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マクドナルド、第3四半期決算は予想を上回る

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大手ファストフードレストラン・チェーンのマクドナルド(MCD)は、アナリスト予想を上回る第3四半期決算を発表しました。調整後EPS(1株当たり利益)は前年同期比1%増の3.23ドルとなり、コンセンサス予想の3.20ドルを上回りました。

さらに売上高は3%増の69億ドルとなり、予想の68億2000万ドルを上回りました。しかし、既存店売上高は1.5%減少し、ウォール街予想の0.6%減よりも悪い結果となりました。

米での集団食中毒の売上高への今後の影響は?

米国の13州の店舗で発生した「クォーターパウンダー」バーガーに関連した腸管出血性大腸菌(O157)集団感染事件を受け、投資家の間では、米国での売上高に打撃を与える可能性があるのではないかという懸念が高まっています。先週金曜時点では、この集団感染事件で75人が感染し、高齢者1人が死亡しています。

CEOのクリス・ケンプチンスキー氏は、決算発表の電話会議でこの問題を取り上げ、投資家を安心させました。「事態は収束に向かいつつあり、第3四半期の業績には影響を与えていません。しかし、これは確かに重要な問題であり、皆さんの多くが心配されていることでしょう」と同氏は述べました。

第4四半期の見通しについては、特に消費者が外食先を選ぶ目が厳しくなっていることから、集団食中毒が米国の売上高に与える影響について依然として不透明な面があります。

四半期配当を増額

マクドナルドは四半期配当を6%増額し、1株あたり1.77ドルとしました。支払いは2024年12月16日です。また、同社は170万株の自社株を4億4400万ドルで買い戻しました。

今後の見通し

マクドナルドの経営陣は、2024年通期ではシステムワイド売上高(直営店とフランチャイズ店の合計売上高)の成長率に、純増レストラン数が約2%寄与すると予想しています。また、営業利益率は40%台半ばから後半になる見込みです。グローバルベースでは、2,100店以上のレストランを新規オープンする予定です。

マクドナルド株は「買い」か?

アナリストはマクドナルド株について依然として慎重ながらも楽観的な見方をしています。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が11人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。過去1年間に株価は15%以上上昇しており、平均目標株価の314.58ドルは今後12カ月で6%の上値余地を示唆しています。決算発表を受け、アナリスト評価は変更される可能性が高いでしょう。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、MCD Earnings: McDonald’s Tops Q3 Earnings but Comparable Sales Decline原文翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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