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アナリスト、ナイキとアディダスに対する新興ブランドの挑戦に注目

ストーリーハイライト

ナイキ(NYSE:NKE)やアディダス(GB:0OLD)(ADDYY)のような老舗アスレチックフットウェア大手に対して、新興ブランドが手ごわい挑戦を行っています。ロイター通信の報道によると、スイスのランニングシューズ・メーカーのオン・ホールディング(NYSE:ONON)や、米デッカーズ・アウトドア(NYSE:DECK)傘下のランニングシューズ「HOKA」などの新興ブランドは、その機能とスタイルが消費者に歓迎され、小売店の棚スペースを拡大しつつあります。

同報道は、モーニングスター・リサーチのアナリスト、David Swartz氏のコメントを引用し、ナイキとアディダスはイノベーションの面で新興ブランドに対して後れを取っていると指摘しています。

ナイキとアディダス、競争の激化に直面

さらに、米国でスポーツ用品小売チェーンを展開するディックス・スポーティング・グッズ(NYSE:DKS)のフットウェア・カテゴリーにおけるオンの市場シェアは、年初の0.8%から6.1%に急上昇しています。また、HOKAは同期間に4.2%から8.7%に上昇しています。対照的に、ナイキとアディダスの市場シェアは一貫して低下しています。

ナイキとアディダスは競争の激化に直面しています。両社に対するアナリストのコンセンサス評価を見てみましょう。

ナイキ株の今後の見通しは?

ウォール街は、ナイキ株について慎重ながらも楽観的です。ナイキは、在庫の改善、新製品の投入、消費者直販ビジネスへの注力、サプライチェーンとデジタルフルフィルメント(eコマースにおける受注から配送までの業務全体)コストの構造改善から恩恵を受けるとアナリストは予想しています。さらに、ナイキのブランド力は平均販売価格の上昇を可能にしており、これが収益のクッションになると見ています。

こうしたプラス面はあるものの、ナイキの経営陣は、ランニングシューズカテゴリーにおける製品革新を通じて消費者とつながることが困難になっている認めています。同社はこの課題に引き続き取り組んでいますが、競争の激化は依然として足かせとなっています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が18人、「中立」が11人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価118.08ドルは、今後12カ月で6.99%の上値余地を示唆しています。

アディダス株の見通しは?

アディダスは北米で苦戦を強いられています。2023年第3四半期決算に関する電話会議で、経営陣は、米国の在庫水準が依然として問題であることを強調しました。これは、同地域における当面の売上高を圧迫する可能性が高いです。さらに、新興ブランドとの競争激化がさらなる困難をもたらしています。

ナイキと同様、アナリストはアディダス株について慎重ながらも楽観的です。過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価202.54ドルは、今後12カ月で91.78%の上値余地を示唆しています。

結論

ナイキとアディダスがアスレチックシューズ市場を支配し続けている一方で、新興ブランドが大きな脅威となっています。ウォール街のアナリストは、ナイキとアディダスについて慎重ながらも楽観的ですが、投資家は投資前には慎重になるべきと示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、NKE, ADDYY Stocks: Upstart Brands Pose Challenges原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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