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コカ・コーラ:ウォーレン・バフェット氏のお気に入り銘柄が回復へ

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著名投資家ウォーレン・バフェット氏は、コカ・コーラ(NYSE:KO)の製品を好んで飲むことで知られており、そして長年コカ・コーラ株を買い持ちしています。しかし、今年の市場は、「マグニフィセント・セブン」銘柄に執着するあまり、コカ・コーラ株を事実上見捨てていました。

ノンアルコール飲料でもおなじみのコカ・コーラですが、コカ・コーラ製品は世界中に愛飲者がたくさんいます。バフェット氏もこのことをよく理解しています。

2023年にコカ・コーラ株が下がった理由

コカ・コーラ株が2023年に下落トレンドにあった理由を理解することが重要です。主要株価指数が年初来で上昇しているのに、バフェット氏の銘柄のパフォーマンスがこれほど悪いのはなぜでしょうか?

第一に、コカ・コーラはテクノロジー企業ではありません。コカ・コーラは電話会議の中で生成AIについてあまり言及しないので、市場は基本的に無視しました。

第二に、市場は高インフレがコカ・コーラに与える影響を懸念しています。米国の消費者は、物価が上昇してもジャンクフードを買い続けるのでしょうか?その疑問は、後述するコカ・コーラの最新決算データで間違いなく解けました。

第三に、投資家は、最近の米ドル高のため、為替レートのネガティブな影響を懸念しています。この影響はコカ・コーラの業績に出ていますが、同社にとって壊滅的なものではありません。

最後に、市場は、ノボ・ノルディスク(NYSE:NVO)のオゼンピックやウェゴビーなどの減量薬がコカ・コーラの収益にどのような影響を与えるか心配しています。しかし、コカ・コーラのJames Quincey CEO兼会長は決算発表で、これらの減量薬が米国の飲料業界に与える影響は、「話題的なもの以外には影響を示すデータはほとんどない」と自信たっぷりに主張しました。

コカ・コーラの決算が物語るもの

確かに、コカ・コーラのCEOは、オゼンピックとウェゴビーがコカ・コーラに与えた影響は最小限だとほのめかすことができます。しかし、慎重な投資家は、判断を下す前に同社の財務データを見たいはずです。

結局のところ、コカ・コーラの業績は非常に良好でした。2023年第3四半期の売上高は前年同期比8%増の120億ドルとなり、アナリストのコンセンサス予想114億ドルを上回りました。このように、値上げしていても、減量薬が流行っていても、消費者はコカ・コーラの製品を買いたいと思っていたようです。

さらに、第3四半期のEPSは0.74ドルで、ウォール街予想の0.69ドルを上回りました。これらの結果を受け、Quincey社長は「当社は全体的に堅調な四半期を達成し、通期の売上高と利益のガイダンスを、これまでの業績を踏まえて引き上げます」と発表しました。

同社は、第3四半期の営業利益率が前年同期の27.9%から27.4%に低下したことについて、「為替による逆風」を挙げています。しかし、これは大きな減少ではなく、為替市場の変動は行ったり来たりするもので、グローバルにビジネスを展開する上で避けられない副産物です。

アナリストによると、コカ・コーラ株は買い?

過去3カ月間のアナリストレーティングは、11件の「買い」と3件の「中立」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価は65.69ドルで、17.3%の上値余地を示唆しています。

コカ・コーラ株を売買する上でどのアナリストに従うべきか迷っている場合、(1年間の時間枠で)最も収益性の高いアナリストはRBC CapitalのNik Modi氏で、1レーティングあたりの平均リターンは9.55%、成功率は82%です。

結論:コカ・コーラ株を検討すべきか?

バフェット氏のようになりたいのであれば、堅実なビジネスを展開している銘柄を選び、長期保有することです。コカ・コーラの業績は、2023年の現時点において市場の寵児ではないものの、岩のように堅固であることを示しています。

ですから、インフレ、為替変動、減量薬がコカ・コーラに与える影響にこだわる必要はないでしょう。ただ、バフェット氏のように冷静さを保つことだけを考えるべきでしょう。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Coca-Cola (NYSE:KO): Enjoy a Refreshing Warren Buffett Stock原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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