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ストーリーハイライト
ハイテク関連銘柄に陰りが見え始めた今、バリュー志向の投資家は、まだまだ成長が期待できる低コストの中型株銘柄を再考すべきでしょう。そんな中型株では、フットウェア3銘柄が注目され、新旧のプレーヤーがより大きなシェアを獲得しようとしています。
近年、DTC(消費者直接販売)トレンドは落ち着きを見せていますが、実店舗とデジタルの領域で安定した足場を築いている有力ブランドには大きなチャンスがあると考えられます。
そこで、TipRanksの比較ツールで、中堅フットウェア企業に関するアナリストの見方を確認し、この不安定な消費者環境で成長を続けられる企業があるかどうかを見てみましょう。
クロックス (NASDAQ:CROX)
クロックスは、Crocsサンダルなどのカジュアル靴で有名な米国のフットウェア企業です。その潜在的な価値提案と株価の新たな勢いが注目されています。アナリスト・コミュニティの「強気買い」評価や、大物アナリストの注目すべき発言も相まって、米国の消費者がここ数年の厳しい状況を乗り越えて前進しようとしている今、同社には強気の見方が高まっています。
株価は史上最高値に接近
オフィスへの復帰命令により、労働者はクロックスを捨て、派手なドレスシューズか、少なくとも人目を引くことの少ないスニーカーを履く傾向があるかもしれません。それでも、クロックスは、堅調な四半期を背景に、28%の顕著な年初来上昇のおかげもあり、史上最高値に手が届く距離にあります。
2023年第4四半期のEPS(1株当たり利益)は2.58ドルで、予想の2.37ドルを上回りました。厳しい消費環境にもかかわらず、サンダルとHEYDUDE(数年前に買収した軽量シューズブランド)の需要は堅調に推移しています。さらに、同社はDTCでも引き続き好調です。決算発表後、調査会社のレイモンド・ジェームズは、目標株価を120.00ドルから145.00ドルに引き上げました。
なお、株価収益率(PER)は9.37倍と控えめです。
クロックス株の目標株価は?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が10人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の133.00ドルは、今後12カ月で9.8%の上値余地を示唆しています。
ビルケンシュトック (NYSE:BIRK)
ビルケンシュトックは、ドイツのサンダルメーカーで数カ月前に上場したばかりですが、1774年に設立された最も古い企業の一つです。今のところ、ビルケンシュトック株は、2023年10月に取引を開始して以来、株価は上昇トレンドにあり、IPOとしてはかなり成功しているようです。
卸売パートナーと提携しつつ、DTCの機会を最大限活用
クロックスと同様、ビルケンシュトックは、厳選された卸売パートナーとも提携しながら、DTCの機会を最大限に活用しています。ビルケンシュトックは、レバレッジの削減を続けながら、ブランドの勢いを増しています(ヒット映画『バービー』で、若い世代にサンダルを紹介しています)。
予想PERで40.6倍は、サンダルメーカーとしては割高ですが、成長を念頭に置いているとみられます。直近の第4四半期(および上場企業としての第1四半期)売上高は、16%成長を記録しています。古い歴史を持つサンダル会社にとって、単に堅実な成長ではなく、消費者がより良い状況になれば、さらに伸びしろがある持続可能な成長とアナリストは見ています。
ビルケンシュトック株の目標株価は?
過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が10人、「中立」が3人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の52.30ドルは、今後12カ月で1.65%の上値余地を示唆しています。
スケッチャーズ (NYSE:SKX)
最後に、最近注目されているのがスニーカーのスケッチャーズです。スターアスリートを起用したり、デザイン奨学金コンテストを通じて若い学生のクリエイティブな精神を取り入れたりすることで、新しい世代においてブランドの存在感が増しているようです。
高価なライバル・スニーカーに劣らないテクノロジー搭載
おそらく、最新かつ最高のスケッチャーズのスニーカーには、高価なライバルの靴と同等か、あるいはそれ以上の快適なテクノロジーが搭載されているため、低価格のスケッチャーズを選ぶことは、まったく「トレードダウン」しているわけではありません。
DTC からブランド親和性を強化する取り組みまで、全方向で取り組みを進めているスケッチャーズを、アナリストは強気で見ています。
史上最高値から約7%下落していますが、同社は世界的な店舗数の拡大を目指し、長期的なDTC成長の機会を手に入れようとしており、むしろ買い場と考えられます。
スケッチャーズ株の目標株価は?
過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が8人、「中立」が2人で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の66.80ドルは、今後12カ月で9.7%の上値余地を示唆しています。
結論
中堅フットウェア企業は、強力なブランドを最大限に活用するため、DTCの成長レバーを引きつつ、力強い成長を維持しようとしています。アナリストはこの3銘柄のうち、クロックス株の上値余地が最も大きく(9.8%)、スケッチャーズの上値余地も同程度(9.7%)と見ています。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、CROX, BIRK, SKX: Which Footwear Stock Can Run the Most?原文の翻訳を中心にまとめています。
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