大、新製品の投入などが含まれます。
TipRanksによってウォール街の株式専門家ベスト50に選ばれているKidron氏は、スノーフレイク株に「アウトパフォーム(=買い)」レーティングを付けており、240ドルの目標株価は、今後12ヶ月で30%の上値余地を示唆しています。
この銘柄に対する「強気買い」のコンセンサス評価は、過去3カ月間のアナリストレーティングによって裏付けられており、「買い」が24人、「中立」が8人です。平均目標株価は215.10ドルで、今後12カ月で17%の上値余地を示唆しています。
TモバイルUS (TMUS)
次は、米国の主要モバイル通信企業であるTモバイルです。1994年に設立された同社は、5Gワイヤレスサービスの提供において全米のリーダー的存在となっており、米国本土48州全域に加え、アラスカ、ハワイ、プエルトリコ、米領バージン諸島で5Gを提供する唯一のワイヤレスネットワークプロバイダーです。
Tモバイルは、5G市場での確固たるリードとともに、米国の地方およびビジネス無線市場での地位向上にも取り組んでいます。農村部向けワイヤレスでは5,000万世帯、企業向けワイヤレスでは5,000万を超える企業の中枢回線を対象としています。Tモバイルは、2025年までにこれらのセクターで20%の市場シェアを獲得することを目指しています。
総顧客数、1億1,790万で過去最高
同社の規模は、1億1,790万という数字ひとつでわかります。これは2023年第3四半期末のTモバイルの総顧客数です。これは同社にとって過去最高であり、すべてのセグメントで増加しました。その中でも特筆すべきは、55万7,000件の高速インターネットの純増(合計420万件の高速インターネット顧客)です。
顧客数が増加したことは良かったのですが、財務面では複雑な結果となりました。当四半期の売上高は192億5,000万ドルでしたが、アナリスト予想を1億2,000万ドル下回りました。一方、最終損益は改善しました。GAAPベースのEPSは1.82ドルで、前年同期から1.42ドル増加し、予想も10セント上回りました。調整後フリーキャッシュフローは、前年同期比94%増の40億ドルに達しました。
5G分野でのリードと堅実なキャッシュフローを評価
オッペンハイマーのもう一人の5つ星アナリスト、Timothy Horan氏がTモバイルに注目しました。Horan氏は、Tモバイルの5G分野でのリードと堅実なキャッシュフローを評価し、「Tモバイルは5Gの構築とカバレッジで他社をリードしており、地方と企業でシェアを拡大し続けています」と述べています。
同氏は、「アウトパフォーム(=買い)」レーティングを付け、目標株価の190ドルは今後12カ月で17%の上値余地を示唆しています。
過去3カ月間のアナリストレーティングは、14人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の187.07ドルは、今後12カ月で最大15%の上値余地を示唆しています。
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本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Oppenheimer Says These 2 ‘Strong Buy’ Stocks Are Top Picks for 2024原文の翻訳を中心にまとめています。
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