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長期保有する価値がある成長株ETF

ストーリーハイライト

iシェアーズ・ラッセル1000グロースETFは、過去10年間で年率15.3%という素晴らしいリターンで市場全体をアウトパフォームしており、長期的に検討すべきETF(上場投資信託)です。

過去1年間で34.1%上昇した「iシェアーズ・ラッセル1000グロースETF (iShares Russell 1000 Growth ETF, NYSEARCA:IWF)」は、好調なパフォーマンスで知られるETFです。実際、過去5年と10年の間、広範な市場をアウトパフォームしてきた長期的な勝者です。

ブラックロック(NYSE:BLK)のiシェアーズが提供するこの人気ETFは、その長期的な成功実績、高評価の成長株の分散ポートフォリオ、低手数料に基づき魅力的です。さらに、アナリストのこのETFに対するコンセンサス評価は「強気買い」です。

IWF ETFの戦略は?

IWFは2000年に運用を開始し、長年にわたって922億ドルの運用資産を積み上げてきました。この主要ETFは流動性も高く、過去3カ月間では1日の平均出来高が123万枚を超えています。

iシェアーズによると、IWFは「成長特性を示す米国の大型および中型株で構成されるインデックスに連動する投資成果を目指します」。このETFは、投資家に「市場に対して平均以上の収益成長が見込まれる米国企業へのエクスポージャー」を提供します。

このシンプルな戦略には特に複雑さやエキゾチックさはないかもしれませんが、次のセクションで説明するように、ETFとその保有者にとってうまく機能しています。

好調なパフォーマンス

上述の通り、IWFは過去1年間で34.1%上昇していますが、この好調なパフォーマンスは今に始まったことではありません。実際、IWFの魅力の大部分は、過去10年間、より広範な市場に勝ってきたことです。

「バンガードS&P500ETF(NYSEARCA:VOO)」を広範な市場の代替として使用すると、IWFの3年間の年率換算リターン8.3%(4月30日現在)は、VOOの同リターン8.0%(同日現在)を僅差で上回っていますが、特に意味のある差ではありません。

しかし、長い期間で見ると、アウトパフォームは大きくなります。4月30日現在、IWFは年率16.3%という優れた5年リターンを生成し、同日現在のVOOの年率13.2%を上回っています。

優れた過去10年の年率リターン

過去10年間を見ると、IWFは15.3%(4月30日現在)という優れた10年年率リターンを生成しており、これも同期間におけるVOOの12.4%というリターンを上回っています。

これらのリターンを累積的な観点から評価することも有益です。上述したのと同じ期間とパラメータに基づき、投資家が10年前にVOOに10万ドルを投資していた場合、今日のリターンは22万900ドルとなり、おそらく非常に満足のいくものでしょう。しかし、10年前に10万ドルをIWFに投資していた場合、今日31万4,220ドルというより大きな金額になっており、年率換算リターンの数パーセントの差が、長い時間軸で大きな影響を与えることを物語っています。

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強力な成長株のポートフォリオ

IWFは441銘柄を保有しており、上位10銘柄で資産の55.2%を占めています。以下では、TipRanksの保有銘柄ツールを使って、IWFの上位10銘柄の概要をご覧いただけます。

ご覧の通り、IWFの上位10銘柄は、過去10年間にわたり市場を上昇させてきた長期的な勝者で占められています。これには、マイクロソフト(NASDAQ:MSFT)、アップル(NASDAQ:AAPL)、エヌビディア(NASDAQ:NVDA)、アマゾン(NASDAQ:AMZN)、メタ・プラットフォームズ(NASDAQ:META)、アルファベット(NASDAQ:GOOGL)(NASDAQ:GOOG)などの強力な成長株が含まれます。

上位銘柄の特徴は強力なスマートスコア

これらの上位銘柄の特徴は、強力なスマートスコアです。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的株式スコアリング・システムです。このスコアはデータに基づいており、人為的な介入は一切ありません。スマートスコアの計算に組み込まれる8つの市場要因のうち6つは、TipRanks独自のものです。このシステムは、8つの主要市場要因に基づいて銘柄に1から10までのスコアを与え、8以上のスコアは「アウトパフォーム」評価に相当します。

IWFの上位10銘柄のうち7銘柄がアウトパフォーム相当のスマートスコア8以上を獲得しています。IWF自体のETFスマートスコアは10点満点中「アウトパフォーム」相当の8点です。

適正な経費率、低いが安定した配当

IWFの経費率はわずか0.19%です。これは、このETFに10,000ドルを投資する投資家が、年間ベースでわずか19ドルの手数料を支払うことを意味します。このETFが今後年率5%のリターンを上げ、現在の経費率を維持すると仮定すると、この同じ投資家が10年の期間にわたって支払う手数料はわずか243ドルになります。

この0.19%の経費率は、投資家が最大級のインデックス・ファンドに支払う手数料より少し高いものの、IWFは良好な運用成績をあげており、この経費率は全ETFの平均経費率(0.57%)のわずか3分の1にすぎません。

また、IWFは22年連続で配当を支払っていることも特筆すべき点です。その一貫性は評価できますが、ETFの現在の配当利回りはわずか0.6%であるため、投資機会としての魅力の主要部分とは言えません。

アナリストによれば、IWFは「買い」か?

TipRanksによれば、IWFのアナリスト・コンセンサス評価は「強気買い」です。これは、ポートフォリオで保有する各銘柄の過去3カ月間のアナリストレーティングに基づいており、352件の「買い」、83件の「中立」、7件の「売り」です。IWFの平均目標価格の386.13ドルは、今後12カ月で11.6%の上値余地を示唆しています。

結論

「壊れていないなら、直さなくていい」という古い格言があります。このアドバイスは投資にも当てはまります。このETFは、必ずしも複雑な戦略を採用しているわけでも、無名のダイヤモンドの原石を見つけているわけでもありませんが、過去10年間で15.3%という素晴らしい年率リターンを生み出し、その過程で広範な市場を凌駕してきました。

長年にわたって生み出してきた強力なリターン実績、強力な成長株から成る分散ポートフォリオ、そして妥当な経費率に基づき、この勝ち組ETFは魅力的です。さらに、ウォール街のアナリストによる「強気買い」のコンセンサス評価も、IWFの強気ケースを強化しています。

過去の実績が将来の成果を保証するものではないことを常に念頭に置くことは重要ですが、IWFの実績は、このETFが長期保有者にとって良好なパフォーマンスを継続する可能性が高いという確信を与えてくれます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、IWF ETF: This Long-Term Winner Is Worth Keeping原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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