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メキシコ料理ファストフードのチポトレ株に引き続き強気

ストーリーハイライト

メキシコ料理のファストフード・チェーンであるチポトレ・メキシカン・グリル (NYSE:CMG) は、S&P500指数(SPX) を過去数年にわたりアウトパフォームしてきました。株価は過去1年で80%上昇し、5年間の上昇率は300%を超えています。チポトレは、実績のある勝者企業としての特徴と、さらなる拡大を支える財務基盤を備えています。

レストランの成長は加速中

カリフォルニア州を本拠とし、ヘルシーなメキシコ料理を標榜するチポトレは、レストランの成長に対して野心的な目標を掲げており、ここ数年着実な成長を続けています。同社は北米で7,000店舗を運営するという長期目標を掲げています。このビジョンは、2023年末の3,437店舗からの大幅なステップアップを意味します。

チポトレは2023年第4四半期に121店舗をオープンしました。これにより、2023年の総出店数は271店舗となりました。

チポトレの2024年ガイダンスによると、レストランの成長は加速し続けるとのことです。同社は2024年に285-315店舗の追加出店を見込んでいます。中間値の300店舗で見た場合、前年比10.7%の増加です。

チポトレは、フランチャイズ・モデルを利用することなく市場シェアを拡大しています。多くのファストフード・チェーンは、より少ない労力で成長するためにフランチャイズを利用し、擬似的な不動産ビジネスとして運営しています。しかし、チポトレは、レストランの運営方法に関するコントロールを手放さず、ブランドイメージとアイデンティティを維持しています。

良好な財務

2023年第4四半期の売上高は前年比15.4%増、純利益は同26.1%増と好調でした。こうした財務状況により、同社は2桁の純利益率を達成できました。

チポトレが売上高と純利益で前年比2桁の成長率を記録するのは普通のことです。2023年通年の売上高は前年比14.3%増、希薄化後EPS(1株当たり利益)は38.4%増で、今後も成長は続くとみられます。

チポトレの利益は拡大しており、同社がより多くのレストランをオープンするのに役立ちます。こうした利益の増加は、チポトレが出店に関して楽観的なガイダンスを発表するカタリストのひとつです。チポトレが市場シェアを拡大すれば、年間300店舗以上をコンスタントに出店できるようになるとみられます。

割高なバリュエーションが唯一の弱点だが、利益率改善で対処へ

バリュエーションは同社の唯一の弱点のようで、同社株は現在、予想PER(株価収益率)49.3倍で取引されています。このバリュエーションは、短期的な視野を持つ投資家にとっては割高に見えるかもしれませんが、5年から10年の視野を持つ投資家であれば、許容できるでしょう。

チポトレの2023年第4四半期の純利益率は11.21%でした。これは同四半期のマクドナルド(NYSE:MCD)の純利益率31.83%よりはるかに低いです。チポトレの純利益率がすぐに30%超に跳ね上がることはないでしょうが、数年内に15%や20%に到達する余地があると思われます。

店舗数を拡大すれば利益率は改善するとみられ、チポトレはその点で正しい方向に進んでいます。同社はまた、過去2年間に4回の値上げを行う柔軟性を備える強力なブランド・ロイヤリティを持っています。

アナリストによれば、チポトレ株は「買い」か?

TipRanksによれば、チポトレ株に関する過去3カ月間のアナリストレーティングは、「買い」が20人、「中立」が8人で、コンセンサス評価は「中程度の買い」です。平均目標株価の2,734.63ドルは、今後12カ月で1.7%の上値余地を示唆しています。最も高い目標株価3,100ドルは、株価が約15%上昇する可能性を示唆しています。

結論

チポトレは、Z世代をはじめ、よりヘルシーなファストフードを求める人々をターゲットにしてきました。1993年の創業以来、市場シェアを急速に拡大し、現在も急成長を続けています。純利益率の上昇は、より多くのレストランのオープンをサポートし、より多くのレストランは、売上高と利益の規模を拡大します。

同社の唯一の弱点は割高なバリュエーションですが、この株式を数年間保持するつもりの投資家にとっては許容範囲でしょう。チポトレは、資産を購入し、保持できる投資家にとって魅力的です。さらに、多くの指数をアウトパフォームしており、将来の成長のための良好な道程があるとみられます。

免責事項

ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、Here’s Why Chipotle Stock (NYSE:CMG) Still Looks Bullish原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
米国株投資の銘柄分析はTipRanks
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