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バンカメが注目する「強気買い」配当株2銘柄

ストーリーハイライト

バンク・オブ・アメリカのアナリストであるノア・ハンネス氏は、現在の市場状況を注視し、今魅力的に見える2つの配当株を推奨しています。注目すべきは、どちらの銘柄も最近、52週間の最高値から下落しており、高い配当利回りと上昇可能性の魅力的な組み合わせを、割安な価格が後押ししていることです。

TipRanksデータベースを使用して、ハンネス氏のストックピックに関する広範なウォール街の見解を調べたところ、両銘柄とも「強気買い」のコンセンサス評価を受けており、どちらも2桁の上昇可能性を示していることがわかりました。詳細は以下の通りです。

パーミアン・リソーシズ (Permian Resources, PR)

注目する最初の銘柄は、テキサス州で活動する多くの独立系石油・天然ガス探査・生産会社の一つであるパーミアン・リソーシズです。社名からもわかるように、同社は、エネルギー資源が豊富なパーミアン盆地における最大級のE&P(探鉱、開発、生産)専業企業の一つです。同社は、より広範なパーミアン盆地内のミッドランド盆地、およびテキサス州とニューメキシコ州の境界にまたがるデラウェア盆地に広大な鉱区を保有しています。

高収益の石油・ガス物件の取得と開発に注力

パーミアン・リソーシズは、投資家へのリターン促進を目標に、これらの層内にある高収益の石油・ガス物件の取得と開発に注力しています。同社は、保有資産が生産寿命を通して高収益を生み出すように最適化させるため、技術的専門知識と運用の柔軟性を組み合わせて活用しています。同社の時価総額は120億ドル近くに達します。

直近の2024年第1四半期決算は堅調で、売上高は12億4,000万ドルとなり、これは前年同期比101%増であり、アナリスト予想を3,000万ドル上回りました。しかし、一株当たり利益(EPS)は0.25ドルと、予想を14セント下回る結果となりました。

株主還元にコミット、配当利回り5.2%はインフレ率を大きく上回る

パーミアンは株主還元にコミットしており、第1四半期には3,100万ドルを費やして200万株を買い戻し、配当を増額しました。基本配当は20%増の普通株1株当たり6セントとなり、5月29日に1株当たり14セントの変動配当とともに支払われました。合計20セントの配当は、年間では80セント、配当利回り5.2%となり、これは現在のインフレ率を大きく上回ります。同社は、通常の配当支払いと並行して変動配当を支払うという実績を持っています。

ここで注意すべきは、パーミアンの株価は、今年4月に到達した52週間の最高値から16%下落していることです。

魅力的なエントリーポイントを提供

バンク・オブ・アメリカのハンネス氏は、同社の事業運営における複数の利点を指摘し、楽観的な見方をしています。彼は次のように述べています。「パーミアン・リソーシズの運用実績、有効なバリュエーション、低レバレッジの組み合わせは、同社が統合戦略を継続する上で有利な立場にあると考えています。最近の株価下落を経て、2023年初頭以降、セクター内で最もパフォーマンスの良い株式として魅力的なエントリーポイントを提供していると見ています」

ハンネス氏は、パーミアン・リソーシズに「買い」レーティングを付与し、目標株価の20ドルは、今後12カ月で30%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

TipRanksによれば、パーミアン・リソーシズ株のコンセンサス評価は「強気買い」で、過去3カ月間のアナリストレーティングである「買い」12人、「中立」1人に基づきます。平均目標株価の20.92ドルは、今後1年間で36%の上値余地を示唆しています。

コード・エナジー (Chord Energy, CHRD)

次に紹介するのは、グレートプレーンズ(米国からカナダ西部にまたがる広大な平原地帯)北部で事業を展開する石油・ガス企業、コード・エナジーです。具体的には、米ノースダコタ州とモンタナ州にかけてのウィリストン盆地で石油・天然ガスの探査と生産に従事している

高品質な資産と低い損益分岐点が強み

コード・エナジーのビジネスモデルは、高品質な資産と低い損益分岐点を基盤としています。同社は保有地に6つの稼働リグ(掘削装置)を有しており、確認埋蔵量の約57%が原油で構成されています。

直近の2024年第1四半期の売上高は10億9,000万ドルとなり、アナリスト予想を3億2,300万ドル以上上回り、前年同期比21%以上の成長を遂げました。同様に、非GAAPベース EPSは5.10ドルで、予想を0.34ドル上回り、前年同期比13.5%増加しました。

総配当利回りは7.15%に、株価は13%下落

配当については、5月7日に普通株1株当たり2.94ドル(基本1.25ドル、変動1.69ドル)の複合基本・変動配当を発表し、6月5日に支払われました。年間の総配当は普通株1株当たり11.76ドルとなり、7.15%という高い配当利回りをもたらしています。しかしながら、コード・エナジーの株価は、今年4月に達した最高値から13.5%下落していることに注目すべきです。

アナリスト、相対的な割安感を強調

アナリストのハンネス氏は、特に株価下落を投資家が買いを入れる理由として挙げ、相対的に割安になっていることを指摘しています。同氏はコード・エナジーについて、「株価は原油価格とともに下落しており、中核的なE&P銘柄への魅力的な買い場となっています。コードは現在、2025年のDACF(負債調整後キャッシュフロー)の3.6倍で取引されており、同業他社の平均4.7倍と比較して割安です」と述べています。

ハンネス氏は、コード・エナジーに対する「買い」レーティングを開始し、目標価格の201ドルは、今後1年間で22%の上値余地を示唆しています。

ウォール街の見方は?

ウォール街のコード・エナジーに対する全般的な見方は、ハンネス氏より強気です。TipRanksによれば、過去3カ月間のアナリストレーティングは、9人全員が「買い」で、コンセンサス評価は「強気買い」です。平均目標株価の219.56ドルは、今後1年間で33.5%の上値余地を示唆しています。

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ディスクロージャー

本記事は株式投資分析ツールTipRanksの許可を得て、These 2 ‘Strong Buy’ Dividend Stocks Look Very Attractive Right Now, Bank of America Says原文の翻訳を中心にまとめています。

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この記事のライター
金融コンテンツ・エディター兼翻訳者。 米国株など米国金融市場を中心に金融関連コンテンツの翻訳・作成にこれまで従事。 日本経済新聞社英文編集部門勤務を経て、約20年にわたり外資系金融機関などで金融関連コンテンツの翻訳・編集業務およびマーケティングサポートを担当。 米国の個人投資家向け金融メディア「モトリーフール」の日本語サイト(今は撤退)で、翻訳・編集業務を担当した経験もあり。 日本証券アナリスト協会 認定アナリスト(CMA)
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