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AI関連ソフトウェア株比較で勝者は?

ストーリーハイライト

パランティア・テクノロジーズとサービスナウはともに人工知能(AI)への高まる注目の恩恵を受けていますが、株価はどの程度まで上昇する可能性があるのでしょうか?詳しく見ていきます。

この記事では、TipRanks の比較ツールを使って、パランティア・テクノロジーズ (Palantir Technologies, PLTR) とサービスナウ (ServiceNow, NOW) の2つのソフトウェア銘柄を評価し、どちらが優れているかを調べました。詳しく見ると、両銘柄とも中立的な見方が多いものの、明確な勝者が浮かび上がります。

どちらもソフトウェア企業ですが、パランティア・テクノロジーズはビッグデータ分析に特化し、政府、機関、民間企業、非営利団体にサービスを提供しています。サービスナウは、デジタルワークフローの管理を支援するクラウドコンピューティング・ソリューションを企業に提供しています。

パランティアの株価は年初来で57%急騰し、12カ月リターンは36%となりました。一方、サービスナウの株価は年初来で14%、過去1年間で39%上昇しました。

両社の年初来の株価上昇にこれほど大きな差がある以上、両社のバリュエーションに大きな開きがあるのは当然です。ここでは、各社の株価収益率(PER)を比較し、互いのバリュエーションや業界のバリュエーションを測ってみます。

なお、アプリケーション・ソフトウェア業界のPERは101倍で、3年間の平均は151倍です。

パランティア・テクノロジーズ (PLTR)

PERが211.8倍のパランティアは、バリュエーション面ではサービスナウをはるかに上回っていますが、予想PERでは80倍で比較的魅力的にみえます。パランティアは黒字化以降は185倍から256倍という一般的なバリュエーションレンジの上限で取引されているため、中立的な見方が適切と思われます。

パランティアは力強い成長を遂げ、AI戦略も加速させていますが、長期成長株に見られるような大きな成長率ではありません。最新四半期では、同社の売上高は前年同期比21%増でした。

高いバリュエーションは監視する必要あり

予想PERの問題は、将来の業績を保証するものではないということです。そのため、パランティアのような四半期売上高がまだ10億ドルにも達していない企業にとって、現在のこの高いバリュエーションは、エラーの余地がないため、監視する必要があります。そのため、今後の決算発表で株価が乱高下する可能性があります。

パランティアは8月5日に2024年第2四半期決算発表を予定しており、アナリストは、売上高6億5,246万ドル、調整後1株当たり利益(EPS)8セントを予想しています。前年同期は、売上高5億3,330万ドル、調整後EPSは5セントでした。

パランティア株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が3人、「中立」が5人、「売り」が6人で、コンセンサス評価は「中立」です。平均目標株価は22.42ドルで、今後12カ月で17.1%の下値余地を示唆しています。

サービスナウ (NOW)

サービスナウのPERは144.4倍で、業界平均よりは高いものの、パランティアよりはるかに合理的なバリュエーションと考えられます。そして予想PERは 55.5倍で、より魅力的です。ただ、株価は過去1年間、77倍から145.5倍のバリュエーションレンジの最上位で取引されているため、ニュートラルな見方が適切と思われます。

第2四半期の売上高は前年同期比22%増の26.3億ドルで、アナリスト予想の26.1億ドルを上回りました。調整後1株当たり利益(EPS)は36.13ドルで、予想の2.83ドルを上回りました。

生成AIにおけるサービスナウの重要性が「かつてないほど高まっている」というビル・マクダーモットCEOの発言は、確かに良いニュースです。ただ、サービスナウ株はAI株として、市場の極端な興奮や不合理な熱狂の影響を受けやすいため、ある時点では下落する可能性があり、買いの好機が生まれるでしょう。

サービスナウ株の目標株価は?

TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が27人、「中立」が1人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は870.04ドルで、今後12カ月で7%の上値余地を示唆しています。

結論

両社ともバリュエーション面では中立評価ですが、サービスナウのアナリスト評価はかなり強気です。サービスナウの成長率は大規模な売上高基盤に基づき非常に堅調であり、同社の株価はAIの誇大宣伝の恩恵を受けているものの、他の多くのAI企業ほど割高には見えません。

一方、パランティア・テクノロジーズは、特に四半期売上高がまだ10億ドルを超えていないことを考えると、割高に見えます。ポートフォリオに加える可能性を真剣に検討する前に、株価の大幅下落が必要とみられます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、PLTR vs. NOW: Which Software Stock Is the Better Buy?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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