ストーリーハイライト
ファストフードの巨人マクドナルド (NYSE:MCD) は、2024年第1四半期決算で減速の兆しを見せ、ここ数週間で株価が下落しました。昨年と比較して成長軌道は緩やかになったものの、必ずしもこれが新たなトレンドを示すとは考えにくいとみられます。
今年の数字は2023年の好調な業績との厳しい比較に直面するため、成長の一服は予想されていました。2025年以降は回復が見込まれ、直近の株価下落は買いの機会を提供していると考えられます。
年初来でマクドナルド株は約8%下落しています。
第1四半期決算は厳しい比較に直面
第1四半期決算を見る上で最も重要な要素は、2023年の好調な業績との厳しい比較に直面していることです。昨年は、プロモーション、インフレに対する巧みな価格戦略、そして2022年業績との非常に緩やかな比較により、力強い収益成長を達成しました。
今年は、成長の一服が見込まれます。しかし、これは今年全く成長しないということではありません。実際、2024年は過去最高の売上高と利益を達成する年になると予想されています。
第1四半期の数字を詳しく見てみると、一見したところ最もアナリスト予想を下回ったのは、やや低調な既存店売上高成長率でした。わずか1.9%にとどまり、結果として総売上高成長率も4%ほどとなりました。昨年見慣れていた1桁台後半の既存店および総売上高成長率と比較すると、明らかに弱い数字です。
しかし、マクドナルドの業績は適切な文脈で見れば非常に堅調です。第1四半期は13四半期連続の既存店売上高プラス成長となり、過去4年間で合計30%の成長となっています。
2024年は過去最高の業績を達成へ、2025年には成長が回復
マクドナルドの第1四半期の成長は適切な文脈で見れば好調であったことに加え、投資家がこの数週間見過ごしてきたもう一つの要素は、同社が依然として2024年に過去最高の業績を達成する見込みであることです。さらに重要なことは、2025年には成長の回復も期待されていることです。
具体的には。第1四半期末の店舗数は42,018 店と、前年同期比 3.7%増となっています。店舗数は引き続き拡大しており、既存店の伸びが 1 桁台前半であることと相まって、年間の総売上高の大幅増が予想されます。コンセンサス予想では、売上高は過去最高の 266 億 5,000 万ドルとなり、前年比 4.5% の増加となります。EPS(1株当たり利益)については、市場は前年比 2.2% の緩やかな増加を予想していますが、それでも過去最高の 12.20 ドルとなります。
バリュエーションは買いの好機を示唆
投資家は、マクドナルド株が常に割高で取引されているため、購入をためらうとよく不満を漏らします。しかし、最近の株価下落は買いの機会をもたらしているようで、株価は同社の将来の成長予想とマクドナルドの全体的な資質に対して過小評価されている可能性があります。
今年の予想PER(株価収益率)は22.4倍、来年の利益に基づく予想PERは20.6倍で、株価は5年間のレンジである20倍から30倍の下限で取引されているようです。
アナリストによると、マクドナルド株は「買い」か?
TipRanksによれば、ウォール街の見解を見ると、マクドナルド株のコンセンサス評価は「中程度の買い」です。これは、過去3カ月間のアナリストレーティングの「買い」19人、「中立」9人に基づいています。平均目標株価の306.17ドルは、今後12カ月で12.85%の上値余地を示唆しています。
マクドナルド株の売買でどのアナリストをフォローすべきか迷っているなら、最も正確なアナリスト (1年間) はエバーコアISIのDavid Palmer氏です。1評価あたり平均15.03%のリターンと86%の成功率を誇っています。
結論
マクドナルドの第1四半期決算における売上高成長の鈍化は、一見懸念材料ではあるものの、前年の好調な業績との厳しい比較という文脈で理解することが重要です。既存店売上高成長率は低下したかもしれませんが、同社が急激に高まった売上高水準を維持し、さらにそれを超えて成長を続けているという事実は、同社のビジネスモデルの質の高さを証明しています。
実際、2024年には過去最高の業績を達成し、2025年度には成長が回復すると予想される中、最近の株価下落は買いの好機を示唆している可能性が高いとみられます。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、McDonald’s Stock (NYSE:MCD): Growth Slowdown Isn’t a Concern. Here’s Why原文の翻訳を中心にまとめています。
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