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ETFを通じて金に投資するメリット

ストーリーハイライト

金は古来より富の形態としてその魅力を保ち続け、今日でも人々は様々な理由で金に投資しています。金は価値の貯蔵やポートフォリオの安全資産としての役割を果たすと同時に、分散投資も可能です。ETF(上場投資信託)を通じて金に投資できるようになったのは、(投資の歴史の中では)比較的最近ですが、ETFを通じて金に投資することは、投資家に費用対効果、流動性、利便性を提供する点で有利です。

ここでは、なぜ金がバランスの取れたポートフォリオの魅力的な一部であり続けるのか、なぜETFが金へのエクスポージャーを得るのに最適な方法なのか、そして今日の市場でトップクラスの3つの金ETFの簡単な概要について詳しく見ていきます。

なぜ金なのか?

上述したように、金は古代から価値の貯蔵品として機能してきました。基本的に、金は景気後退や景気上昇、インフレなどを通してその価値を維持してきました。中央銀行はより多くの不換紙幣を印刷することができますが、金は有限の物理的資源であるため、政府がより多くのお金を印刷する場合、金の価格は対通貨ベースで上昇するはずです。

これらの恩恵に加えて、金は投資家のポートフォリオを株式や債券以外にも分散させることができる金融商品であり、歴史的に伝統的な資産クラスとの相関性が低いリターンを提供します。

金ETFを使う理由

金自体は何世紀にもわたって使われてきましたが、金ETFは比較的新しい概念で、2004年に米国で最初の金ETFである「SPDRゴールド・シェアETF」(NYSEARCA:GLD)が発売されたことにさかのぼります。金ETFにはいくつかの利点があり、より多くの投資家が投資対象としての金にアクセスしやすくなります。

何よりもまず、金ETFは投資家に流動性を提供します。現物の金の売買は、金ディーラーに行ったり、オンラインで金を買ったりと面倒な手続きが必要ですが、金ETFの購入は、はるかに簡単で便利なプロセスです。証券口座のボタンをクリックするだけで売買できます。

さらに、金ETFは現物の金のように物理的な保管を必要としません。保有する金は証券口座で安全に保管されており、紛失や盗難を心配する必要はありません。また、ETFでは保管料や保険料を支払う必要もありません。金ETFは他のETFと同じように手数料を取りますが、その経費率は、多くの場合、現物の金の購入、保管、保険に関連する経費よりも低くなります。

金ETFは、個人投資家や機関投資家が株式市場を通じて金に投資する簡単で便利な方法です。この方法で金への直接的なエクスポージャーを得ることに関心のある投資家のためのトップオプションの3つを紹介します。

SPDRゴールド・シェア (NYSEARCA:GLD)

上述したように、SPDRゴールド・シェア (GLD)は米国における最初の金ETFであり、運用資産(AUM)550億ドルで、現在もこの分野の支配的な投資手段です。経費率は0.40%で、1万ドルを投資した場合、1年間で40ドルの経費を支払うことになります。

GLDは、投資家にとって透明性があり安全な選択肢とみられます。GLD信託特定口座では、現物の金を、ニューヨーク、ロンドン、チューリッヒのカストディアンであるJPモルガン・チェース(NYSE:JPM)とHSBC銀行(NYSE:HSBC)の金庫に保管しています。物理的に保有されている金は、財務監査の一環として毎年監査されます。

iシェアーズ・ゴールド・トラスト (NYSEARCA:IAU)

GLDは最も古く最大の金ETFですが、iシェアーズ・ゴールド・トラスト(IAU)は第2位で、257億ドルのAUMがあります。IAUは2005年にGLDのすぐ後にスタートしました。

GLDもIAUも金に投資しますが、IAUがGLDより優れている点は、経費率が0.25%と低いことです。つまり、1万ドルをIAUに投資する投資家は、1年目に25ドルの手数料を支払えばいいことになります。

IAUは、投資家の要望に応じて保有する金を自ら確認できるように、ウェブサイトで金の延べ棒のリストを提供しています。IAUは、金の延べ棒をニューヨークとロンドンにあるJPモルガンの金庫に保管しています。

アバディーン・スタンダード・フィジカル・ゴールド・シェアーズETF  (NYSEARCA:SGOL)

アバディーン・スタンダード・フィジカル・ゴールド・シェアーズETF(SGOL)は、金現物へのエクスポージャーを探している投資家にとって、もう一つの興味深い選択肢です。SGOLのAUMはGLDやIAUよりはるかに小さく、27億ドルです。

2009年に設定されたSGOLの経費率はわずか0.17%で、大きな2つのETFよりも割安です。つまり、1万ドルをSGOLに配分した投資家が1年目に支払う手数料はわずか17ドルです。

3つのETFのリターンがそれぞれ5%で、現在の経費率が10年間維持されると仮定すると、SGOLに1万ドルを投資した投資家が支払う手数料はわずか261.81ドルで、IAUに同額を投資した個人が支払う手数料は383.70ドル、GLDの場合には610ドルです。

SGOLはまた、投資家に保有金地金の透明性を提供するため、サイト上で保有金地金のリストを提供しています。SGOLの金はチューリッヒとロンドンにあるJPモルガンの金庫に保管されています。

結論:バランス・ポートフォリオへの望ましい追加

金ETFは、現物の金と同様に伝統的資産クラスに対する分散をもたらし、投資家により高い流動性と利便性をコスト効率の高い方法で提供するため、ポートフォリオに金へのエクスポージャーを追加するには最適な方法です。

上記で取り上げた3つのETFは、いずれも費用対効果が高く、透明性の高い金への直接エクスポージャーを提供する信頼性の高い手段であるため、投資家にとって堅実な選択肢です。この3つのうち、SGOLは経費率が0.17%と最も費用対効果の高い選択肢であるため、個人投資家にとって最良の選択肢であるとみられます。GLDとIAUは、SGOLよりも流動性が高く、取引量も多いですが、3つとも平均的な投資家にとっては十分な流動性を提供します。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、The Advantages of Investing in Gold Through ETFs原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
TipRanksの専属編集者兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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