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ヘッジファンドが注目している「強気買い」2銘柄

ストーリーハイライト

アナリストのコンセンサス評価が「強気買い」で、前四半期にヘッジファンドマネージャーの関心を集めた2銘柄を見てみます。

TipRanksでは、投資家が、ヘッジファンドマネージャーなどの金融専門家の投資活動を追跡できます。483のヘッジファンドが発表している13-F(規制当局への開示資料)のデータを集計することで、TipRanksヘッジファンド・コンフィデンス・シグナルは、これらのヘッジファンドマネージャーが銘柄に対してどの程度強気であるかを示しています。

ブロードコムとマーベル・テクノロジーに注目

今回は、TipRanks株式スクリーナーツールを使って、そのような2銘柄に注目しました。ブロードコム(NASDAQ:AVGO) と マーベル・テクノロジー(NASDAQ:MRVL) です。両銘柄ともアナリストから「強気買い」のコンセンサス評価を得ており、前四半期にヘッジファンドによって買われました。

この2つの銘柄を掘り下げてみましょう。

ブロードコム

ブロードコムは、有線・無線通信用の半導体とインフラ・ソフトウェアソリューションを提供しています。活況を呈する人工知能(AI)市場と、2023年11月に完了した、仮想化技術で有力なVMwareの買収は、短期的に同社の成長を支える可能性を秘めています。

ブロードコムが3月7日に発表した2024年度第1四半期(2023年11月-2024年1月)決算が、アナリスト予想を上回ったことは注目に値します。第 1 四半期決算発表後、ブロードコム株は、ウォール街アナリスト 16 人から「買い」を、 4人から「中立」のレーティングを受けました。

TipRanks のデータベースによると、ヘッジファンドは前四半期にブロードコムを 30万500 株購入しています。フィッシャー・アセット・マネジメントのケン・フィッシャー氏や ゴッサム・アセット・マネジメントのジョエル・グリーンブラット氏など、複数のヘッジファンドマネージャーが株式保有を増やしています。また、ヘッジファンド・コンフィデンス・シグナルは現在、「非常にポジティブ」です。

ブロードコムの目標株価は?

ウォール街はブロードコムに対して強気です。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が17人、「中立」が4人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。アナリストの今後12カ月の平均目標株価は 1,552.06 ドルで、23% の上値余地を示唆しています。同社の株価は過去1年間で106.2%上昇しています。

なお、ブロードコムのTipRanksスマートスコアは「パーフェクト10」です。「パーフェクト10」銘柄は、歴史的にS&P500指数(SPX)を大きくアウトパフォームしています。スマートスコアは、TipRanksが独自に開発した定量的株式スコアリング・システムです。これは、8つの市場主要要因に基づいて銘柄に1から10までのスコアを与えるものです。8以上は「アウトパフォーム」に相当します。

マーベル・テクノロジー

マーベルは、幅広いアプリケーション向けのネットワーキング、ストレージ、コネクティビティ・ソリューションを開発している米国の半導体企業です。同社のデータセンター部門が好調で、新チップの開発により市場シェアを拡大しようとしていることは、長期的な成長にとって良い兆候です。

堅調なAI需要が、2024年度第4四半期(2023年11月-2024年1月)の業績を牽引しました。3月7日に予想を上回る第4四半期決算が発表された後、24人のアナリストがマーベル株に「買い」レーティングを付け、1人が「中立」を付けています。

興味深いことに、この銘柄はTipRanksのヘッジファンド取引活動ツールから「非常にポジティブ」のシグナルを受けています。このツールによると、ヘッジファンドは前四半期に240万株を購入しています。ケン・フィッシャーとジョエル・グリーンブラットの両氏は、マーベル株へのエクスポージャーを増やしています。

マーベル株の見通しは?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が26人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。今後12カ月の平均目標株価は89.60ドルで、現在の水準から35.59%の上値余地を示唆しています。過去1年間で株価は76.5%上昇しています。

ポジティブな点としては、TipRanksのスマートスコアは「パーフェクト10」です。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、AVGO, MRVL: 2 “Strong Buy” Stocks Hedge Funds Are Bullish On原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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