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コカ・コーラ株:新製品などで今年後半に株価上昇の可能性

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コカ・コーラ(NYSE:KO)株はここ数年横ばいが続いていますが、インフレが落ち着き、新たなイノベーションが期待される今夏、株価は再び活気づく可能性があります。さらに、ウォール街はコカ・コーラに強気です。

コカ・コーラは、ウォーレン・バフェット氏のバークシャー・ハサウェイ(NYSE:BRK.B)のポートフォリオの中で、おそらく最も期待外れの銘柄の一つです。過去2年間横ばいで推移している退屈な銘柄であることに加え、時代の流れは糖分が多い不健康な飲料から健康的な飲料へと微妙にシフトしているようです。

新しいフレーバー飲料と魅力的なマーケティングに注目

それにもかかわらず、コカ・コーラでは新しいフレーバー飲料が登場し、魅力的なマーケティング戦略が展開されているため、影響力がある破壊的な他社製品に対抗するために必要なものを備えているとみられます。今年後半に向けての同社の動向が注目されます。

下のチャートが示す通り、コカ・コーラの株価は過去2年間は比較的横ばいでした。

セルシオ・ホールディングス(NASDAQ:CELH)やローガン・ポールズ・プライム(Logan Paul’s Prime)のようなライバルが、スポーツドリンクやエナジードリンクのカテゴリーでコカ・コーラに挑戦している中、コカ・コーラの「堀(強力な競争優位性)」がどれだけ侵食されつつあるのか、誰もが注目しています。

良いニュースは、コカ・コーラの株価は割高ではないことです(ノンアルコール飲料業界の平均PER(株価収益率)25.5倍に対して、コカ・コーラは25.2倍)。株式市場が史上最高値からやや冷え込む中、おそらくコカ・コーラは外部からの助けなしに上昇する可能性があります。さらに、「退屈な」銘柄であることは、特に2024年11月の米大統領選挙に近づくにつれて、相場の地合が荒くなっていく中で、有利に働くかもしれません。

コカ・コーラのベータ値は0.58で、市場リスクは低いとみられます。また、3.13%の配当利回りは、投資家にとって波乱の展開があったとしても魅力的です。少しでもリスクを減らしたいのであれば、コカ・コーラ株は魅力的な投資先と言えそうです。

2024年下半期に活気を取り戻すカタリスト

直近四半期決算では堅実な業績を発表し、ユーザーが値上げを受け入れたことが確認できました。経営陣は2024年の既存事業の売上高成長率予測を、事前予想から2%増の8~9%に引き上げました。これは、時価総額2,710億ドルの消費財企業としては、かなり順調な成長と言えるでしょう。

インフレが一段落する中、四半期ごとに好調を維持するには、新たな成長手段を活用する必要があります。今年初めに発売されたラズベリー風味の「コカ・コーラ・スパイス」を含む新しいフレーバーや、どんな経済的(またはカロリー的)予算にも合う20オンス(約600ミリリットル)と12オンス(約360ミリリットル)の魅力的な新しい形状により、コカ・コーラは、インフレが高止まる環境下で好調さを維持できる可能性があります。

全面的に製品イノベーションを強化、マーケティングではK-POPとのコラボも

スパイシーなコーラとは別に、同社は全面的に製品イノベーションを強化しようとしています。カナダドライ・フルーツスプラッシュ、サンキスト・ストロベリーオレンジ、ドクターペッパー・クリーミーココナッツは、夏に向けて発売予定の新製品です。

マーケティングにおいては、K-POPとのコラボ製品を出したり、新たなマーケティングプラットフォームを活用し顧客エンゲージメントを拡大させています。これらにより、新製品のさらなる売上拡大が望めるでしょう。

スポーツドリンクは利益拡大のチャンス

コカ・コーラの株価を今後上昇させる可能性があるのは、ソーダ飲料だけではありません。エナジードリンクやスポーツドリンクを拡大することで、同社はマージンを拡大するチャンスがあると見ています。

コカ・コーラのエナジードリンクは2011年に突如販売終了しましたが、10年近く保有するモンスター・エナジー(NASDAQ:MNST)の株式16.7%は、モンスター級のパフォーマンスを上げています。投資開始以来そのパフォーマンスは350%以上増加しており、今後何年にもわたって配当が支払われる可能性があります。

アナリストによると、コカ・コーラ株は「買い」か?

TipRanksによれば、コカ・コーラ株のコンセンサス評価は「強気買い」です。これは過去3カ月間のアナリストレーティングの、「買い」12人、「中立」3人に基づいています。平均目標株価は67.64ドルで、今後12カ月で5.8%の上値余地を示唆しています。アナリストの目標株価は安値58.00ドルから高値72.00ドルの範囲です。

結論

コカ・コーラ株は、数年にわたる調整局面を抜け出し、今年後半には良好な買い銘柄となる可能性があります。新しいフレーバー、魅力的なマーケティング、より効率的で合理化されたオペレーションが、株価を押し上げる可能性をアナリストは注視しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、How Coca-Cola Stock (NYSE:KO) Can Regain Its Fizz This Year原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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