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ドミノ・ピザ株:成長ストーリーに関する懸念にもかかわらず、依然として優れた高収益企業

ストーリーハイライト

ドミノ・ピザ (NYSE:DPZ)株は、成長の勢いが頭打ちになったのではないかという投資家の懸念の中、過去の高値からかなり低い水準で取引されています。主要株価指数が大幅に反発しているにもかかわらず、世界最大のピザチェーンの株価は現在、2021年12月のピーク時(約550ドル)より30%低い水準で取引されています。とはいえ、現在の懸念は誇張されたものであり、ドミノは依然として優良企業であると考えられます。

消費者動向の変化による売上高の減少

ドミノ・ピザの成長ストーリーの終焉に関する懸念は、売上高が最近減少していることから生じています。ここ数年、消費者はインフレ圧力が続く中、最大限の節約をするよう、メニューの好みを調整してきました。全般的なコスト上昇と相まって、これは同社の成長見通しに大きな逆風となっています。

人々は、すべてのファストフード・チェーンにおいて、価格に見合った価値を求めており、ドミノも例外ではありません。ドミノ・ピザの需要が大きく落ち込むことはなかったものの、消費者は節約しようとメニュー選びに慎重になりました。

割引ピザが好まれ、平均注文額が減少

例として、日替わり割引ピザがますます多くの人に好まれるようになり、ドミノの平均注文額は減少しました。直近の第3四半期決算では、店舗の平均バスケット価格が1.7%減少し、販売量がわずかに減少したことと相まって、売上高は3.9%減の10億3,000万ドルとなりました。

この結果は、売上高が前年同期比で6.5%減少した2009年の世界金融危機時以来、同社にとって最悪のものです。このように、投資家がドミノの成長ストーリーの持続可能性について懐疑的になっている理由がお分かりいただけるでしょう。同社は、過去10年間の2桁成長を再現するには程遠いようです。

ドミノはクオリティが高く高収益な企業であることに変わりなし

ドミノの売上高成長は顕著な落ち込みに直面していますが、その強固で利益率の高いビジネスモデルに注目すべきです。同社のレストランの99%はフランチャイズであり、投資家が抱く根本的な懸念の多くから同社を隔離しています。

第3四半期のサプライチェーン売上高は4.3%減少したものの(販売量の減少が原因)、注目すべき点はドミノの戦略的な新規出店にあります。これはフランチャイズ・ネットワークの拡大に寄与し、各店舗は売上高に対して5%のロイヤルティを生成します。その結果、為替の影響とロシア市場からの撤退を除けば、ロイヤリティ売上高は5.1%増という素晴らしい成長を遂げました。

実際、売上高が全体的に減少しているにもかかわらず、営業利益は7.3%増加し、1億8,940万ドルに達しました。EPS(一株当たり利益)は50%近く急増して4.18ドルとなり、投資家はこの重要な指標に注目する必要があります。

アナリストによると、ドミノ・ピザ株は「買い」?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が13人、「中立」が9人、「売り」が2人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価は411.32ドルで、今後12カ月で4.8%の上値余地を示唆しています。

ドミノ・ピザ株を売買する際の判断材料となるアナリストをお探しなら、Stifel NicolausのChris O’Cull氏でしょう。過去1年間、彼は常に卓越したパフォーマンスを発揮し、1レーティングあたり26.68%という驚異的な平均リターンを誇り、成功率は95%に達します。

結論

ドミノ・ピザは、消費者動向の変化やコスト上昇により売上高が伸び悩む困難に直面しているものの、クオリティが高く利益率の高い投資先であることに変わりはありません。最近の売上高の減少は、営業利益とEPSの大きな成長によって相殺されています。

したがって、成長ストーリーの実行可能性に関する短期的な懸念があるものの、そして株価が過去の高値から大きく離れた水準で推移しているとしても、ドミノの持続的な収益成長ポテンシャルは、引き続き魅力的と考えられます。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Domino’s Pizza Stock (NYSE:DPZ): Is the Growth Story Over?原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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