ストーリーハイライト
急な展開で、ハリス副大統領が民主党の大統領候補指名を獲得する方向で、11月の大統領選で共和党のトランプ前大統領との対決の舞台が整いつつあります。AP通信による7月22日夜の調査によると、ハリス氏は1,976以上の代議員を確保し、指名候補となる可能性が高いとのことです。この動向は株式市場にとって何を意味するのでしょうか?CNBCの有名司会者で投資家のジム・クレイマー氏は、ハリス氏がウォール街のゲームチェンジャーになる可能性があると考えています。
クレイマー氏の大胆予想
CNBCのビジネスニュース番組「Squawk on the Street」の司会者であるクレイマー氏は、ハリスの可能性に興奮しています。同氏は、ハリス氏はウォール街にうってつけの人材かもしれない、と予想しています。「ハリス氏は、バイデン氏が関わろうとしなかったメガキャップ企業の偉大さについて、一定程度理解しています」とクレイマー氏は強調しています。
同氏は、ハリス氏はカリフォルニア州でキャリアを積んできており、アップルやアルファベットなどのハイテク大手企業との関係で有利であり、バイデン氏よりもビジネスに精通している可能性を示唆しています。クレイマー氏は、ハリス氏はバイデン氏のハイテク政策の粗い部分を滑らかにし、株式市場に待望の上昇をもたらす可能性があると見ています。
市場の反応は好意的
株式市場はクレイマー氏の楽観論に同意しているようです。週末のバイデン氏の撤退発表、そしてハリス氏への支持表明を受け、22日月曜にS&P500指数は1.1%、ナスダック100指数は1.6%上昇しました。特にエヌビディアとAMDが堅調でした。投資家はハリス氏の時代を受け入れる準備ができているようで、より有利なビジネス環境への期待が市場の気分を高めているとの見方もあります。
トランプ・トレードの見直しも
バイデン氏が撤退したことで、投資家がトランプ氏の政策から恩恵を受けると考える銘柄に賭ける「トランプ・トレード」戦略は、多少の変化に直面しそうです。インフラストラクチャー・キャピタル・アドバイザーズのジェイ・ハットフィールド氏は、バイデン氏がハリス氏を支持したことで、市場の不透明性がいくらか緩和されたと指摘しています。これにより、投資家はトランプ・トレードに焦点を当てた戦略を再考し、それに応じてポートフォリオを調整する可能性があります。
今後の展開は?
ハリス氏台頭による現在の明るいムードとは裏腹に、まだまだ波乱は続きそうです。S&P500指数は最近厳しい局面を迎えており、ドイツ銀行のアナリスト、ヘンリー・アレン氏は、選挙シーズンが市場の動揺をさらにもたらすかもしれないと警告しています。「市場は11月の米大統領選にますます注目している」と同氏は強調しています。
11月に近づくにつれ、市場にはさらなる紆余曲折が待ち受けているかもしれません。ハリス氏が大統領選の主役に躍り出ようとしている今、金融界は同氏の立候補が市場にどのような影響を与えるかに注目しています。今のところ、ウォール街は今後の展開について慎重ながらも楽観的であるようです。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Jim Cramer Weighs In: How Kamala Harris Could Impact the Stock Market原文の翻訳を中心にまとめています。
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