ストーリーハイライト
ストリーミング配信大手のネットフリックス(Netflix, NFLX)の第2四半期決算は、会員数、売上高ともに加速度的な伸びを示し、競争激化にもかかわらず業界における同社の優位性が継続していることを浮き彫りにしました。株価は大幅に上昇したものの、バリュエーションは引き続き魅力的な水準にあります。
第2四半期決算:会員数増加の勢いに驚き
ネットフリックスの第 2 四半期決算で際立っていたのは、会員数と売上高の伸びが引き続き加速していたことです。この継続的な勢いを説明するため、過去10四半期におけるネットフリックスの有料会員数の前年同期比伸び率を見てみましょう。
- Q1 2022: 6.7%
- Q2 2022: 5.5%
- Q3 2022: 4.5%
- Q4 2022: 4.0%
- Q1 2023: 4.9%
- Q2 2023: 8.0%
- Q3 2023: 10.8%
- Q4 2023: 12.8%
- Q1 2024: 16.0%
- Q2 2024: 16.5%
ネットフリックスの成長加速は、2022年から2023年にかけてのペースの鈍化に加え、同社のアカウント共有抑制に向けた取り組みによるものと主張する人がいるかもしれません。とはいえ、数四半期にわたる持続的な加速は、より深い傾向を示唆しています。つまり、ネットフリックスはストリーミング市場における優位性を固めつつあります。
他のストリーミング大手は会員数維持にも苦戦
この傾向は、加入者数の増加どころか、その維持にも苦戦している他のストリーミングサービスと比較すると、より明白になります。例えば、Disney+の2024年第2四半期の会員数は1億5,360万人で、前年同期の1億5,780万人から減少しています。同様に、ピーコックの米国における有料会員数は、2024年第1四半期の3,400万人から2024年第2四半期には3,300万人に減少しました。
これとは対照的に、ネットフリックスは引き続き堅調な伸びを示しており、世帯が主なストリーミングサービスとしてネットフリックスに引き寄せられる一方で、他の副次的な契約を解約している可能性を示唆しています。
売上高の伸びは会員数の伸びと広告付きプラン追加を反映
ネットフリックスの第 2 四半期の売上高は、会員数の伸びを反映する一方、まだ比較的新しい広告付きプランの恩恵を受けています。同期の売上高は約95.6億ドル、前年同期比16.8%増となり、四半期としては過去12四半期で最高の売上高の伸びとなりました。
経営陣は、広告付きプランの1アカウントあたりの視聴時間は1日あたり約2時間に達しており、これは広告なしプランで記録されたエンゲージメントに匹敵するとコメントしています。
ここで注目すべき点は2つあります。1つ目は、広告付きプラン層は、これまで全くお金を払おうとしなかった層から未開拓の売上高をもたらしていることです。2つ目は、同社が広告在庫を拡大し、質の高い広告主を増やし続けているため、正規会員部門と広告プラン部門の間のギャップは、実際には大きな売上成長の機会を表していることです。
バリュエーションは堅調な株価上昇にもかかわらず依然魅力的
ネットフリックスの株価は過去1年間で43%上昇しています。しかし、同社の第2四半期決算を受けて、バリュエーションが依然として魅力的であると主張するのは難しいことではありません。売上高の大幅な再加速と拡張可能なユニットエコノミーが、さらに大幅な収益成長につながりました。
具体的には、第2四半期の純利益は44.3%増の21億5000万ドルでした。コンセンサス予想では、通期EPS(1株当たり利益)は19.15ドルで、前年比59.2%の大幅増益となります。
この予想に基づけば予想PER(株価収益率)は約33倍となりますが、基本的な業績の伸びとストリーミング分野での明確な優位性を考えれば、ひどく高いわけではではありません。アナリストは、EPSは今後数年間、年率約20%で成長し続けると予想しており、このPERは容易に正当化され、更なる上昇も可能とみられます。
アナリストによれば、ネットフリックス株は「買い」か?
TipRanksによれば、ネットフリックス株の過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が23人、「中立」が12人、「売り」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は704.97ドルで、今後12カ月で13.2%の上値余地を示唆しています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Netflix Stock (NASDAQ:NFLX): Membership Growth Acceleration to Fuel Gains原文の翻訳を中心にまとめています。
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