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「強気買い」メガキャップ・テック株で、最も高いリターンが期待できるのは?

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堅実なメガキャップ株をポートフォリオに加えれば、長期的なリターンが期待できます。ここでは、ウォール街アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」のメガキャップ・テック株3銘柄を取り上げます。

株式市場のボラティリティが投資家の判断の重石となり続ける中、確立されたビジネスモデル、堅実なファンダメンタルズを持ち、各業界のトッププレーヤーであるメガキャップ株(時価総額2,000億ドル超の銘柄)を検討することは賢明でしょう。TipRanksの株式比較ツールを使って、アップル (NASDAQ:AAPL)、アマゾン・ドット・コム (NASDAQ:AMZN)、エヌビディア (NASDAQ:NVDA)を比較し、ウォール街のアナリストが最も魅力的と見ているメガキャップ・テック株を探しました。

アップル株 (NASDAQ:AAPL)

iPhoneメーカーのアップルの売上高は、マクロ的な困難が一般消費者の高額商品への支出に影響を及ぼし、4四半期連続で減少しています。2023年第4四半期(2023年7-9月)決算は、iPhoneとサービスの売上高がMacとiPadの販売不振をかなり緩和したため、アナリスト予想を上回りましたが、アナリストは2024年第1四半期(2023年10-12月)のガイダンスに失望しました。

経営陣は第1四半期売上高が前年同期並みになると予想していますが、ウォール街は、重要なホリデーシーズン四半期には売上高が5%成長すると予想していました。経営陣のコメントは、マクロ的な圧力がアップル製品に与える影響が明確に示されました。

アップルは「買い」か、「中立」か、「売り」か?

11月21日にKeyBancのアナリスト、Brandon Nispel氏は、iPhoneの一部モデルの需要が減速していると指摘しました。KeyBancの10月の調査では、AppleのiPhone 15とPlusモデルの需要が大幅に減速していることが明らかになりましたが、iPhone 15 ProとPro Maxの健全な需要によって一部相殺されています。

さらにNispel氏は、店頭在庫が昨年のiPhone 14の在庫レベルを大幅に上回っていると指摘しています。また、KeyBancの早期データは、過去の傾向と比較してiPhoneの売れ行きが弱いことを反映しています。

全体としては、Nispel氏はアップルの第1四半期売上高が昨年並みに成長すると予想しています。同氏は、10月に製品のリリースがなかったことや、9月のiPhoneリリースが通常より遅かったことも、売上に打撃を与える可能性があると強調しています。

過去3カ月間のアナリストレーティングは、25人が「買い」、8人が「中立」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価201.99ドルは、今後12カ月で6.3%の上値余地を示唆しています。株価は年初来で46%以上上昇しています。

アマゾン・ドット・コム株 (NASDAQ:AMZN)

Eコマースとクラウドコンピューティングの巨人アマゾンは、厳しいマクロ環境にもかかわらず、2023年第1四半期から第3四半期にかけて予想を上回る業績を報告し、アナリストは歓迎しました。2023年第3四半期は、小売部門、クラウドコンピューティング部門のアマゾン・ウェブ・サービス(AWS)、広告事業が堅調な伸びを記録しました。

アマゾンは積極的なコスト削減と合理化策により、収益性を高めています。第3四半期の営業利益率は前年同期の2.0%から7.8%に拡大しました。経営陣は、AWS事業における人工知能(AI)の追い風、圧倒的なEコマース事業、広告売上の高成長に牽引され、今後の成長見通しについて楽観的です。

アマゾン株は今「買い」か?

今月初め、UBSのアナリスト、Lloyd Walmsley氏は、アマゾン株の目標株価を178ドルから180ドルに引き上げ、「買い」レーティングを再確認しました。同アナリストは、北米小売、海外小売、AWSの各セグメントで利益率が大幅に改善したことが、アマゾンの第3四半期の堅調な業績につながったと指摘しています。また、広告売上高の加速と第4四半期の明るい見通しを強調しています。

Walmsley氏と同様に、アマゾンを担当する他のアナリストも強気で、過去3カ月間のコンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価175.51ドルは、今後12カ月で約20%の上値余地を示唆しています。株価は年初来で75%上昇しています。

エヌビディア株 (NASDAQ:NVDA)

半導体大手のエヌビディアは、生成AIブームによる画像処理半導体(GPU)の需要急増のおかげで、今年驚異的な成長を遂げています。同社は先ごろ第3四半期決算を発表し、ウォール街の予想を上回りましたが、株主の高い期待には届かず、株価は決算発表後に下落しました。

また、投資家は、バイデン政権による中国への先端半導体輸出規制のエヌビディアへの影響を懸念しています。それにもかかわらず、同社は、「生成AIにより、ソフトウェアとハードウェアのTAM(実現可能な最大の市場規模)が、ここ数十年では見なかったほど大きく拡大している」と考えており、今後について非常に楽観的です。

エヌビディア株の目標株価は?

11月22日にJPモルガンのアナリスト、Harlan Sur氏はエヌビディアの目標株価を600ドルから650ドルに引き上げ、「買い」レーティングを再表明しました。Sur氏は、第3四半期の上振れは、より大きな売上高基盤によるものと強調しています。

Sur氏は、第4四半期ガイダンスで売上高が前四半期比10%増と経営陣が予想しているのは、AIイニシアチブをサポートするための顧客の旺盛な支出継続を反映していると補足しています。同氏は、第3四半期決算発表を受けて予想を上方修正しました。

ウォール街のアナリストレーティングは、「買い」30人、「中立」3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価660.39ドルは、年初来で227%という驚異的な上昇の後でも、今後12カ月で38.2%の上値余地を示唆しています。

結論

ウォール街は、ここで取り上げた3つのメガキャップ・テック株について非常に楽観的です。とはいえ、3大テックの中でアナリストが最も上昇率が高いと見ているのは、生成AIによる今年の年初来での大幅上昇の後でも、エヌビディア株です。TipRanksのスマートスコアシステムによれば、エヌビディアは「パーフェクト10」であり、長期的に市場全体をアウトパフォームする能力を持っています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、AAPL, AMZN, or NVDA: Which “Strong Buy” Mega-Cap Tech Stock Could Deliver the Best Returns?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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