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ストーリーハイライト
新たなイノベーションを背景としたテックシーンの盛り上がりにより、ビデオゲーム企業の成長が加速する可能性があります。ウォール街は2024年に向けて、以下のビデオゲーム株にかなり強気です。
生成人工知能(AI)と、仮想現実や拡張現実として知られるメタバースが台頭する中、各社が没入感を次のレベルに引き上げることで、ビデオゲーム市場はさらなる成長を遂げるとみられます。そこで本記事では、これらのカタリストについて説明し、TipRanksの比較ツールを使って2つのビデオゲーム株(エレクトロニック・アーツと任天堂)を分析し、どちらが有利かを見ていきます。
メタバースと生成AIから恩恵を受けるビデオゲーム市場
アップル(NASDAQ:AAPL)の空間コンピューター「Vision Pro」は2月上旬の発売を控えており、ゲームに対する考え方が大きく変わるとみられています。Apple Vision Pro自体はゲーム機器ではありませんが、それを楽しく便利なものに変える、相当奥深いゲームやエクスペリエンスがアプリストアに並ぶのは時間の問題と思われます。
ビデオゲーム会社は、仮想現実の世界に徐々に足を踏み入れていくとみられ、Vision Proのような画期的な製品は、仮想現実ゲーム開発の根本的な経済性をより良いものにするかもしれません。
さらに、生成AIが台頭してくれば、どんなに野心的なビデオゲーム・プロジェクトでも開発コストを抑えることができるでしょう。もちろん、AIがビデオゲーム・コミュニティにもたらすものに対して、デザイナーや開発者の反発があるのは確かです。しかし、AIが今後5年から10年の間にゲーム業界を大きく動かす可能性があると見ています。
2つのゲーム大手を見てみましょう。
エレクトロニック・アーツ (NASDAQ:EA)
エレクトロニック・アーツは米国の大手ビデオゲーム企業で、人気スポーツゲームなどを手掛けています。ラインナップには、NHL(ナショナル・ホッケー・リーグ)、UFC(総合格闘技のアルティメット・ファイティング・チャンピオンシップ)、Madden(アメリカンフットボール・ゲーム)、WRC(レースゲーム)、EA FC(サッカーゲーム)があります。同社は、スポーツファンが切望する次世代体験を提供する手助けをしてきました。さらに、最近のスポーツ以外のタイトル(『スター・ウォーズ ジェダイ:サバイバー』など)も魅力的で、昨年のビデオゲーム賞で2部門にノミネートされたほどです。
エレクトロニック・アーツは業界で最も愛されている企業ではないかもしれませんが、潜在的に爆発的な市場における同社の足場を考えると、強気であり続ける価値はあると思われます。
レースゲームで仮想現実をサポートへ
過去2年間横ばいだった同社株はPER(株価収益率)が18.1倍で、今まさに魅力的なバリュープレーと考えられます。同社は今後、毎年恒例のスポーツタイトルに加え、待望の「Plants vs. Zombies 3(植物とゾンビの戦いに関するアクションゲーム)」を発売する予定です。
伝えられるところによると、EA Sports WRCはPC向けの仮想現実をサポートするとのことです。これは、レースゲームの遊び方を大きく変えてしまうかもしれない大きな出来事です。レースゲームは仮想現実のために作られたものであり、EAの手によってこのフランチャイズが進化すれば、EAは空間コンピューティングの時代において大きな力を持つようになるでしょう。
アナリストによると、エレクトロニック・アーツ株は「買い」?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が12人、「中立」が7人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価の147.32ドルは、今後12カ月で7%の上値余地を示唆しています。
任天堂 (OTC:NTDOF)
任天堂はビデオゲームの強豪企業であり、米国では同社のADR(米国預託証券)がOTC市場に上場されています。同社は次世代ゲーム機「Switch 2」の開発に懸命に取り組んでおり、業界情報によれば、米国の年末商戦に間に合うようにリリースされる可能性があります。このため、一部のアナリストは任天堂に対して強気です。
任天堂は、ハードウェアでは業界をリードしていないかもしれませんが、素晴らしいコンテンツを擁しています。同社は常に高評価のタイトルを生み出しており、その良質な知的財産によって、ビデオゲーム市場の急成長から大きな恩恵を受けられる企業として際立っています。
アップルと任天堂の関係に再び注目
任天堂は古い会社ですが、ゲーム業界で相変わらず重要な会社です。そして、昨年3月の安値から46%以上の急騰は、今年の年末までに株価が最高値を更新する可能性を示唆しています。
また以前、アップルが任天堂の買収を検討との報道がありましたが、アップルがVision Pro投入などでビデオゲーム分野のレベルアップを本気で考えているのであれば、アップルと任天堂の関係が再びクローズアップされる可能性があります。
アナリストによると、任天堂株は「買い」?
TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が2人、「中立」が1人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。なお、目標株価は設定されていません。
結論
ビデオゲームは、(仮想現実やAIなどの)新たなテクノロジーが登場するにつれ、今後数年間で奏功する可能性がある投資テーマになりつつあります。現時点では、エレクトロニック・アーツと任天堂は、ゲーム開発シーンが提供する最高のものへの投資としては傑出した銘柄です。両銘柄で見た場合、Switch 2リリースが大きな起爆剤となる可能性があるため、任天堂の方が有利とみられます。
本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、EA vs. NTDOY: Which Video Game Stock is the Better Bet?原文の翻訳を中心にまとめています。
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